やつしろ全国花火競技大会〜熊本県八代市





2年ぶりの八代花火。
去年は仕事で断念したが今年はねんりんピックの関係で第4土曜日に開催され、
仕事の休日と重なり無事に行けることになった。
当初、花火大会終了後、熊本市内のホテルに泊まる計画を立てていたが、
これと言ったホテルが無かったので、それなら妻こと相方Tの実家である佐賀に泊まることにした。
そういう話を相方Tとしていると、その日は母親の誕生日ということを知り、
それなら一緒に連れて見せてあげようか、という話になり、
急遽、母親の誕生日企画が付属した八代遠征となった。

過去何度も行っている八代なので心配ごとは特に無かったが、
唯一心配していたのは天気予報。
日にちが経つにつれて天気が良かったり悪かったり、
結局、曇りの予報で落ち着くものの雨の降る確立は50%と油断は出来ない。
出発する21時頃は雨が止んでいたが、宮島SA辺りから雨が激しくなり雨天の中での高速移動となった。
高速休日割引も終了して交通量は少ないもののトラック便が多く、時折、雨しぶきで前が見えなくなるなど恐怖もあった。
本州を脱出して九州入りして途中のPAで仮眠。
2時間ほど仮眠するつもりが疲れていたのかぐっすり寝てしまい、
気付けば午前6時。
途中の基山SAで焼きたてパン食べ放題のモーニングを食べて腹を満たし佐賀へ向かった。
佐賀に着いたのは9時頃。
御馴染みの大町温泉で疲れを癒し、相方Tの実家でのんびり過ごして家を出たのは13時前。
道中、雲の隙間から日差しは見えたと思いきや雨雲が太陽を隠し小雨が降るなど始終安定しない空に不安が過ぎる。
14時30分頃、渋滞も無く順調に八代市内に到着。
お目当てだった天竜ラーメンは残念ながら準備中で断念して日奈久臨時駐車場へ向かう。
日奈久駐車場は今回から初の試みで会場近場の駐車場並びに会場近くの河川敷の駐車場を廃止して
新たに日奈久駐車場を設けたのだが、
この駐車場の存在を知った時からある不安が過ぎっていた。
行きはともかく帰りは大丈夫なのだろうか・・・
1500台止められる大駐車場から会場まで車で15分ほど離れているが、
その間はバスでピストン輸送される。
その道中、もし渋滞していたら果たして何時に駐車場まで戻れるのか。
こればかりは初の試みなので実際に体験してみたいと思っていたので、
敢えて日奈久駐車場に止めてみようと思った。

国道3号線を南に走り温泉街である日奈久に着いたが、
花火大会の臨時駐車場の案内板が無く、もう少しで通り過ぎるところだった。
駐車場に車を止めて、まだ時間が早いので特に混雑せずにシャトルバスに乗車。
往復500円かかるがパンフレットをサービスしてくれるのは嬉しい特典だった。
おまけに着地場所がメイン会場から近いというのもありがたい。
お目当ての本部席横の撮影場所は既に先客に押さえられており、
土手沿いの前列も観覧客で埋まっていた。
さすがにスピーカー側は音でうるさいせいか空いていたので三脚を仮置きしたが、
特にこれと言った場所も無かったので最後までそこで落ち着いた。
後になって気付いたが、スターマインの根元が木にかかり、
理想はもう少し上流が良かったが、そこは既にカメラマンが居座っており、
狙うことはみな同じということがわかる。


※目の前が木が目障りな下流側、もう少し上流側が理想。

少し時間があるので相方Tと母上は食探し、私は本部上流側を視察。
2年ぶりの八代だが、少し配置が違っており物産ブースとバス団体席が完全分離していた。
バス団体席は誰でも出入り自由で、これなら団体席最後部から撮影するのも面白いが、
数年前に撮影済みで、ナイアガラの時は団体客が一斉に立ち上がる熱狂振りに撮影が難しかったことを思い出した。
本部席上流側の隣はバスハイクの有料席となっており、数名三脚を立てらせている人を見かけたが、
場所的にはなかなか良くて風向きが良ければいつか撮影してみたい。
どうもバスハイクというのは、どこかの旅行会社の客席のようだ。
会場から少し離れるがバスハイク席の隣もなかなか捨て難く、
光の海になるであろうバス団体席を前景に花火を入れるのも面白い。
この場所も既にカメラマンや観覧客に押さえられているものの
下流側に比べると人も少なく落ち着いて観覧が出来る穴場的場所で、
ここも過去に撮影したことがあったが、その時は物産ブースなどが並んでいたのを思い出した。
今年は物産ブースが上流に移動しているので団体席のみの前景で前回とはまた違った絵になりそうだった。



下流側に戻ると相方Tが、食べ物や飲み物が無い!と言っていたが、
どうも下流側は露店がメインでまともな食べ物や飲み物は上流側の物産ブースしか無いようで、
これは団体客や有料席客をもてなすための必要な配置だったのかもしれない。
お金を落とさない一般客は露店で我慢しなければならず、
来年はバスツアーで参加しようと思わせる作戦の1つなのだろうか・・・
風向きは上流方面に流れていたので今年は良い花火が見れるかと期待していたが、
気付けば製紙工場の煙突から出る煙の流れる方向が変わり、まさかのメイン会場側に変わった。
花火が打ち上がる頃には少し上流側に流れたが、ちょうどバスハイク席辺りは最悪だったかもしれない。
通称:カメラマン席と呼んでいる対岸は煙害に悩まされることが無いので、
それを考えるとメイン会場から撮影するにはリスクは高いが、
ミュージック花火、そして光の交流はやはりメイン会場で見てこそ八代の良さを体感出来る。


上流に行き過ぎると目の前の木々が邪魔。
今年は物産ブースがかなり上流側に移動。

夕焼けを背後に受けて雨の心配は大丈夫かなと思ったが、
花火打上が近づくにつれて怪しい雨雲が会場上空を覆い、
ついに小雨がパラつきだした。
18時30分、主催者の挨拶が終わりオープニングのナイアガラ花火がカウントダウンと共に点火された。
ナイアガラの裏打ちとして協賛花火が激しく、そして美しく上がり大勢の人を魅了した。
審査基準花火で照準を合わせ2台態勢で撮影に挑む。
最初の競技が始まる頃から雨が少し強まり、撮影出来なかったのが悔やまれるが、
その後は雨を拭き取りながら何とか撮影。
雨は次第に止み、風も上流側に流れクリアな花火を見ることが出来た。
全国から出品される名工たちの10号玉と5号玉、御馴染みの花火業者も参加している九州のスターマイン。
スターマインに関しては八代でしか見れない演出が殆どで、
音楽に合わせて多彩な花火を楽しませてもらった。
塚本花火工業による八代亜紀の「雨の慕情」はサビの部分で小さな千輪があたかも雨のように演出して良かった。
他所でもこのような花火を上げてもらいたいです。

ミュージック花火は、今年も紅屋青木煙火店が担当。
相変わらず渋い演出だが、今年は緑の点滅系が目立った。
他で開催されているカラフルで派手な演出が羨ましいと思うが、
八代のM花火は八代ならではの演出で、まるで1つのストーリーを感じさせるまさに花火ミュージカルを見ているように思わせてくれた。
このような演出もまた有りなのかもしれない。
今年は15号玉3発の余興花火が無くなり、7号玉80連発と10号玉30連発が登場。
7号玉は2発同時の対打ちだと面白いのにと思いながら撮影せずに観覧。
10号玉30連発は時折、スターマインを絡ませ最後は数発同時開花の大冠菊で迫力のある打ち止め。
最後は光の交流で河川敷は光の海が広がり感動の中、花火大会は幕を閉じた。

10年振りに見たという相方Tの母上も感動して楽しんでいたようで
頑張って連れてきた甲斐があった。
帰りは日奈久行きのシャトルバスに乗り込み駐車場へ向かい、
駐車場からは混雑することもなくインターチェンジに入り、
今年はまったく渋滞知らずの帰宅となった。
帰りの日奈久駐車場に関しては問題点が多く残った初の試みだったに違いない。
待合場所での最後尾がわからず、後から来た客が知らずに割り込んだという話を後で知ったが、
照明も無い暗く狭い場所では当然怒りうるであろうトラブルを主催者は予想出来なかったのだろうか。
会場から日奈久Pまでは一般車両通行止めにした区間を走ったが、
途中から国道3号線に合流して八代南ICまでは渋滞にはまり動きが悪く、
14台近く稼動していたシャトルバスも時間がかかったのではないかと思う。
21時30分頃に並んでバスに乗れたのは1時間30分後という話も後で知った。
乗り合い場所で掃けなかった分、駐車場ではスムーズに帰れるのは嬉しいような悲しい話である。
私たちは撮影していた場所から乗合場所まで近かったので早々と並び40分ほどで乗ることが出来たが、
もし上流側で撮影していたら果たして何時にバスに乗れていたことか・・・
来年はどのように改善されるかが見所であるが、
客がどのような動きをするかも注目するところで、
M花火が終わったら乗合に殺到する可能性もあれば、
もう二度と日奈久に止めないという人で来年はガラガラになるかもしれない。
少なからずとも、HPやプログラムで事前に日奈久Pを勧めた以上、
最善の注意点と対策を練って挑むべきではないかと思う。

来年は通常通りの第3土曜日開催に戻るとしたら、
少し誕生日より早くなるが来年もまた一緒に行く約束をして一路佐賀へ向かった。





写真館 二千年一夜