千里の浜〜和歌山県南部町



西大寺を出発してブルーラインを走り備前ICから高速に乗り和歌山県南部町を目指す。
もちろん途中、休憩、仮眠を取りみなべICに着いたのは翌日の4時。
早朝から梅林へ行くより、まずは海を見たいと思い千里の浜へ朝を迎えることにした。
千里の浜は小さな案内板があったのですぐわかったが、
何分、真っ暗で波の音は聞こえるものの狭い坂道の階段を下りて砂浜に降りなければならないので
まずは少し明るくなるまで、しばし車内で待機。
6時00分、目が覚めると東の空が明るくなっていた。
今の季節、もう6時で東の空が明るくなるのか!
急いで機材をセットして海岸へ向かう。
駐車場から下ると神社があり、しっかり外灯も灯っていたので
別に真っ暗でも降りれないことはなかった。
ウミガメ上陸スポットで有名な千里の浜だったが、
これと言って綺麗な砂浜でも無く、至って普通の広い砂浜に思えた。
大きな岩を見て、ウミガメか!?と思ったりしたが、
この時期にウミガメが上陸する訳もなく、ただただ東の空が綺麗に赤く染まっていくのを見ていた。
せっかくなので30秒露光して波打ちラインを撮影。



千里の浜の隣に目津崎というスポットがあった。
キャンプや磯釣りで楽しめるようで、
朝景撮影している時に小さな光が見えたのは、ひょっとしたらその人達の仕業だったのかも。
目津崎から千里の浜を一望出来るが撮影するまでの感動は無かったが、
紀勢線撮影するには面白いかもしれない。


岩代梅林

千里の浜から国道42号線を西に走るとすぐ案内板があり、
それに沿って山奥へと入っていく。
7時00分、到着。
白い絨毯と呼ばれる岩代梅林であるが、
まだ太陽の日差しが山に隠れて当たっておらず写真を撮るにはしばらく時間がかかりそうだ。
歩いて下へ下るコースと車で回る山道コースがあるので、
混雑しないうちに山道コースを車で回ってみた。
ちょうど見頃を迎えて綺麗ではあるが、食用梅林なので白梅がメインで
また平坦な土地一面に植えているためあまりに平凡的で写真を撮るには少々難しいが、
日差しが当たりだしたスポットは目が覚めるような感動する景色があった。
その他候補地である梅林の中で岩代梅林を一発目に選んだのは失敗だったかもしれないが、
この光景が見れただけでも良しとしよう。


(逆光の梅林。同じ景色を午後に見たが感動は無かった)


(山に隠れて日差し当たらず)

山道コースは道が狭く、また車を止めて撮影する場所も無さそうなので
混雑すれば歩いて撮影しなければならないが、距離があるので1時間はかかりそう。
園内は綺麗な駐車場、トイレが完備されて観光客受けを狙って今の時期、観光客で一稼ぎしようという作戦だろうか。
入園料200円、駐車場代300円。
園外からも梅林は見えるが鹿対策の高いフェンスが道路際ずっと設置されていた。
時間があれば午後にもう1度寄ってみよう。


南部梅林

岩代梅林から南部梅林までは車で10分と近く、ある意味ライバル梅林スポットかどうかはわからないが、
同じ町内にこれだけの大きな規模を誇る梅林があるのだから、さすが日本一と呼ばれるだけの梅林の町である。
案内板通りに進んで行くと有料駐車場500円の文字があちこち目に入るが、
こちらも徒歩コースの他に車コースがあり、
こちらは無料で通行出来るようだ。
時間と体力の都合で徒歩コースは今回見送って車コースのみ見学させてもらうことにした。
車コースは対向車とすれ違えないくらい狭い山道で、仮に良い景色があってもすぐ車を止めて撮影することは不可能だと思ったが、
所々、辛うじて車を止めることが出来るスペースがあり、そこに車を止めて急いで撮影する。
途中、一箇所のみ休憩所があり駐車場、トイレ、売店もある。
そこに車を止めてのんびり歩いて見学するのも良いが、
この車コースはゴールまで相当の距離がある。
見所は、スタートから休憩所までの途中、紀伊水道をバックに目の前に広がる梅林。
休憩所を過ぎると、山を切り開いて斜面一面に広がる梅林は圧倒される。
走っては止めて撮影、走っては止めて撮影の繰り返し、
次第に、まぁここはいいかと時折、気力集中力共に切れてしまうので休憩が必要だった。
撮影時間的には9時から10時にかけて。
午後になると紀州水道に霞がかかって、ただでさえ白梅が広がるのに
余計と白っぽい絵になってしまうので、
やはり梅林撮影は午前中がオススメである。
お陰で澄み切った空の下で綺麗な紀州水道を絡ませて梅林を撮影することが出来た。
まさに頭の中に描いた想像通りの景色が広がっていた。


PLフィルターの怖いところは、写真の端が暗くなってしまうところ。
午前中は、50%と軽く効かせてみるほうが不自然じゃなくて良いかもしれない。
100%、50%、無しで実験撮影を試みた。





平凡な梅林スポットではあるが、青いブルーネットが良いアクセントになってくれた。
他の梅林ではあまり見かけないと思うが、紀州梅林の特徴なのだろうか。






千里梅林

10時40分、千里梅林に到着。
千里の浜のすぐ近くなので場所は予めわかっていた。
同じ南部町内にある梅林スポットだが、岩代、南部と違って観光化されていない。
なのに何故に有名かというと、紀勢線を絡めて撮影出来るからだ。
風景写真家よりもどちらかというと撮鉄が集まるスポットで有名なのかと、
現地に着いて改めて思った。
既に横浜ナンバーやら遠くからお越しのカメラマンが撮影態勢を整えていた。
10時台の便を2本撮影して、その場を離れようとすると特急が通過。
各駅停車の一両編成は予め時刻を調べていたが、
特急はノーマーク。
個人的には一両編成のローカルさが好きだが、
特急は特急で絵になるので、岩代駅で特急の通過する時刻を調べた。




(左側:標準、右側:望遠)


岩代梅林

次の便まで時間があるので岩代梅林へ再度行ってみたが、
これと言って撮影ポイントが見つからず、オマケに混雑していたので
俯瞰ポイントで撮影した後、急いで千里に戻る。



目津崎

日中の方が絵になるかも?と思い、千里梅林を横目に早朝に訪れた目津崎へ行ってみた。
ちょうど特急が通過する時刻を迎えようとしていたので、
急いで機材をセットして特急くろしおを押さえる。
山陰や四国の海岸に比べると美しさは比べ物にならないが、
ネッシーのようなラクダのような面白い岩が見えるのは和歌山の特徴なのか?
ウミガメに遭遇する事は無かったが、空も綺麗なので旅の記念に海岸撮影して千里梅林へ移動。




千里梅林

同じ構図で撮影しても面白く無いが、
失敗していたらいけないので滑り止めとして同じ構図で撮っておきたいが、
こんな時はデジカメの便利さに縋りたい。
結局、違う構図で特急と一両編成を狙う。
ちなみに撮鉄が狙っていた山の斜面のポイントから眺めてみたが、
望遠で撮影していた訳がわかった。
ラストはシャッタースピードを稼ぐためPLフィルター装着せずに撮影。


(目の前の電線が邪魔)


田辺梅林〜和歌山県田辺市

みなべ町のお隣、田辺市の梅林スポットへ移動。
お隣へ移動なので田辺市街地へは15分で到着したが、
そこから梅林までの道のりが長く、クネクネした山道を走り14時10分に到着。
今日は何やらイベントが行われているようでかなり混雑している。
無料駐車場もほぼ埋まって路駐している車が目立つ。
有料駐車場500円だが、少し離れた所に無料臨時駐車場が設けられていた。
事前にネットで調べると開園時間が9時からになっていたので
梅園になっているのかと思いきや、普通の梅林スポットなので何故時間指定されていたのかわからないが、
ひょっとしたら売店の営業時間なのかもしれない。
これなら朝一番に田辺梅林に訪れても良かった。
標高が高いので雲海が見れたかも?と思ったが、地元の人に尋ねると、
ここで雲海を見たことは無い!と言われてしまった。
確かに標高は高くても紀州水道が見えるくらい山奥に入っていないので
雲海は見れなくても朝靄とか幻想的な光景は期待出来たかと思うと悔いが残る。
次回訪れる機会があればは早朝一発目に田辺へ訪れてみよう。

14時を回ると太陽も西へ傾き始めるので予想通り紀州水道は白く霞んできた。
急斜面に植えられた梅を見ると、どうやって手入れしているのか、その苦労の想像が付かないくらい大変さを伺える。
その景色は本当に圧巻させられた。







午後の時間帯は逆光ぎみになり、背景の紀州水道も霞みが反射して白く染まっていた。
午後からの撮影ポイントは少なく、時間も時間なので遊歩道を歩いて撮影ポイントを決めて撮影した。
15時20分、撮影終了。
順調に帰れば20時に家に戻れるだろうと思いきや、
18キロの自然渋滞に遭い和歌山を出るのに3時間もかかってしまい家に戻ったのは23時。
恐るべし和歌山の高速道路!
以前から訪れたいと思っていた紀州の梅林撮影は、数年越しにようやく達成した。



写真館 二千年一夜