鞆の浦弁天島花火大会〜広島県福山市






5月最終土曜日、仕事が休みなので今年も相生ペーロン祭の花火撮影を予定していたが、
急遽、仕事が入ってしまったので仕事終わりでも行ける鞆の浦へ行くことにした。
前日の夜、予め場所取り出来るのが近場の特権なので仕事終わりに鞆へ向かう。
21時頃に現地に着くと、地元の人達だろうか、堤防上で場所取りが行われていたが、
それでも十分特等席である堤防上は空いていた。
数年前から場所取り規制が行われ、数日前からの場所取りが禁止されているので景勝地として以前のような見苦しい光景は無くなっていた。
そして当日、仕事を終えて現地に着いたのは18時30分。
狭い町だが相変わらず渋滞が無く現地に着き、
いつものポイントにも余裕で車を止めることが出来たのは嬉しい。
ちなみに町内には無料駐車場は無いが、有料駐車場はいくつかあるのだが、
HP上では告知されておらず、遥か遠いみろくの里からのシャトルバス利用を進めている。
鞆の街を知らない人は、車で来場するだろうが一歩間違えれば袋小路に迷う羽目になるので気を付けた方が良い。
歩行者天国を歩いていると、祭りならではの懐かしい美味しそうな匂いが漂い、
祭りの季節が始まったと実感させられる。
時に学生らしき女性の変わった浴衣姿を見るといかがなものだろうか?と思うのはオッサンの感覚だろうか(苦笑)
さすがに18時を廻ると混雑もピークに達しており、昨夜の静けさが嘘かのような人混みを掻き分けながら
事前に確保していた場所に辿り着くと、あろうことか老夫婦に占領されていた。
景勝地を汚さないためにと、目立たないように透明テープで取っていたことに、
老夫婦は気付かなかったのか、良かれと思ったことが仇となってしまった。
注意して退いてもらうにも、この時間帯では移動して違う場所を見るけるのも大変だろうし、
何より楽しみにしている最中にがっかりさせるには申し訳ない。
もしものためにと撮影場所を数箇所考えていたが、
打上現場をまじかにすると、やはり近くで見たいという欲が出てしまい、
テトラポット上での撮影を決行することにした。
通常の花火大会であれば、堤防上すら危険場所として観覧は禁止されるが、
何故か鞆の花火はそういった安全がスルーされている。
お陰で大勢の人達が特等席で宴会をしながら花火が見れる訳ではあるが、
テトラポット地帯も行き場を失ったカップルで次第と埋め尽くされていた。
足場は悪いものの何とか撮影態勢を整えて打上まで作戦会議。
当初、2台態勢で挑むことを考えていたが、狭い上に混雑するので1台に絞ったのは正解だった。
時折、扇打ちが考えられることを予想して横構図で撮影することも頭に描きながら構図を練る。
担当が佐賀火工ならば演出も以前とさほど変わらないだろう。



弁天島を眺めているうちに打上時刻の19時30分が近づいてきた。
何年前だったか19時20分から打ち上がったことを考えればこの10分の差は大きく、
1分経つにつれてシャッタースピードが徐々に落ちていく。
そして花火打上。
怒涛のオープニングから会場が沸き、出足は上々。
まだ明るいかと思ったが、広角レンズを付けて横構図で背景の仙酔島を入れて面白い写真になりそうだ。
打ち上がる玉は決して良いとは言えないが、かといって悪いという訳でも無く、
玉の種類の多さや打上方は同じ現場を踏んでいる業者だからこそ上手く演出しているように思えた。
特に中盤の千輪乱舞の後の柳を打つところは、
思わず、佐賀火工ってこんなに凄かった?と失礼ながら鳥肌が立ってしまった。
今年は水中花火やスターマインが多いと思ったのは、
以前より300発多い2300発が打ち上げられたことを後で知り納得。
テトラポットで撮影したのが不幸中の幸いだったのか、足元は悪いが窮屈無く撮影も出来て、
また近くで見たことで体感もあり観覧、撮影ともに楽しい1時間となった。
今回、広角レンズでの撮影だったが、スターマインだとズームが足りなかったのと、
無理に広角レンズをつけるほどでも無かったので、今回の反省の点を踏まえて、次回は標準レンズで挑みたい。
ただ時折打ち上がる扇打ちをどう捉えるかは今後の課題となりそうだ。
ラストは、恒例の水中花火と怒涛の冠菊、斜め打ちも入ってワイドな花火絵巻。
そして拍手大喝采の中、御馴染みの「おわり」の文字仕掛けで幕を閉じた。
何度も見ている花火大会だったので、正直あまり感動を求めてしなかったが、
改めて近場で見ると、決して悪くないと思った。
帰りは竹ヶ端まで渋滞していたが、思ったよりスムーズな流れで家路へ向かった。



写真館 二千年一夜