大江の棚田〜京都府大江町





旅の最終日の朝は大江の棚田で迎えた。
当初、丹後へ戻ることも考えていたが、ガソリン代とフィルム残量の関係で断念。
夕食をとり仮眠した後、宮津から近い大江の棚田へ向かうのであった。
府道9号、狭くないが途中、闇夜に鬼のオブジェが出てきたり不気味な山道であったが、
どうやら鬼で有名な地区らしい。
毛原のバス停のそばに棚田の看板が立っていたが、気付かず通過しそうになった。
早朝5時頃に現地到着。
棚田を見下ろす展望所があり、その附近に車を止めて朝一番の陽射しが当たるまで待機。
棚田の中に民家が密集しているので、雰囲気はあまり無いがそれよりも、
棚田の向こうに採石場があり山が削れていることが台無しだった。
霧が流れるかと期待したが、霧は出ず朝一番の陽射しも山に遮られて7時になっても棚田に陽射しが当たらず、
8時頃になると蝉がミンミン鳴く中、暑い日差しが棚田に当たり撮影が始まる。
睡眠不足と体力消耗で棚田を散策することは出来なかったが、
展望所と展望所を少し下ったところの2カットに集中してシャッターを切る。
農家の朝は早く、陽射しを待っている間に作業は始まり、陽射しが当たる暑い最中でも草刈を行っていたり、
本当にお疲れ様な光景が広がっていた。





今福の滝〜京都府宮津市

大江の棚田から宮津に戻る府道9号線、北近畿タンゴ鉄道宮福線の喜多駅手前に滝への標識があり、
標識に従って進むと、やがて細い林道となり猪避けの柵があり、
これを開けて先に進むと簡易駐車場がある。
約400mの遊歩道先に今福の滝があり、滝の上流まで行ける1の滝と滝の先にある3の滝もあるが、
撮影ポイントは、滝見と滝壷の二箇所に絞った。
午前中は、廻りの木々には陽射しが当たるが滝自体に当たっていないのでコントラストが難しい。
当たるなら全体に当たって欲しいし、当たらないなら全体的に当たらない方が撮影は見やすいのだが。




※一の滝


※滝に陽射しが当たらない


※滝つぼ


※遊歩道から見下ろす三の滝

金引の滝〜京都府宮津市

今福の滝からさらに宮津に向かって府道9号線を走り、宮津高校附近に案内板があり
細い道を進んで行くと滝の駐車場がある。
石段を登って約5分程度で辿り着くのでさすが日本の滝100選だけあってアクセスは容易。
廻りも秘境らしさは無く、実に人の手が行き通っている観光化された遊歩道であった。
しかし滝に関してはとても素晴らしく、落差は無いが横幅が広く近くまで接近出来るので迫力のある瀑布である。
こちらは午前の陽射しが滝にあたり、見る角度を変えると滝つぼに小さく虹が出ていた。
早速撮影しようかと思いきや、続々と家族連れがやってきて滝壷で水遊びが始まり、
知る人ぞ知る水遊びの名所のようだ。
一通り水遊びが終わったのを見計らって撮影開始。
思いのほか時間が押したが、小さい子供が水遊びをしている光景は、
昔を思い出す夏休みらしい光景に癒された。




猪名川花火大会〜大阪府池田市・川西市

11時過ぎに予定していた撮影地をすべて終了し、
少し早いが猪名川の花火撮影に向けて出発。
途中、福知山で昼食をとり順調に南下していった。
大阪府能勢町に棚田があることをすっかり把握しておらず、
道の駅で知ることになるが、時間があったので行ってみようかとも思ったがフィルムの残量が少ないので今回は見送り。
能勢町までは比較的走りやすい田舎道だったが、
能勢町を過ぎて下り坂を下って池田市に入ると一気に都会になって車の交通量が増えた。
阪神高速沿いにある猪名川の河川敷が花火会場ということで、
地図を便りに駐車場を探すが、臨時駐車場は無いので市営駐車場に止めなければならないが、
駅附近の駐車場は早くもどこも満車。
早めに15時頃に着いたのに、ウロウロしているうちに1時間が経過してしまった。



辛うじて車を止めることが出来たので、現地調査すべく猪名川へ向かう。
猪名川の河川敷はかなり広く、大きく川西市側の北南と池田市側北南の4つに会場が分かれているが、
風向きが悪いから反対側で撮ろうと思っても川を渡る橋が近くに無いため向こう岸に渡るだけでも一苦労する。
どこの会場で見るかは、予め会場を把握して車を止めないとお目当ての会場で見ることは出来ない。
川西市の北側、池田市の南側に露店が多く出店しているようなので、
観覧客が集中しているように思えるが、逆に川西市の南側は露店が少なく比較的のんびりしている。
たまたま川西市の南側に来たが、関西の花火大会といえば大混雑するイメージがあるが、
この場所は混雑しなくて場所的には悪くない。
しかも西に沈む太陽がビル群に隠れて早くから日陰になるので涼しい風が吹き抜け、待ち時間も苦にならなかった。



あれだけ日が長いと思っていたが8月中旬になると19時には空が薄暗くなる。
そのお陰でこの時期の花火大会は始まりが早く、ここ猪名川の花火大会も19時30分と早い時間帯から始まるので
遠征組にとってはありがたい。
実は何気に20時から始まるものだと思っていただけに、
アナウンスを聞いて急いで撮影準備に取り掛かった次第である(笑)
阪神高速の外灯が点灯して良い雰囲気だと思っていたが、
打上前にライトが落ちて背景に何も無い状態になってしまった。
阪神高速を通行止めにしてまでの全面協力にさすが関西の花火大会の意気込みは違う。
19時20分に、2市の市長の挨拶が始まる。
2つの県に跨る2つの市による合同開催は珍しいが、元々は川西市と池田市の有効目的で始まった花火大会らしい。





19時30分、数字花火によるカウントダウンで花火打上。
9つのプログラムに分かれて約4000発、50分間の花火大会。
1つのプログラムにテーマがあり、スターマインで始まり単発が披露される。
実は事前に動画で去年の映像を見たが、正直あまり期待していなかった。
ところがスターマインが始まると、あまりの演出の素晴らしさにどのプログラムも感動した。
テーマに合わせた玉を選び、最後はマインや扇などを含めた一斉打ち。
点滅して落ちる星が変化する新作スターマイン、
雷を祭り囃子に見たてて迫力のある雷の連発、
会場参加型の花火クイズ、
そして最後は怒涛の金大瀑布で終了。
予想以上の素晴らしい花火大会を演出したのは柿木花火工業。
初めて見る花火業者で、どのような演出なのか楽しみにしていたが、
何もかも派手に打ち上げる国友に比べるとシンプルかつ美しい花火を見せてくれる花火業者だった。

帰りはさすが都市なだけに混雑は避けられないが、
1時間ほど待機して宝塚ICから中国道に入って3時間の家路へ向かい3日間の旅は幕を閉じた。



写真館 二千年一夜