竜王山〜広島県三原市市






気合を入れて久々の早朝撮影に挑むべく、
2時30分に家を出て竜王山に着いたのは3時過ぎ。
上空には天の川が見えるほど美しい星の空で久々に星景撮影をしたくなるほどだった。
三原といえば海霧撮影で御馴染みだが晴れ空の下での桜撮影は念願であり、
休みの日の満開の桜と青空の巡り合わせはまさに貴重な1日である。
久々に竜王山に上ってみるといつもは一番乗りの展望台に3名ほどの先客カメラマンがおり、
遅く出掛けていると三脚の置き場が無いところだった。
桜シーズンの竜王山に上ったのは初めてなのでとりあえず三脚を置いて朝になるのを待つ。
5時前になると空も明るくなり、太陽が昇る前に10分露光でシャッターを切った。
周りの人達を同じような写真を撮るのは面白くないので、
高さを稼いで俯瞰さを出すべく2.5m三脚で撮影する。
周りのカメラマンは独自のライト装置でライトアップした桜撮影に挑んだりと、
オリジナルな写真撮影に挑んでいた。
春の夜明けは早く5時30分頃には山から顔を覗かし、目の前に広がる桜に日差しが当たり本格的に撮影が始まる。
瀬戸内海に浮かぶ島々は過去に何度も見ているのに、
いつ来ても飽きることのない光景に目の前に広がる桜の美しさが更なる感動を与えてくれた。



ある程度太陽が昇ると逆光になるため撮影は早々と終了。
竜王山山頂は桜の本数が多いとは言えないのでお花見には向いてないが、
カメラマンにとってはこれほど魅力のある桜撮影スポットの1つであることは間違い無い。



竜王山での撮影を終えて筆影山に寄ってみたが、
ここはどちらかというとお花見スポットという感じで、
先ほど竜王山の景色を見た後ではどうしても感動が薄くなってしまう。




八幡天満宮〜広島県三原市

筆影山下山後、満開を迎えている八幡天満宮に足を伸ばしてみる。
ここは古木の枝垂桜があり、何年か前に訪れた事があった。
今日は晴れの予報だったので撮影チャンスかと思っていたが、
晴れた空はいつしか曇り空へと変わり、
枝垂桜は思ったほど花付が悪く、撮影には至らなかった。
オマケに人工物が多く、カメラマン泣かせの場所に説明文の立て札があったり、
お花見するには悪くないが、撮影するにはあまりにも面白くない場所であった。
晴れていればまた違う見方が出来たのかもしれないが、
しばらく待っていても青空になりそうになかったので8時頃に撤収。




積善山〜愛媛県上島町

一旦家に戻り、午後になっても青空は期待出来なかったが、
予定していた積善山に現地調査を兼ねて行くことにした。
まだ1度も行った事無い場所で、ここもまたいつか行ってみたいと思っていた場所なのだが、
やはり島に浮ぶ桜名所は青空で無ければ意味が無い。
午前の曇り空に比べると日が射して薄っすら青空が見えているので空の回復を祈りたい。
積善山がある岩城島へのルートは、
因島と生口島の2箇所で因島ルートは時間がかかるので、生口島ルートを選ぶ。
生口島の洲江港より岩城島の小漕港へとフェリーで乗船時間約10分の船旅。
僅か10分でも広島と愛媛の県境であり、どこか遠い島に来たような気がする。



午後はまだ花見客で混雑していそうなので、
島の反対側までドライブして喉かな時間を過ごすものの、
日曜日の島はどこの店も閉まっており、昼食にありつけなかったのは残念だった。
15時頃に積善山に上がるが、かなり道が狭く対向車が来ないことを祈りつつ上がっていく。
ちなみに下山は小漕港ルートを通ったが、岩城港ルートより道は広かった。
山頂まで所々駐車場があり、途中、車を止めて桜を見ながら散策するのも良いが、
今回は一気に山頂まで車で移動。
駐車場からさらに坂道を10分ほど上がったところに展望台があり、
そこには目の前に広がる桜と360度見渡せる瀬戸内海の大パノラマがあった。
気付けば空も真っ青になっており、空が青いと海も青くなり
風が無ければ波も立たず、まるで時が止まったかのように思えたが、
時折、岩城島や弓削島を行き交いする高速船がエンジン音を立てて移動しているので、
どうやら時は止まっていないようだ。
目の前に浮ぶ島々に遠く見渡す四国の山脈。
見慣れた景色の東方面の景色もどこか遠い街に見えてしまう、
まさに大自然と人間が作り出した巨大な箱庭があった。



これほど素晴らしい景色なのに訪れる人は少なく穴場という情報をネットで知った。
岩城島に渡るには、しまなみ海道とフェリー代がかかるため、
至る所に桜が咲いていれば、そこまでお金を掛けてお花見をする人はいないのかもしれない。
午後の日差しが桜に当たり、さっそく撮影開始。
24mmの広角レンズにPLフィルターをかけるとムラが出来るのでノーフィルターで撮影。
その後、標準レンズにPLフィルターで撮影。
個人的にブームになっている縦構図でも撮影しているうちにフィルムの残量が厳しくなっていた。
夕暮れの撮影に備えて撮影は一旦止めて時間潰しに周辺の桜を散策したりして積善山山頂を楽しんだ。



夕暮れに近づくと花見客はいなくなり、残ったのは数名のカメラマンのみ。
太陽が西の方角に傾くにつれて、桜の色はオレンジ色へ変わり、
空も青空からオレンジ色へと美しいグラデーションになっていった。
広角レンズにハーフNDを装着して撮影。
太陽が沈むまで夢中で撮影し、太陽が沈んだところでフィルムも終わり撮影は幕を閉じた。
太陽が沈んでも頑張っておられるカメラマンはいたが、
フィルムも無くなりフェリーの最終便も気になるので早々と下山。
機会があれば島内にある民宿に泊まって翌早朝撮影に望みたいと思いながら岩城島を後にした。





写真館 二千年一夜