霧降の滝〜京都府網野町





日付が変わる頃に鳥取市を出発。
山陰ジオパークと呼ばれる国道187号線を走って丹後を目指すが、
何か夜食を物色しようとコンビニを待つが、走れどコンビニの姿は見えず。
途中、見るの無残な姿になってしまった餘部鉄橋がある道の駅で休憩したが、
随分綺麗に整備されてしまったものだと、遠くで聞こえる波の音と共に昔の面影が懐かしく思った。
そういえばあの時、何か工事をしていたと思っていたが、
餘部から香住までバイパスが出来ていたことにも驚き時間の流れを感じさせられた。
お陰で随分アクセスが便利になったが豊岡を目前に力尽き、途中の駐車場で仮眠。
この一帯の国道沿いには、トイレ付きの駐車場が多数あるのでありがたい。
早朝5時00分、あれだけ日中が暑かったのに、夜中はアイドリングしなくても過ごせるくらい涼しい朝だった。
空が少し明るくなって目が覚めたので出発。
豊岡に入ると、今までコンビニ1つすら無かったのが嘘かのごとくチェーン店の飲食店が並んでおり、
コンビニで朝食を買って旅を再開させる。
当初、一気に丹後入りする予定だったが、網野町に霧降の滝があり丹後からUターンするには距離があるので、
少し早いが先に霧降の滝へ寄ることにした。



国道178号線、網野駅前に案内板があり狭い道をしばらく走ると小さい駐車場があった。
6時30分、滝の撮影をするにはあまりにも早すぎるが、
もしかしたら光芒が射し込み幻想的な光景に出会えるかもと期待したが、
駐車場附近に立てかけていた「クマ出没注意」に期待から恐怖へと変わった。
駐車場から300mの距離なので車のエンジン音に気付いて滝附近には近寄らないと信じながら滝道を歩く。
落差20mの素晴らしい滝だが、やはり幻想的な光景には出会えず、さっさと撮影して撤収した。


丹後松島〜京都府丹後町

丹後へ向かう道中、時折目に飛び込む青い空と青い海につい足を止めて立ち寄ってみたくなる海水浴場。
しかしシーズン中の海水浴場へ行くにはどこも1000円の有料駐車場に止めなければならないようで、
海水浴目的じゃなければ交渉の価値もあったかもしれないが、
そこまでして行こうとは思わなかったので、どこも立ち寄らず丹後へ向かった。
丹後の道の駅附近にある立岩に寄りたかったが、ここは逆光で撮影は午後が良さそうなので素通り。
しばらく走っていると、丹後松島の象徴である屏風岩に到着した。
8時00分、若干空が霞んでおり海も真っ青ではないが、
日本海ならではの広大な広さには、いつも見慣れた瀬戸内海とは違う感動があった。
雨が降っていれば幻の滝が見れるらしいが、残念ながらここ数日、まともな雨は降っていないようで幻で終わった。
ネットやパンフで見ると迫力のある屏風岩だが、実際は距離が離れているので感動は薄く、
いかに迫力のある絵に仕上げるか、もしくは広大な日本海の脇役にするか撮り手のセンスが伺える被写体である。
時間があるので粘れば、もう少し空が青くなるかもしれないが、何分、8時なのに燦々と照りつける太陽に、
早速汗びっしょりで粘ることなく数カット撮影して終了した。




袖志の棚田〜京都府丹後町

今回の旅で楽しみにしていた場所が袖志の棚田である。
広大な日本海を背景に棚田が撮影出来る、西日本では珍しい棚田。
丹後松島を過ぎると袖志地区に入り、国道沿いに案内板が立ててあった。
集落から棚田に続く道はかなり狭いので、案内板附近に車を止めて散策することにした。
棚田だけに殆どが坂道で、先ほどと同じく容赦なく照りつける太陽に朝から疲労困憊。
それでも上れば上るほど見えてくる日本海と少し黄金色に染まりつつある棚田を励みに歩き続けた。
撮影ポイントはいくつかあるはずだが、体力の消耗を考えて一箇所に絞りシャッターを切り、
帰りは違う道から帰ろうと歩いていたら、季節の花が咲いていたので、そこでもう1カットシャッターを切った。
車を止めるスペースがあるので、上がれないことは無さそうだが、
棚田撮影のポイントは、自分の足で歩いて構図を決めること。
そうとわかっていても、ついつい横着してしまうのだが、
それでは過酷な場所で営まれている農家の人達に失礼かな。








経ヶ岬〜京都府丹後町

袖志から程なくして経ヶ岬に辿り着く。
ここもまた楽しみにしていた場所だったが、
大汗を掻いて400m急な階段を登った甲斐空しく、展望台には灯台が見えず、
灯台の近くまで行けるものの、写真集で見たような灯台と海を絡ませる場所が見当たらなかった。


立岩〜京都府丹後町

経ヶ岬でのショックで疲れは倍増し、暑さもピークでさすがに外の活動は危ないと察し、
一旦、丹後の道の駅で昼食を兼ねて休憩をする。
道の駅から遊歩道を歩いて立岩まで行けるらしいので、
食後に行ってみたが、立岩附近は遊泳禁止なのに海水浴をしている若者がいて写真にならず、
さすがに炎天下で待つ訳にもいかず、
しかも空が真っ青じゃないので撮ろうという意欲が沸かなかった。
道の駅で見かけた丹後松島の日の出写真が飾っていたのを見て、
どこで撮ったのか知りたくなり再度松島へ向かった。
犬ヶ岬のトンネルを潜ると、駐車場があり松島の展望スポットになっているが、
それよりさらに先に行ったところにバス路線である旧道があり、
その坂道の途中に松島を見渡す場所があった。
時期的に朝日がどのタイミングで見れるかは調査が必要だが、
丹後地区は9月頃に機会があれば改めて時間をかけて訪れたい。







根の舟屋〜京都府伊根町

宮津へ行く途中に有名な伊根の舟屋に寄ってみることにした。
海岸沿いに並ぶ舟屋が珍しい景色として有名になっているが、
鞆の浦を見慣れているせいか、さほど興味の沸く景色ではなかった。
街並を撮影するには、朝か夕方の陽射しが無いと立体感が出ないので難しいのと、
この手の被写体は、気軽に行って撮影出来るほど簡単なものではない。
とりあえず今回は、軽い現地調査のみということで、
道の駅で景色を眺めて街並を軽く散策して宮津へ向かった。




宮津灯篭流し花火大会〜京都府宮津市

有名な天橋立を横目に国道を南下して17時前に宮津に到着。
臨時駐車場は小学校、高校など案内板が出ており、
なるべく近いところに止めたいが地理がわからず中学校のグラウンドに選んだ。
高校より近そうだが、小高く狭い坂道の通学路を通ったので、
帰りの渋滞はかなり大変な思いをしそうな場所だと一目でわかった。
中学校から会場までは、さほど遠くなく歩いて15分程度。
ちょうど太陽が沈む方向に高い山があるので日陰になって涼しい時間帯になっていた。
さっそく会場を現地調査してみると、島崎公園には大勢の観覧客と最前列にはたくさんの三脚が並んでいたが、
島崎公園内には三脚の使用が禁止されているはずなのに、どうなっているのだろうか!?
いろいろ調査した結果、三脚の使用禁止は観覧客に対する配慮で強制的な規制ではないらしいが、
注意書きがあるのにも関らず、三脚を立てらせて観覧客と揉めたら速やかに退去させられる口実にもなる。
要するにマナーの問題でカメラマンのモラルが求められる現場である。
一方カメラマン側としては、三脚があっても花火は見える、他の人が撮っている、
毎年撮っているが問題は起きていない・・・などなどルールもモラルも無視した意見が飛び交っていた。
ここの現場に限らず、どこの会場でも三脚を立てらせての撮影は意外と気を使うもので、
いかに廻りの観覧客を配慮しながら撮影するかは永遠のテーマである。



それにしても島崎公園で三脚が使えないとなるとどこで撮影するか・・・
特に目ぼしいところは無いし、台船の位置を考えるとやはり島崎公園がベストポジションとなる。
幸い公園外に少しだけスペースがあり、台船の位置もギリギリよさそうだったので三脚を置いて一安心。
その後、島崎公園を散策してみたが、広い公園内ではあったが三脚使用禁止の看板は立っていた。
台船の位置の関係上か、西側にカメラマンは集中していたが、
観覧客も駐車場の関係か西側に集中していた。
見ようと思えばどこでも見れるが撮影するとなれば話は別。
主催者側も少し配慮して、せめて西側だけは規制無しにすれば、
お互い気持ちよく花火を楽しめるのではないかと思う。



花火の打上前の宮津湾では、赤色やピンク色など色鮮やかな花飾りを付けた精霊船がたくさん浮かべられ、
踊り船、御詠歌船が航行するなど独特な雰囲気に驚かされた。
以前、敦賀で灯篭流しを見た時も驚いたが、宮津はさらに独特な雰囲気があり
故人を初盆で迎える時の精霊船を作る風習は江戸時代まで遡るらしい。
19時になるとたくさんの灯篭が流され、先ほど浮かべられた精霊船に火が付けられた。
そして19時30分、花火大会が始まる前に記念花火として大玉の早打ちが行われた後に本番が始まった。
スターマインと単発を1つのシリーズにして12あるシリーズを3部構成にまとめて最後に金銀の大瀑布という内容。
さすが国友らしく、仕入れ先の範囲の広さに圧倒させられる贅沢な花火が打ち上げられ、
つい先日、テレビでどこぞの業者が新作だと言っていた八方咲きが見れたのには驚いた。
斜め打ちを得意とする業者なので、いつどこで斜めに打ち上がるか油断出来ないが、
ここでは親切にもプログラムに記載されているので心構えが出来る。
途中、警戒区域に侵入して中断したが、そりゃ中断するでしょ!と言わんばかりに、
相当斜めに飛ばしていた斜めスターマインに圧倒された。



久々に国友打ちと呼ばれる金銀大瀑布に圧巻されて花火大会は終了。
渋滞は予想通り掃けが悪く、22時までにはグラウンドを出てくださいと言われたが、
22時30分まで掃けることが無かった。
会場附近は、マックしかなかったのでどこかで夕食を物色したがコンビニすら見つけられず、
宮津市は一体どうなってるんだ!?とあちこち走っているうちに、
高速道路のインターチェンジ附近でようやく飲食店を見つけることが出来た。
食後に車内で仮眠して2日目の旅は終了。






写真館 二千年一夜