若草山の山焼き〜奈良県奈良市







2002年以降、今回で11年連続の撮影に挑む若草山の山焼き撮影。
今年は薬師寺の東塔の工事が始まったことで大池からの撮影はここ数年間は検討外。
ただ工事中の薬師寺を入れて撮るのもありかなと思ったりもしたが・・・やはりやめておく。、
2年前に行った本格的現地調査の中から撮影する予定だったが、
新たな候補地を見つけ、実際に現地に行って状況次第で最終的に撮影候補地を決めることにした。

家を出たのは10時30分頃。
3時間30分かけて14時頃に奈良市に到着。
長い阪奈トンネルを抜けるとそこは奈良だった。
開催日が1月下旬になり車で通うようになってすっかり御馴染みの光景となった。
駐車場は日中600円が殆どだったが、500円というのもありそこに車を止める。
お目当ての場所は、少々怪しげな雰囲気が漂うが想像通りの絶景ポイント。
ただ街のネオンが気になるところだが、構図次第では何とかなりそうだ。
とりあえず通報されないように撮影許可を頂き、これで心置きなく撮影が出来る。


135mmくらいで尺玉を入れた構図。
街のネオンが気になるところ。

遅い昼食を取った後は、せっかく交通費を払って奈良まで来たのだから、
少しでも街の雰囲気を味わうべく、食後の運動がてら興福寺まで散歩。
奈良駅周辺はもちろん、興福寺までの道筋は綺麗に整備されており、
2年ぶりに見た景色とは変わっていたことに驚いた。
興福寺境内にも建造物が出来るようだが気が遠くなるくらい時間がかかることにも驚いた。
山焼きが取れなくても花火と塔が撮れる場所は無いか探してみたが、
猿沢池に何人かカメラマンが居たので撮れるのかもしれない。





そうこうしているうちに17時になっていたので急いで現場に戻る。
暗くなる前に機材をセットして構図を考える。
尺玉を入れると山焼きの迫力が欠けるが、尺玉を入れたい拘りはやはり譲れない。
主役を山焼きにするか花火にするか、毎年のことながら難しい選択。
興福寺の塔は完全に脇役だが、この脇役が無ければ完成されない拘りの1つでもあった。

初めての撮影現場だが、過去の経験を頼りにデーターや露光スケジュールを頭に叩き込み花火打上を待つ。
今年は少しスケジュールが変更となり、花火打上、山焼きともに15分ずれ込んだ。
そして18時15分、花火が打ち上がる。
ここ数年、花火の拘りはどこから来ているのか!?というくらい素晴らしく充実した内容だが、
今年はscene6に分けたプログラムが用意されていた。
花火の内容、スケジュールはさほど変わらず、お目当ての尺玉30連発、鹿の型物なども健在。
最後は怒涛の尺入りスターマインで15分600発の花火が打ち上げられた。

18時30分から号砲の合図とともに点火。
去年は100秒の露光で少し空が飛んだので、
今回は90秒に抑えるつもりだった。
しかし欲が出て気付けば30分で既に70秒近く露光しており、
結局今年も100秒露光してシャッターを切った。
山の焼け具合といえば、山頂付近に雪が積もっていたり、
前日に雨が降ったりとさほど焼けが悪かったように思えたが、
風があったせいか麓の方は、長く燃えていた。
そのせいで通常40分くらいで切り上げるのだが、
今回は初の1時間粘って露光した。
果たして結果はどうなっているか・・・この待ち時間がフィルムの醍醐味である。
その分、失敗した時のショックは大きいが。。。

何はともあれ今年も無事に撮影出来たことに感謝。
花火が打ち上がる前はそれなりギャラリーがいたが、
花火が終わると誰1人としていなくなる寂しい中での撮影だったが、
逆にこれほど安心して落ち着いて撮影した年は珍しかったかもしれない。
ここ数年はここでの撮影が病みつきになりそうだ。
撮影後は市内で地元の写友の集まりに参加して22時30分頃に奈良を出て家路を急いだ。


家に帰る途中、空が晴れていたので阿伏兎観音の日の出に初挑戦したが、
太陽が昇る方向に雲が広がりカメラを出すまでもなく撤収した。





写真館 二千年一夜