観音神社秋季大祭〜広島県広島市




今年も広島伝統花火の季節がやってきた。
10月第二日曜日前夜に行われる秋季大祭の前夜祭、所謂、宵宮祭は広島市内で3ヶ所。
そのうち2ヶ所は既に観覧済みなので残り1ヶ所の観音神社へ行くことにした。
土曜日は朝から雨が降っており、このままだと延期になるかも?と思ったが、
午後から止んだので、一応問い合わせしてみると明日へ延期とのこと。
明日は横須祭りへ行く予定だったのに大きく予定が狂ってしまった。
往復4000円の交通費を考えると、節約のため観音神社を選んだ訳だが、
横須祭りで市山煙火の花火を見たかったのが正直な本音であった。



日曜日、15時20分、家を出発。
下道は空いているだろうと敢えて高速道路は志和ICから五日市IC間を利用。
350円の出費で少しは節約になる。
順調に着くかと思いきや五日市ICを出たところで渋滞にはまり、
これならずっと下道で行くのとさほど変わらなかったかもしれない。
観音神社に着いたのは17時30分頃だった。
吹上花火が行われる神社は、大概、街の中にひっそりと木々に囲まれ、石段を上がると境内があり独特な雰囲気があるのだが、
観音神社は廻りに木々や石段も無く、民家やアパート、保育所に囲まれ街に溶け込まれ、あの独特な雰囲気が感じられなかった。
境内というより公園の隅に吹上花火の設置台があり、軽く歩いて現地調査してみたが、
これほど撮影に難しい吹上花火は今までに無く、さてどこからどのようにして撮ろうか頭を悩ませた。



悩ませた結果、しだれ桜の隣、狛犬の隣、ジャングルジム後方の3ヵ所。
13本あるので3ヶ所別々から撮るのも面白いかもしれない。
日曜日に延期されたからかどうかはわからないが、
境内ではビンゴゲーム真っ最中で人も多く賑わっていた。
吹上花火は神楽と交互で行われるため、まだしばらく時間がかかるとのんびり待ち構えていると、
まだ西の空が明るい18時10分頃から1本目が始まった。
その後、2本、3本と吹上が披露。
最初は、チョロチョロと火の粉が上がり、周りの人達からは、「大したこと無いなぁ〜」と油断していると
突如、すさまじく吹き上がる姿にビックリしていた。
この大小に吹き上がる姿こそ広島伝統花火である吹上花火の特徴でもあり、
また吹き上がっては下がる火の粉も美しい。
途中、13キロも詰まった前代未聞と言われる巨大吹火も披露されたが、残念ながら大爆発。
他の現場で失敗作を見ているだけに、まじかで見るのに恐怖心があったが、今回はその上を越えた。
検討した3ヶ所のうち、ジャングルジム後方は木々が邪魔で縦半分が隠れ、
狛犬横は、これまた木々の影響により上半分が隠れてしまった。
しだれ桜横が一番良いが狭く人通りが激しいので配慮が必要。
花火は美しいが撮影するにはあまりにも面白くない現場だった。

吹上花火残り1本を残したところでフィルムがちょうど無くなり、
21時を廻っていたので、明日の仕事を考えて申し訳無いが少し早めに撤収。
吹上花火の由来は定かではないが、一説によると江戸時代に参勤交代で訪れた鉄砲隊から教わったとのこと。
このような都会の中で昔から伝承されてきた文化をいつまでも続いて欲しいと願うばかりです。







写真館 二千年一夜