宮島水中花火大会〜広島県宮島町






2001年から11年連続で参加している宮島の花火。
今年から11日開催となり仕事の都合で参加が危ぶまれたが辛うじて休みが取れて12年目の挑戦に挑む事が出来た。
気になる潮の満ち干は、9時40分130cm、17時満潮270cm、22時50分干潮210cmの小潮なので潮が引かないが、
撮影するには比較的好条件ではあるものの、花火打上時刻にどこまで潮が引くかがポイントとなる。
仮に潮が引いても海に入っての撮影は、去年打上中断になる恐れもあるので難しいところである。
とりあえず去年と同じく西の浜に仮置きして様子を見る計画を立てた。



3時頃に家を出て宮島口に着いたのは5時頃。
朝一番のフェリーに乗り込むことが毎年恒例なのだが、
着いた途端、雷雨に見舞われ出るに出れない状態となってしまった。
予報では晴れた降ったりと一転していたが、最終的に晴れマークになり安心していただけに誤算だった。
雨の降る中、早くから堀内煙火御一行は花火の準備に追われていた。
10時頃、小雨になったので大きな機材を宮島に持ち込み、西の浜を目指す。
しかし10時頃になると既に先客が良い場所を取っており一足遅かった。
雨が降ろうと宮島で良い場所を取るにはそれなりの覚悟が必要なのだと改めて花火愛好家の熱意には頭が下がる。
辛うじて場所を見つけて一安心したところで、宮島商店街を散策しながら一旦、宮島口へと戻る。



朝の雷雨が嘘かのごとくキツイ日差しが差してきたところで再び宮島に上陸したのは15時頃。
例年に比べると湿度も無く涼しい風が吹いているが、やはり西日がキツイのが宮島らしいところ。
西日が柔らぐ17時頃になると西の浜の混雑度もピークを迎え、
少しでも隙間があろうものなら入り込む、そんな光景が目立ち始めた。
潮が引いていれば干潟のどこに座っていても花火は見れるが、
満潮時は見る場所も限られどこも混雑しているので、最終的に西の浜へと流れ込むのだ。
満潮のピークを迎えた17時を過ぎる頃から徐々に海へ入り込むカメラマンが目立ち始めた。
潮が引くと言えど小潮なので時間が経っても潮は干潟が出るほど引く事は無いが、
カメラマンの歩く姿を見ると膝下くらいまで引いていることがわかる。
打上1時間前くらいだろうか、
今日初めて、海での観覧は出来ないアナウンスが流れた。
事前に海での観覧は禁止されていることをプログラムに記載されていたが、
この海での観覧のニュアンスは非常に難しく、一体どこまでが許容範囲なのか警察がどう判断するか注目するところである。
去年だと打上時刻前から警備員や警察が来ては、海での観覧は出来ないと再三忠告していたが、
今日は警備員の姿すら西の浜で見ることは無かった。
去年は、大潮の満潮が打上1時間前だったことで水難事故に気を使っていたのだろうが、
今年は、小潮で満潮1時間後ということもあったので、ある程度見て見ぬフリをしたのかもしれない。
とりあえず海水に浸かっての撮影態勢は整えていたので、
実際、1時間前くらいまで様子を見て行動しようかと思ったが、
去年の悪夢を砂浜で見ていたので、今回は敢えて動かないことにした。
しかしそれだと去年とまったく同じ場所、同じ構図での撮影となってしまうのでテンションが上がらない。



19時50分、雨の心配も無く花火は打ち上がる。
毎度のことながら演出に変化は無く、
花火の演出が若干変わっているくらい。
特にオープニングを飾る尺玉2発打ちは、冠菊に大きく広がった紅点滅千輪に大勢の観覧客から歓声が沸いた。
たまには花火の演出を変えれば面白いのに、と思う反面、
花火の演出が変わらないから撮影しやすいこともある。
ただ、以前に比べると立ち入り禁止の範囲拡大、
規制の厳しさに日付変更が私の宮島に対するモチベーションが年々下がっているのは間違いではない。
日付が変わったことで、そろそろ宮島を卒業してもいいんじゃないかなと思うようになってしまった。
花火撮影の切っ掛けを作ってくれた原点であり、
いろんな思い出、出会い、何かと縁のある宮島なだけに、
せめて花火を切っ掛けで1年に1度は宮島詣をしようと思い気付けば12年が経っていた。

煙待ちの関係で少し時間が押したが21時頃に花火大会は終了。
今年は少し多重露光したので、去年と比べると派手な絵に仕上がっているかもしれない。
実際にそんな演出をしてくれると見応えがあるのだが、
どうしても宮島の場合、水中花火と2台の台船がシンクロしないので撮影側としては面白くない。
それでも披露される花火は、いつものことながら素晴らしいハイレベルな内容だったことは12年経った今でも変わってはいなかった。
気になる海での撮影組みは、時間が経つにつれて増えていったが、
注意されることも中断されることもなく終了まで撮影出来たようだ。
どこまで潮が引くか注目していたが、灯篭付近のラインまで膝下で歩けたようで、
この範囲であれば注意、中断されることもなく許容範囲かもしれないので今後の参考に覚えておこう。



今年も長い行列に待つことなくJRフェリーで22時30分には宮島口に戻ることが出来た。
以前は23時30分の最終に乗ってた大混雑が嘘かのようだが、
JRの乗船率を上げてくれたお陰でスムーズに宮島口まで戻る事が出来たのだ。
電車組みは、ここで再び混雑に巻き込まれなければならないが、
道路や駐車場周辺はさほど混雑しておらず、廿日市インターを避けて大野インターに乗り、
珍しいことに一睡もすることなく24時30分頃に家に着いた。
JRより松大汽船の方が早い、と自慢気に言っているカメラマンもいたが、
今となっては懐かしい伝説となっていた。

今年から11日開催となり、人の動きがどのように動くのか注目していた。
観覧場所では相変わらずの混雑振りだったが、
商店街の人手は例年以上に悪かったようで大きく売上げに左右されたようだ。
それもそのはず。
翌日の報道によると例年より5万人も少なかったのだから無理はない。
早朝から激しい雨が降っていたことも大きな要因のひとつだったと思うが、
それでも11日に変更したことで宮島の景気に打撃を受けたのは間違いない。
どういう理由で日付を変更にしたのかはわからないが、
ただでさえ景気が悪く企業や小売店は必死に経営されているだけに、
花火大会の日にち決定はもう少し慎重に行ってほしいと思う。




写真館 二千年一夜