若草山の山焼き〜奈良県奈良市







2002年以降、今回で12年連続の撮影に挑む若草山の山焼き撮影。
撮影場所は調べているうちに気になる所もあったが、
去年と同じ所に決めて動画や画像を見てイメージトレーニングして当日に挑む。
昨日より寒波による強風が西日本を襲い、中止を視野に入れて出発時刻を予定より見合わせていたが、
HPを見ても中止の知らせは無く、ライブカメラを見ても奈良市内はとても良い天気だったので、
12時00分、3時間30分かけて奈良に向かった。
横風に煽られながら快適に高速道路を走り抜け、3時30分に奈良に到着。
奈良に着くのが遅かったので、去年止めた500円/日は既に満車になっていたが、
その近くに100円/1時間の広い駐車場が空いていたのでそこに止めた。
市内は山焼きや道路規制の案内が無く、もしかして中止になったのでは?と不安を抱えていたが、
駅内にある観光案内所でパンフを貰い、開催することを知り安堵した。
ただあまりにも風が強いので、最悪花火の中止は覚悟していたが、
廻りに火が飛んでも、数十分後には燃えるので問題無いのかな。
万が一、中止になった場合は、夜景撮影でもして帰ろうかと思ったが、
事前調査してなかったので、緊急事態に備えて下調べしておこう。

コンビニで軽く昼食を済ませ、せっかく奈良に来たのだから去年同様興福寺まで散策。
駅から興福寺までたくさんの店があるが、以前に比べると目まぐるしく店が変わっており、
商業施設が無くなりマンション建設が進んでいたり、
去年食べたラーメン屋さんはうどん屋に変わっているなど、
奈良の経済事情も厳しいのだろうか。
屋上で撮影が出来るかも、と数年前に調査したビブレも先日閉店となり、
今となっては幻の撮影場所になってしまった。
ビックリしたのはカメラマンの少ない事。
あの天平ホテルですら三脚が立っている気配が見えず、
玄関に張り紙も無かったので、いよいよ松が成長して若草山が隠れてしまったのかもしれない。
それでも花火と五重塔の組み合わせは魅力ではあるが。
奈良の観光は程々にして撮影場所へ向かった。

17時を廻ったところで暗くなる前に機材をセット。
距離からして縦構図にして135mmに合わせて尺玉が入る絵に仕上げる。
毎年のことながら、尺玉を入れるか、山焼きの迫力を出すか迷ってしまうが、
どうしても尺玉を入れる構図は外せないのが花火愛好家の宿命だろうか。
撮影場所の構造上、まったく風が無いように感じるが、
違うところへ移動するとかなり冷たい風が吹いており、本当に花火が上がるのか心配だった。
心配していた雪雲が若草山上空には無く、満月も厚い雲に隠れて撮影に支障は無く、
風が強い分、今日はよく燃えるに違いない。
1時間前は誰もいない穴場ポイントだが、花火が上がる10分前にはどこからともなく人がやってくるが、
やはり三脚を立てて撮る人は居らず、まだまだ穴場ポイントとして守られているようで安心した。
せめてここで完璧な写真が仕上がるまでは穴場でいて欲しいと願う。

18時15分、花火が打ち上がる。
今年も素晴らしい花火が用意されているが、去年と比べると尺玉の部は10発少ない20発。
その分、7つのパートに分けられて特にスターマインに力を入れているように見えた。
花火の内容や進行具合は例年通りという感じで、
それならどの花火を撮り込むか10年以上も通っていれば分かりそうなものだが、
分かっていても実際の行動は思うようにいかないもので、
よせばいいのについ欲が出てシャッターを切ってしまい、
結局、ラストの冠菊の一斉打ちを撮り込む結果となってしまった。
仮に上手く撮影出来たとしても去年と同じ絵では面白みが無い。
そんなショックが隠せない中で山焼きが始まった。
予想通り風の影響で山は勢い良く燃えて、今まで通ってきた中で一番凄まじい燃え方だったかもしれない。
今年は間隔を狭めて5秒×15回、そして少し時間を開けて5秒×5回の合計100秒の露光時間でシャッターを切った。

撮影後、動画で花火の確認をすると撮り込んだ尺玉が思いのほか上空に上がっておらずさらにショック。
あの時、これを入れておけばと動画を見て後悔するのであった。
今年は寄り道をせずに帰宅。
道中、吹雪に遭いながらも日付が変わる前には帰宅出来た。
やはり今年こそは花火用に200mmのレンズを1本買おう。





写真館 二千年一夜