宮島水中花火大会〜広島県宮島町





今年で13年連続の参戦。
去年から日付が変更されて11日固定日となり来年も11日に決定しているので、
去年、今年とたまたま土日が絡んで参戦出来たが、
来年が月曜日となると14年連続の記録が危うくなってきた。
しかし同じ花火大会を10年以上も見ていると、
演出はさほど変わらないが、規制の厳しさは年々変わっていき、
また、朝からの宮島上陸は体力気力ともに半端なく使うのでモチベーションを上げるのが大変なのである。
それでも毎年宮島にやってくるのは、宮島でか見ることの出来ない感動があるからこそ、
いや、あの時宮島で感動した景色を見たいから今年で最後かなと思いつつまた来てしまう。
神が宿る島、世界遺産の島、花火を撮る切っ掛けになった島、そして結婚式をした島・・・
宮島は私にとって人生に大きな影響を与えた島なのであった。



結婚式以来宮島に来ていなかった妻が、宮島に行きたいということで、
久しぶりに二人そろって宮島へ上陸することになったので、
いつもは朝一番の船で上陸する計画を変更して、少し遅い出発。
10時までが宮島口桟橋附近の駐車場満車ピークなので9時頃に着けば良いだろうと思って、
8時30分頃に来てみたら、何と殆どの駐車場が既に満車。
辛うじて線路沿いの駐車場だけが空いていたが、9時を廻っていたら満車になっていたに違いない。
宮島に上陸すると観光客で賑わっているいつもの光景が広がっており、
炎天下の宮島は今日も暑くなりそうで過酷な1日になりそうだ。
今日の潮位は、18時20分75cm、0時29分358cmという予想。
私の経験上、花火打上時に潮が満ちて鳥居附近は立ち入り禁止になるので、
干潟での場所取り合戦が始まるのは15時頃からではないかと思う。
それまで午前中は宮島の観光名所を廻って楽しむことにした。
厳島神社は風が通り涼しく、宮島水族館はエアコンの効いた休憩ポイントで貴重な場所だった。
昼食を商店街にある御馴染みの店で食べて15時頃に干潟へ行ってみると、
既に潮が予想以上に引いておりカメラマンの場所取り合戦が始まっていた。
理想としては鳥居正面から狙いたいが、
16時頃に立てられた注意書き立て札より前での撮影は、もし規制がかかれば厄介なので無理は出来ない。
とりあえず立て札附近に三脚を立てらせて様子見。
ここからは宮島名物である西日との戦いだった。
日中の暑さに比べると時間が経つにつれて陽射しは和らいでいるはずだが、
それでも暑いものは暑いので、気分を紛らすために鳥居附近をブラブラ散策。
サンダルを履いての干潟散策は、暑さを紛らす気分転換に最高で、年に1度の海遊びも宮島ならでは。
カメラマンがいろんなところに三脚を立てらせている場所を見て廻るのも意外と面白いもので、
その後、どのような写真が撮れたのか見せて欲しいが、
これだけカメラマンが集まるのにも関らず、ネット上ではあまり出回らないのが不思議でならない。
そういう私もHPを持っていながらスキャニングが間に合わずネットに公開出来ていないが(苦笑)


※報道でよく見る場所だが、花火の時間になると関係者以外入れない。

17時になるとカメラマンに紛れて一般観覧客のピークが始まり、
参道に入りきれない人達が徐々に干潟へと流れていた。
ここからが本当の場所取りの読みが左右される時間帯で、
規制を無視して前に出る観覧客がいれば今の場所はアウトになり、
それならもっと前に出て規制がかかればアウト。
数年前であれば少々の海水が浸かっても自己責任で済まされていたが、
2年前は打上が中断するほど規制が厳しくなった。
当初、大型三脚で最後列で狙うことも考えたが、観覧客をシルエットにするならまだしも、
カメラマンをシルエットにするほど不細工な絵には仕上げたくない。
18時の干潮のピークが過ぎると潮が満ちてくるが、そう簡単に満ちてくるはずが無いので、
鳥居附近には大勢の人達がまだ居座っており、アナウンスで何度も注意を促していた。
近年DJポリスが話題になったせいか、アナウンスに若干クスっとするような内容に廻りから笑いがこぼれていたが、
カメラマンにとっては笑い事では無く、後ろに下がって早く観覧場所を確保して欲しい。
というのも暗くなってからの移動は、三脚の間をすり抜けて手摺かのごとく掴まれて、
カメラマンと観覧客のトラブルが後を絶えないからである。
お互いストレス無く花火を楽しみたいのに、こういう光景を見ると気分的にも疲れが出てくる。
19時になると主催者も本格的に観覧客の移動に力を入れはじめて、
強烈なライトで鳥居附近にいる人達を退去させはじめた。
そしてあれだけ大勢の人達にいた鳥居附近には見事に誰一人としていなくなるという奇跡の光景。
海に浸からなくてもこの光景が見れるとは思ってもみなかったが、
逆に厳しい規制があったからこそ見れた光景だったかもしれない。
潮が迫ってきても満ちる時間に余裕があったせいか鳥居から厳島神社の間くらいまでは許容範囲ということで、
警察が出てきてまでの厳しい規制は無く、そうとわかっていればもう少し真ん中辺りから狙いたかったが、
今回確保した場所には、自分なりの拘りがあり鳥居の足が6本見える角度から狙っている。
これは2001年初めて宮島水中花火を撮影した時以来の同じ角度であり、
場所や高さは違えど鳥居の足を6本入れてこそ宮島の花火だと教えられたことを今でも鮮明に憶えている。
今となっては別に鳥居の角度に拘りは持っていないが、
当時の私にとっては何もかもが素人であり新鮮であった。
ビギナーズラックでたまたま上手く撮れた写真以上の写真を撮ろうと思って早13年目の夏が来てしまったが、
もしかしたら、しばらく宮島に来れないという想いがあったので、
今回は原点に戻るべく13年前と同じ角度から狙うことにした。








見事に人がいなくなった鳥居附近


例年より10分早い19時40分に花火大会がスタート。
スタートといっても長いナレーションがあるので打ち上がるのはそれから5分後くらいだろうか。
花火の演出は毎度のことながら例年通りといったところ。
ただ今回は久々の東方面からだったのでスターマインがいつも以上に迫力があった。
それにしてもいつもながら大玉と水中花火、スターマインのタイミングが合わず、
いっそのこと台船を1つにしてスッキリさせるか、2台の台船を同じ場所に停泊させて二箇所同時打上をするとか、
毎回同じ演出だとさすがに良い玉が上がっても新鮮さが無い。
演出業者は、毎度御馴染みの堀内煙火店だが、去年見た藤沢の花火は素晴らしい演出だったし、
他所でも素晴らしい演出の噂は知っているが、何故に宮島も同じように出来ないのだろうか。
カメラマンの殆どはスターマインはいらないので、大玉と水中花火に絞って撮影しているようだが、
それでは花火師に失礼なので私はスターマインを入れていつも狙っている。
それが不幸にも中途半端な結果になっているのだが・・・
同じ演出と言っても、打ち上がる玉はその年によって違うのが楽しみの1つであったが、
今年は妙に時間差点滅が多かった。
フィナーレを飾る第7景に関しては、尺玉水中花火を出すタイミングが早く、
これは煙の停滞を考慮して先出ししたのか、
いつもは、2箇所の台船と水中花火が同時打ちして宮島らしいラストを飾って欲しかったのに、
今年はどういう訳か、7景前半で水中花火を出し切ったという、
今までに無い中途半端なフィナーレを飾った。
それでも観覧している人達は相当感動していたので、
やはり13年という慣れが感動を薄くさせているのかもしれない。



今年は風の流れが非常に悪く、水中花火用の船が動けない事態に陥り、
宮島では珍しい煙待ちが行われた。
早く始まって早く終わって欲しい、というのが見る見るうちに潮が迫っており、早くも干潟にいた観覧客が撤収し始め出した。
干潟からの脱出経路は東の階段一箇所と西の砂浜のみ。
桟橋から近い東の階段に集中するのは当然の事であり、
また観覧場所に適している階段で立ち止まるのも無理は無い。
それをスムーズに流すのが警備員の腕の見せ所であるが、
今年は不慣れだったのか遠くで叫ぶだけでは人は動かない。
お陰で花火撮影中も花火の音に交えて警備員の叫ぶ声が動画に記録されていて雰囲気台無し。
世界遺産なので仮設階段を作るのは不可能かもしれないが、
人の安全を考えれば、避難経路の確保にもう少し力を入れた方が良い。
煙待ちの影響で時間が押しに押して例年より早く始まったのに、
例年より遅く終わった花火大会であり、13年前と同じ角度で狙ったのに、
13年前のような感動とはいろんな意味で程通り内容で不完全燃焼で終わった。

花火終了後は、以前のように23時を過ぎないと本土に戻れないということは無く、
22時40分くらいに本土に戻ってこれた。
家に戻ったのは日付が変わってからだったが、今までと違うのは明日が仕事だということ。
いつもは仕事が休みなのでクタクタになって翌朝を過ごしていたが、
果たして無事に出社出来るだろうか・・・13年目にして初めての挑戦だった。



写真館 二千年一夜