ハウステンボス カウントダウン花火〜長崎県佐世保市






2013年も終わりが近づき、今年も年の最後はハウステンボスで迎えることとなった。
28日くらいまでは年末寒波が西日本を襲い大晦日はどうなるかと心配したが、
当日は、雪の心配どころか春の陽気を感じさせられる暖かい1日となった。

〜年忘れ花火〜

カウントダウンの前に上げられる年忘れの花火撮影に向かうべく15時にベースキャンプである大町を出発。
16時30分頃に現地に着いた頃は、まだ祭りの前の静けさで道路も駐車場も混雑していない。
今回はどこから狙おうか考えた結果、ハウステンボスらしい写真を撮ろうとウィンズの駐車場、
そしてカウントダウンは前回調査しておいた漁港から狙おうと思っていた。
しかしサイド狙いの漁港からワイドの上がるカウントダウンを狙うには勿体無いので、
まずは年忘れを漁港から狙い、最終的にカウントダウンをどちらで狙うか検討することにした。
17時頃に漁港へ向かうと、所々に警備員が立っており、どうやらもうすぐ規制するようだった。
ということは、カウントダウンを漁港から見ようと思っても一般人が立ち入ることは出来ないので、
早くから現地入りしなければならない。
狭い道を走るので混雑するカウントダウンに規制するのもわからんでもないが、
まさか一般道を規制するとは予想外だった。



前回調査済みなので迷わず現地に着くことは出来たが、
民家が数軒ある小さな漁港なので、余所者がここへ来るのは場違いの雰囲気が漂い、
それを感じた番犬が私を見つけて大きく吠えられた。
九州一の時はそれなりに集まっていたので、人が集まるかと思っていたが、
後から1人ほど同業者がやって来たのが最初で最後となった。
18時00分、花火が打ち上がる。
園外の中では近いほうかと思っていたが、予想以上に距離を感じさせ、
花火の体感はまったく感じられず、正直、ここで撮影するのは最初で最後になりそうだ。
今回は台船が用意されており、尺玉の筒は見当たらなかったが、
7号か8号玉が上がったのではないかと思われる。
それでもカウントダウンでそのクラスが上がるとなれば、
前年の反省を活かして少しは迫力のあるカウントダウンになるのでは?と期待した。
昨年の年忘れは17時30分とまだ暗くなる前からの打上が不評だったかどうかはわからないが、
良い方向に改善されるのは嬉しく思う。
今年は18時の打上に戻り、撮影したのは良いが、これから24時までどうやって時間を過ごそうか・・・。


〜カウントダウン編〜

年忘れ花火撮影後、佐世保のイルミ撮影を考えていたが、
再び戻った時の混雑を考えると、今年は大人しく待機しておいた方が賢明と判断し、
ウィンズ駐車場から徒歩15分離れた駐車場に車を止めて待機した。
24時までの待ち時間、いかに過ごそうかと考えたが、
とりあえず夕食の調達、撮影現場の現地調査、駐車場の混雑具合、
年末年始は体が鈍るので徒歩による運動を兼ねて園外を散策しながら時間を過ごした。
以前はウィンズ駐車場から入園出来たが、今はゲートが閉まっており入園出来ないようで、
無料シャトルバスで移動しなければならない。
駐車料金も1000円と割高だが近い駐車場に比べると格安である。
メリットデメリットあるウィンズ駐車場だが、去年は22時で満車になっていたので、
早い時間帯から満車になるのだろうと思っていたが、
かなり広い駐車場に対して、20時の時点ではまだまだ駐車率30%くらいの状態。
21時を過ぎた頃から何故か一斉に車が入りだし、22時には去年同様満車となっていた。
しかし、広い駐車場に本当に満車になっているのか半信半疑だったが、
案の定、十分過ぎるくらい駐車スペースは残っている。
それでは何故に満車にしているのか、不思議で仕方無かったので係員に聞いてみると、
近くの駐車場がまだ空いているので、全体の調整のためにウィンズは満車にして他所へ廻しているとのこと。
それで去年も22時に来た時は、実際に満車になっていないのにも関らず、満車で止められなかったのには納得が行かないが、
少しでも高い所で止めさせようという主催者の気持ちもわからないものでもない。
そうまでしなければ破綻した施設をここまで復活させることは出来ないのかもしれない。
ただでさえ高いカウントダウン限定入園料にカウントダウン限定駐車料と、
一夜だけで相当の収益があるのではないかと思うが、
それでも各地から大勢の観光客が押し寄せてくるのだから、
ハウステンボスのまさに「おもてなし」に人気があるのかもしれない。
しばらくハウステンボスに入園していないが、
いつか園内をじっくり遊んで花火を撮影してみたいものである。
何はともあれ1円も落とさず花火だけ撮影して帰る余所者にとっては、
主催者からしてみれば厄介者扱いされそうなので、
1人でも多くの人がハウステンボスに訪れる切っ掛けになるような写真が撮れるように、
ぜひともお手伝いさせてもらいたい。



22時を廻ってそれなりにお客も入っていることだろうが、
九州一花火大会に比べると駐車場にも空きがあるようなので混雑の様子は無く穏やかだった。
それにしても暖かい。
何年か前、吹雪の中で撮影したのが嘘かのようだ。
今の時期、園内では大規模なイルミネーションが行われており、
それはウィンズ駐車場からでも僅かながら見ることが出来る。
ライトアップした観覧車やシンボルタワー「ドムトールン」、
本当にここは日本なのか?と思わせるバブル全盛期を感じさせる雰囲気が好きで、
夜の風が心地よかったので、しばらくその景色を眺めながら時間を過ごした。

23時を過ぎたところで機材をセッティング。
場所によっては車の中からでも花火が見れるので、
中には花火観覧だけのために車を止めている人もいるようだった。
仮設トイレも自販機もあるのでちょっとした花火会場並に便利。
1000円払って15分程度の花火を見る人なんていないと思ったが、
彼女に年越し花火を見せて感動してもらえれば1000円は安い買い物に違いない。
時間が経つにつれて、徐々に人も集まり2014年を祝う花火を待ち望む。
園内では盛り上がっていたライブも終わり、いよいよカウントダウン。
園外でもカウントダウンが始まり、そして2014年の幕が明ける花火が打ち上がった。

理想としてはドムトールンから少しでも近くから打ち上がって欲しかったが、
少し距離が空いてしまい、ワイドに上がる花火に関しては、
ドムトールンを入れるか入れないかで大きく絵が変わってしまう。
時折上がる7〜8号玉クラスになるとドムトールンの頭上を越える高さで開花するので、
ワイドスタマを入れて理想の絵に仕上がるのだが、
そう簡単にタイミング良く上がってくれず、
もう少し各所シンクロして花火玉を揃えてくれると、
他所に負けない素晴らしいカウントダウン花火になると思うのだが、
10000発と発表しているだけに、質より量を求められているのだろうか。
毎回同じ花火玉ではあるが、時折上がる八方咲きなど見ると去年に比べ少し改善されており、
何よりも1キロに及ぶ大空中ナイアガラが最後に待っているので撮影、観覧共に楽しませてもらった。

距離的に決して近いという訳ではないが、園外では観覧、撮影共にしやすい場所であり、
ワイドプログラムがある花火に関しては定番になりそうだ。
縦構図だと7号玉が上がらないと出番が無いので、終始横構図での撮影だったが、
ワイドスタマがメインなので、イルミやライトアップされた施設を絡ませるとハウステンボスらしさが出る。
ただ露出の出来は現像が上がってみてから再度試行錯誤が続きそうだ。
花火終了後は、多少の混雑は発生するものの、27時近くまで開園しているので一斉に車が移動することは無く、
比較的スムーズに帰ることが出来た。
ハウステンボスで始まりハウステンボスで終わる。
こうしてまた同じ場所に立ってスタートが切れることに喜びを感じる1年だった。






写真館 二千年一夜