因島大橋と八重子島

今年は久々に除虫菊を撮影したいと思っていた矢先、除虫菊が見頃を迎えている情報を得て出かけることにした。
天気は良好。
過去数回、午前中に撮影していたので、
今回からは夕方の撮影に挑む事を決めていた。
観光写真コンテストに光跡の入った写真をよく見かけるがまさにその写真を撮ってみたいを前々から思っていた。
露出、露光時間、構図、そして気象条件などなど多くの難関をクリアしてこそ生み出される難しいお題である。

因島大橋を渡っているといつも目に入る八重子島が大潮で陸続きになっていたので、
ちょっと寄り道してみた。
17時30分、大浜に到着。
肉眼で見ると島しか見えないが、実際には浅瀬で歩いて八重子島まで渡れる浅さのようで
潮干狩りの人達や地元の子供たちが楽しんでいた。
観光写真などで見慣れた光景だが実際に大潮の八重子島を見るのは何十年ぶりだったかもしれないが、
思わず物珍しさに写真を撮った。






重井の除虫菊〜広島県因島市

18時20分、大浜経由で重井に到着。
既にカメラマン先客数名三脚を立てらせており、やはり目的は同じのようだ。
いつものポイントから除虫菊畑、そして重井西港を俯瞰する構図で狙う。
西日の当たる除虫菊を撮りたかったが裏山に隠れていたので大浜に寄ったのが仇となってしまった。
この日は綺麗な夕焼け空が広がったが、太陽の沈む位置が悪いので夕焼けとは辛うじて絡むか絡まないかそんな状況の中での撮影となった。


重井西港より
かつて昔は山が真っ白になるほど栽培されていたらしい。



風の無い海に写り込む夕焼けもまた穏やかな瀬戸内海ならでは。
そんな鏡に時折やってくる船の波で消されてしまうが、
その波の優しさにまた心癒される光景があった。
耳を澄ませば船のエンジン音がどこまでも響くこの音風景が好きでいつまでいても飽きが来ない。
ハーフNDを装着して撮影した後は夕暮れ時までしばし休憩。
絞りF13、30秒で事前に露光しておいてフェリーが来た時に再度30秒露光。
まだ空が明るいのでオーバーしているかもしれないがこの結果は現像が上がるまでのお楽しみ。
そして、さらに暗くなってF8で10分露光。
果たしてどんな結果になっているか。
100万ドルの夜景といわれる広大な夜景スポットも良いが、
素朴な漁港の夜景もまた心癒される魅力がある。
港を照らす明るい外灯はまるでケーキにローソクを灯しているかのように見えた。

今回は、道路際にカメラマンがいて思うようにシャッターが切れなかったので
来年、天気が良ければ再び夕焼けを絡ませて撮影してみたいと思う。






写真館 二千年一夜