板鍋山〜広島県豊栄町



5年ぶりの11月黄砂観測で真っ白の上空にイマイチ、紅葉撮影のテンションが上がらず、
明日はどこへ行こうか計画を立てていたなか、唯称庵跡のカエデ林が13日のみライトアップするということで、
唯称庵跡をメインに撮影計画を立てた。

3時20分、早朝の雲海撮影のため早々と家を出発。
晴れの予報なのに上空は辛うじて星が見えるのは黄砂の影響だろうか。
板鍋山で雲海が見れることを知ったのは、東広島市観光リーフレットに記載されていたので、
場所も近いことから年内に行ってみようと思っていた。
国道沿いに大きな看板があり、狭い山道を上っていくと到着。
途中、仮眠を取ったので現地に着いたのは5時20分頃だったが、移動時間は1時間30分くらい。
板鍋山は無線基地のようだが、紅葉が楽しめるちょっとした広場にもなっており展望台もある。
先客は誰もおらず、灯り1つ無い物騒な山頂だが、駐車場から展望台まで近いのは助かった。
まだ明るくなる前に展望台に行ってみると、星は見えない、霧も出てない、雲が広がり朝日も期待出来ない。
早起きした甲斐、空しくも早朝撮影は空振りとなり6時に下山した。
そもそも豊栄町で霧が出るのか?
下山した跡、三和町へ入ると霧が出ていたので、どうやら豊栄町で霧が発生するのは昼と夜との気温差が激しい頃じゃなければ厳しい。
世羅町でも10月に何度か霧に包まれた景色を見たが、三次と比べると回数は少ないので条件が似ているのかもしれない。
豊栄の街灯りを入れて光の海が見れる面白い場所ではあるので、
来年の10月にまた時期を見て行ってみようと思う。


唯称庵のカエデ林〜広島県甲立町

7時20分、甲立町の唯称庵跡に移動。
毎年、新聞で紅葉記事を目にして名前だけは知っていたが、
紅葉スポットとして取り上げないので知名度は低いがカエデ林は広島県指定天然記念物でもあり興味はあった。
甲立町は何度も素通りしている町だったが、今回、初の撮影で立ち寄ることになった。
場所は国道54号線から少し入ったところで近づくと看板もあり迷うことなく到着。
霧に包まれたカエデ林を想像していたが、
霧は上空に上がり日差しが無い曇り空のような寂しい状態。
裏山の山頂が霧に包まれているので、どこぞの1本桜のように幻想的な絵に仕上がらないかと、
ちょっと遊びで撮影して、その後は、観光客が来ないうちにカエデ林で撮影。
カメラマンとしては一番乗りだったが、次第に1人、また1人とやってきたが、思った以上に出足は遅く、
やはり多くの人に知られてない場所なのだと思った。
お陰で撮影にストレスは無かったが、肝心の日差しは出る気配もなく、ここでもテンションの上がらない撮影となってしまった。





カエデ林の近くでは物産コーナーがあり、朝早くから準備で追われていた。
今日の最後は、ここでライトアップ撮影なので、午後の日差しを期待して15時頃には戻っておきたい。
9時20分、さらに北へ向かって移動する。




神之瀬峡(キャンプ場附近)〜広島県君田村

霧が晴れた後の日差しを期待すべく北へ向かう。
当初、予定していた計画を変更して櫻井家の庭園に向かう。
途中、県道39号線沿いに流れる神之瀬川沿いの紅葉が川に映り込み綺麗だったので足を止めてシャッターを切った。
川の流れを感じさせない穏やかな水面に映りこむ広葉樹の黄色が美しく、
また見方によってはアーチの形をしていたのが面白い。
電線が走っていなければ、もう少し引いて撮影出来たのに勿体無い光景だった。
この頃から霧が晴れて日差しが出てきたが、この日差しがこの日最後の日差しとなってしまった。



久々に神之瀬峡へ行ってみようと遠回り。
まだ本格的に写真を撮る前に1度だけ行った事のある神之瀬峡だったが、
あまり感動することもなく素通りした紅葉スポットで、それ以来行ってないが、
君田の道の駅の観光案内板に鳴ヶ滝が綺麗そうだったので再び行く切っ掛けとなった。
県道456号線を北上し、沓ヶ原ダムを過ぎた辺りで右折して狭い道を進み、
途中、悪路となり車でも行けないことは無さそうだが、無難に1.5キロの道のりを歩く。
残り100mのところで遊歩道、急なアップダウンの続く階段に恐怖を感じながら何とか到着。
頑張って来た割には、滝の周辺に紅葉も無く秋の寂しい被写体だった。



車に戻る頃には12時頃、予想外に時間のロスとなってしまった。
県道456号線に戻り、ここから車の離合が困難な道がひたすら続く。
誰か利用する人がいるのか?と思わせるキャンプ場を過ぎると、
神之瀬峡で一番渓谷らしいシャッターポイントがあり、
このポイントは前回訪れた時も気になった場所だったが、車を止める場所が無かったので断念していた。
今回、少し先に進んだ所に広い離合場所があったので、そこに車を止めて撮影した。
川の流れが止まったような静寂な場所に秘境さを感じるが、もう少し山が色付けば綺麗なのだが。



神之瀬峡にはもう1つ、小庵の滝があり、
キャンプ場からさらに奥へ進むと看板が立ってある。
幸い、徒歩5分ということで気軽に行けるので時間は無いが行ってみた。
徒歩5分ではあるが、道のりは殆ど階段で歩くというより上がる道のり。
落差も水量もあるが細長く木々に覆われ特に感動は無し。
滝周辺の紅葉を入れて撮影してみたが、何とも中途半端な滝の絵になってしまった。




神之瀬峡(高暮ダム周辺)〜広島県高野町

神之瀬峡の見所はいくつかあるが、
その中でも一番の見所は高暮ダムから見下ろす渓谷は迫力満点。
ここから君田村から高野町になる。
今日は黄砂の影響で写真にならないが、晴れた青空の時は綺麗な光景に違いない。
ダム湖周辺も綺麗に紅葉しているが道が狭いので、呑気に紅葉を楽しみながら運転は危険である。
そしてダムを過ぎると最後の見所、ススキ原がお出迎え。
ここは晴れた日に訪れると感動なのだが、生憎の黄砂で台無し。
前回はイマイチと思っていた神之瀬峡だったが、
今回訪れてシャッターを切る事が出来たのと、また来ようと思ったのは予想外の収穫だった。




雄滝、雌滝〜広島県高野町

神之瀬峡を出た頃は13時を廻っており、
当初予定していた撮影計画を白紙に戻し、
絞りに絞って、今回行ってみたいと思っていた高野町内にある滝へ行くことにした。
県道39号線から町内を横目に国道432号線に入り、滝のある大鬼谷キャンプ場へ向かう。
道路周辺には案内板が無かったので事前に場所を把握しておかなければわからないところだった。
有料施設のキャンプ場でお金を払って滝を見なければならないのかと思ったら、滝目当ての人は無料で一安心。
ここは綺麗なキャンプ場で利用客も多くてバーベキューやテント張りしている客で賑わって、
何とも羨ましく楽しそうな光景だった。
そんなキャンプ場を通過してしばらく林道を走ると雌滝に到着。
14時00分、相変わらず黄砂がひどくて今日は午後の日差しすら当たらない。
こうなれば晴れなのか曇りなのかわからない状態だが、一応予報は晴天になっている。
雌滝は道路際から遊歩道を下ってすぐ。
真ん中から2つに分かれた面白い滝だが紅葉も無く秋の被写体には面白くない。



雌滝上流300mに雄滝があるとのことだが、上流に進む遊歩道は無いので1度道路に戻る。
林道は続いているがバリケードで先に進めないようにしている。
通行止めの看板は無いので歩いて先へ進む。
しばらく進んだところに雄滝の看板があったが、
何故、バリケードで先に進めないようにしてたのかが謎である。
こちらも道路際の遊歩道を下ってすぐ滝があった。
こちらは高さもあり岩沿いにすべり落ちる美しい滝で
周辺には黄色く色付いた広葉樹も絡ませ、ようやく秋らしい滝に出会うことが出来た。
滝つぼに落ちている木が無ければすっきりするが、
見方によっては、これはこれで自然が作り出す芸術でアクセントになって面白いものである。
新緑シーズンにまた来たいと思う美しい滝だった。


尾関山公園、鳳源寺〜広島県三次市

14時40分、当初、15時頃までに唯称庵に戻る予定だったが、神之瀬峡の時間ロスでこんな時間になってしまい、
唯称庵に戻ることにした。
途中、尾関山と鳳源寺によって紅葉チェック。
2年前にも訪れているが、ここの紅葉は意外と綺麗でライトアップも素晴らしい。
今日は生憎の黄砂模様で撮影はしなかったが、相変わらず紅葉は綺麗で午後の日差しの射す紅葉を見てみたい。




唯称庵のカエデ林(ライトアップ)〜広島県甲立町

17時00分、まだ暗くなる前に到着。
既にライトは点灯しており暗くなる前に構図を練る。
1日限りのライトアップなので投光器による安易なライトアップかと思いきや、
強いライトをあちらこちらに設置、対岸や離れた場所から山を照らしたりと本格的なライトアップに
この日限りなのが勿体無い。
今日は黄砂で早めに暗くなりだしたので17時30分頃から撮影開始。
黄色く染まったカエデにライトを当てると、午後の日差しを透過した色になり、
赤く染まったカエデはより赤く染まったような色にしてくれるライトアップならではの面白い被写体にシャッターを押す回数も増える。
ライトをさらに強みを出すべく、少し露光時間を長くしてみるがどんな結果に仕上がっているか楽しみ。



今日は生憎の黄砂で散々な撮影日和となってしまったが、
青空を狙って今日の工程を巡ると今回とはまた違った絵になりそうで、
それがまた写真の面白いところである。
18時30分、本日の撮影終了。





写真館 二千年一夜