若草山の山焼き(平城遷都1300年祭記念)〜奈良県奈良市



お陰さまで9年連続で若草山の山焼き撮影に挑戦。
気分的には、これを撮らなければ1年が始まらないと言っていいくらい自分にとって撮り始めとなる遠征撮影である。
9年連続だが、今年の若草山事情は少々違い、
・平城遷都1300年祭記念で花火が豪華
・薬師寺の五重塔が工事中
・平城京跡に現場事務所のプレハブあり
などなど、過去の経験があまり当てにならないが、ネット情報で予め現場の状況が把握し、
久々に古巣である天平ホテル屋上から撮影することに決めた。
現地6時着目標で家を2時頃に出発。
10時頃までに来ても撮影場所は確保出来るが、3千円も払って撮影するのだから、
やはり少しでも良い場所を確保しておきたい。
天平ホテルは2005年に卒業したのだが、極上の花火が打ち上がる2010年は、
一番絵になる天平ホテルしか無いと思っていた。
ただ、あれから5年。
果たして木がどのくらい生長して若草山を隠しているかが心配だった。



予定通り6時に奈良市内に到着。
天平ホテルの玄関には先客5名ほどで思ったより人がいないことに拍子抜け。
8時開場、3千円払い屋上へ向かう。
特等席である最後部は既に確保されていたが私は最前部と最後部の中間あたりを確保。
当初、最後部を確保しようかと思ったが今回2台体制で行くので
撮影に集中するため足場をしっかりしておきたかったので最後部を外した。
最前列は山焼き部が見えず、最後部は木が邪魔、中間部が程よく見えるが、
狭い屋上でも場所によって微妙に違うのが面白い。
また過去と同じ写真を撮るのも芸が無いので縦構図で狙おうかと思ったが、
それだと1台体制じゃないと無理でせっかく二台体制で考えていたので縦構図は断念。
2本三脚を立てらせれば良いのだが、ここは1人1本というルールがある。
5年振りに来たが、支配人に尋ねてみるとそのルールは今も健在であった。
(それを知らずに2本、3本立てらせているカメラマンもいるが・・・)


若草山が殆ど見えない・・・




場所も確定したところで、これから長い待ち時間、マイミクさんと朝食を一緒に頂いた後、
仮眠を撤回して新規開拓のため奈良市内を探索した。
その移動歩数37000歩(距離にして21キロ)
その報告は、若草山の山焼き撮影ガイド(HP作成予定)に掲載します。


市内の某ホテル屋上より

17時00分、天平ホテルのカメラマンは最終的に50名ほどで思ったより多くない。
みなさんどこで撮影しているのだろうか!?
花火打上1時間前にして機材をセッティング。
二台体制なので、どこでどのように絞りを換えるかタイミングやイメージをしっかり頭の中に叩き込んでおく。
過去のデーターを参考にすれば失敗はまず無いが、怖いのは二台体制だけにブレるのではないかということ。
昨年は、車の行き交いのせいか微妙にブレてしまい大失敗に終わってしまった。
同じ過ちは許されないので露光も慎重に行わなければならない。
今年は平城遷都1300年祭記念花火ということで、
尺玉15発、600発の花火が打ち上がり、例年だと8分の花火も15分近くある。
花火の工程がわからないが、例年通りの流れて打ち上がることを祈りたい。



お寺の鐘が鳴り響く中、18時00分、花火が打ち上がる。
流れ的にはいつものパターンで単発、尺玉、スターマイン、銀冠一斉打ち。
尺玉は一発一発丁寧に打ち上げているようで絞りF8でライトアップした塔も良い感じに露光されているのではないかと思う。
毎年打ち上がる尺玉は綺麗だと思ったが、
今年は変わった千輪も二発、野村花火、青木煙火による銘花も打ち上がり、
また久々に近く(と言っても500mほど離れているが)で花火が見れたのも面白かった。
ただ、1本の三脚に二台乗せているため、下手に構図を変えられないので、
やはり1本縦構図でセットしたかったのが心残り。
花火と五重塔だけの組み合わせなら縦構図がすっきりして良いので
縦に付けれるアングルを持ってきておけば良かった。
18時15分、若草山に火が付けられる。
2日前に雨が降ったらしいが、乾燥して風も程よく吹いている今日は良く燃えると確信があった。
案の定、若草山は凄い勢いで燃えていたが、燃える分、煙の量も多いので露光は控えめに。
横構図だと左右が少し寂しいので報道ヘリコプターの光跡を入れようと考えていたが、
今年は何故かヘリが飛ばず経費節減だろうか。
若草山はまだ燃えていたが露光持ち時間を過ぎたので30分後にシャッターを切った。



(撮影データー)
フィルム:ベルビア100
絞りF8(花火+五重塔)
絞りF16(銀冠一斉打ち+山焼き)、2分

フィルム:ベルビア100
絞りF13(四重芯+山焼き)、1分40秒

多くの不安材料が残るものの、久々の天平ホテルで気持ちよく撮り終えたかったが、
相変わらず困ったカメラマンもいる訳で、

・花火打上直前にデジカメが動かず、早々と撤収しているカメラマン。
(三脚が他の三脚に当たる可能性がある)

・いち早く山焼き撮影を終えたのか、場所を変えて撮影しているカメラマン。
(デジカメの光が露光に入る可能性大)

・機材を片付ける時にライトをあちこち照らしているカメラマン。
(露光中にライトの光が入ったらアウト)

5年経っても相変わらずマナーがなってない現場に天平ホテルを卒業しようと心に決めたのであった。
薬師寺はしばらく工事が続くので来年は、若草山山頂から夜景を入れて撮るのも面白いかもしれない。
撮影後は、再びマイミクさんと合流して夕食を楽しく頂き、翌日の撮影のため守山市へと向かった。








写真館 二千年一夜