かみじまふるさと夜市〜愛媛県弓削町






たまたま新聞の告知で見かけた花火の画像を調べてみると、
弓削島でも花火大会が行われる事を知った。
そういえば因島で花火を撮影していた時、
島越しで花火が上がっていた事を思い出し、
どこの花火大会だったのか調べても結局わからずじまいだったが、
今にして思えば弓削島の花火大会だったに違いない。
弓削島とは因島から目と鼻の先にある島で名前もよく知っているが、
行く用事が無いので1度も行ったこと無く、近いようで遠い存在の島だった。
そんな島へまさか行くことになろうとは、やはり写真を撮っていてこそ出会える景色があるというものである。



弓削島までのアクセスは、因島からフェリーで生名島へ渡り、2つの橋を渡って弓削島へ着く。
以前だと因島から弓削島まで直通のフェリーで行かなければならなかったが、
2011年に生名島と佐島の間に橋が開通して弓削島までのアクセスが安く便利になったようだ。
しかし安いと言っても、生名島まで僅か数分の船旅なのに軽自動車でも500円の料金がかかるのは、
競争相手がいないからこその値段なのだろう。
この日は、20分おきの便なのに常に満車状態なのでピストン輸送しており、
券売機のおばさんも驚くほどの繁盛振りの様子だった。
見慣れた景色も違う角度から見れば遠い街に来ているかのように思い、
短いクルーズを楽しみ生名島へと渡る。
時間があれば、それぞれの島を散策したかったが、生憎の曇り空で出発時刻を遅らせたので、
そのまま弓削島へ向かい17時頃に到着した。
小さな島の小さなお祭りなので、混雑はしておらず駐車場も余裕で空いていた。
台船はお祭り会場の目の前に停泊しており、いくら3号玉クラスの花火大会といえど、
あまりにも近すぎるのではないか!?と思うくらい近い位置にいた。
当初、弓削大橋を前景に花火を撮る構図を練っていたが、
現地に行って、それは佐島からかなり離れた所で撮っていることがわかり辞めた。
せっかく弓削島に来たのだから、やはり祭りの雰囲気を味わいながら花火を撮りたい、
これは撮影を撮るだけが目的ではなく、祭り、地域の良さを知ってこそ撮影した写真に対する思いを込めたいという、
1つの拘りであった。
何年、何十年経った後に写真を見て、あの時はあのような雰囲気で撮影したのだと思い出すことが出来れば、
また違う写真の楽しみ方があるのではないだろうか。
会場を一通り見て歩いた限りでは、湾沿いの道路であればどこからでも見れる好条件の場所なので、
観覧客が一箇所に集中することもなく、混雑の無い花火大会になるのではないかと思った。
堤防に座っても警察は規制をすることもなく、他所ではありえないような規制の緩さであり、
のんびりとした島のお祭りならではなのかもしれないが、
そのお陰で良いロケーションでの花火撮影が出来そうだ。



20時30分の打上まで時間があるので、
スーパーでウナギ弁当を買って夕食を済ませ、祭り会場を散策して時間を過ごした。
お祭り会場内は、露店は出ていないが、地元団体による地産地消の飲食が目立ち、
先ほどウナギ弁当を食べてお腹一杯になったことに悔いが残る。
夜になると風が出てきて、日中の暑さが嘘かのごとく過ごしやすい時間となったが、
怪しい雲がこちらに迫ってきているのを見て、関東での連日の局地的大雨が頭を過ぎった。
20時30分、カウントダウンと共に花火が打ち上がり、雨も降り出す。
幸い、大雨になることは無かったが、ポツポツを降ったり止んだりの繰り返しで、撮影に支障は無かったが
いつ大雨が来るかヒヤヒヤである。
その微妙な天気のお陰なのか、煙は良い感じに流され今夏初めてと言っていいくらいクリアな花火を見ることが出来た。
担当業者はフジカということだけあって、正直あまり期待していなかったが、
色の発色、玉の選択、演出の良さで1300発ながら結構楽しませてもらった。


右側の架橋から打ち上がる好ロケーションだが、
台船まで1キロくらいありそう。

21時10分前くらいに花火大会終了。
帰りは混雑こそ無かったが、因島へ戻る時のフェリーで少し待った程度。
22時30分には家に着いたので、花火撮影にしては早く着いた方かな。
今回、初めて弓削島に渡ったが、思いのほか建物や道路が綺麗に整備されていたのには驚いたが、
花火現場のロケーションが妙に気に入ったので、
機会があればまた訪れさせていただきたい。





写真館 二千年一夜