美山茅葺の里〜京都府美山町

予報を覆して今日も天気が良いと信じていたが、強い雨音で夜中に目が覚めた。
再び目が覚めたのは6時頃で、小康状態でありながら空はどんよりして止む気配なし。
雨が止んでいたら琴滝に再度寄ってみようかと思ったが、その気力は雨で消失。
そのまま美山町へ向かった。
八木から美山への道のりはいろいろあり、国道27号線から県道12号線経由で美山へ向かったが、
比較的走りやすい道のりだった。
県道38号線を走っていると山の緩い斜面に多数の茅葺屋根が見えてきた。





8時30分、小雨の中、茅葺の里に到着。
美山町北地区には、今でも茅葺屋根の古民家が38棟あり京都を代表する観光名所となっている。
観光名所だが、地元の人にとっては至って普通に生活しているので、
観光、撮影共に最高レベルのマナーが必要となる。
雨が降っていたので、とりあえず構図を練りながら地区内を散策。
まだ朝が早いのと雨の影響で観光客はもちろん、地元の人の姿も見られず、
何だか大昔にタイムスリップしたかのように感じると思ったが、
電柱が多い、電柱があれば当然、電線も至る所に走っている。
茅葺屋根でも生活すれば、室外機や給湯器など普通に設置されているし、
その隣にはプリウスが止まっている。
すべて茅葺屋根ではなく、建て替えて普通の家も存在。
自治体によっては、建て替えの際に景観を損なわないように配慮されるところもあるが、
美山町に関しては、そういう規制が無いのだろうか。
正直、少しガッカリな気持ちだったが、茅葺屋根が現役で残っている状態で生活感があるところに魅力があり、
それをいかに写真に現わすかが写真家の腕の見せ所である。
それを考えると、観光ポスターは良い感じに撮影している。



しばらくすると雨が止んだので撮影開始。
シンボルである赤いポストを入れるのが定番だが、一応それはそれで抑えておいて、
少し離れた田んぼ越から1構図のみ集中して撮影した。
どうしても近づくと電線や車、洗濯物などが目立ってしまうので、
そんな時は引いて目立たなくするしか手段が無い。
棚田撮影では広角レンズを使って撮影しているが、今回は茅葺屋根が目立たなくなるので28mmまで。
ポストならぬ案山子をシンボルにしてシャッターを切ったが、
これではまるで案山子が主役になってしまった。
案山子が茅葺屋根を案内、そんなテーマも有りかな。
上を見上げればトンビが鳴き、下を見れば蛇が道を横断。
どうしても茅葺屋根に目が行きそうだが、探せば周りも魅力はたくさんありそうだ。



止んだ雨はすぐ降り出し、降ったかと思いきや日差しが差したり、降ったり止んだりの繰り返し。
時間が進むにつれて観光客が一人、また一人、10時頃になると随分増えてきて準備中だった物産館もオープン。
時間があれば美山の味を堪能したいところだが、時間の都合で断念。
稲が頭を垂れていたので、ここもまた5月上旬と9月上旬、年に二回の消防放水、雪深い景色など、
タイミングが合えば面白い写真が撮れそうだ。


野鹿の滝〜福井県おおい町

美山町から国道162号線を北上すると福井県に入り峠を下るとおおい町となる。
道の駅手前に滝の案内板があり、県道、林道を走ると滝に辿り着く。
11時20分、駐車場から遊歩道を少し歩くと30m級の滝に到着。
ここの滝もやはり雨の影響か凄い勢いのある水瀑で迎えてくれる。
雨の影響か、小枝が散乱して足元は滑りやすい状態で気を付けなければならない。
滝の側まで行けるが水量も多く、うかつに滑らせると悲劇に遭いそうなので少し離れた所から撮影。
道の駅で貰ったリーフレットには、日差しで緑や岩肌が輝いている姿が写っており、
これを見ると、曇っている方が撮影はしやすいが、やはり晴れた日が良いのかなと思う。



今日のメインである越前市に着いたのは15時頃。
その20分前くらいに凄い雨に遭遇し、その雨は少し落ち着いたものの、
今まで頑張っていた空も力尽き、雨は止むことは無かった。
雨が降る中、会場を現地調査して本部でプログラムを貰う。
どこから狙おうか考えながら初めての現場を散策するのは面白いもので、
今日のような日は場所取り客も少ないので、どこから狙おうか迷う程空いていた。
河原では4業者が雨が降る中、花火のセッティングをしており、
増水もしていないので中止になることは無いと思っていた。
先日の台風は、雨が降っていないのに中止になったが、
その前は、一日中雨なのに中止にはならなかった。
花火大会とは、滅多なことで中止にならないものである。
強く降ったり弱く降ったりの繰り返すばかりで雨は止むことはなさそうな雰囲気。
一応、三脚を立てらせて打上時間ギリギリでセッティングしようと雨宿りしていたが、
打ち上げ1時間前で何と延期のアナウンスが流れた。
ベストコンディションで花火大会を開催したい主催者の気持ちもわかるが、
準備を終えた花火玉はすべて廃棄しなければならないので、
どうせ中止にするならもっと早い段階で決定しても良かったのではないかと思う。
雨の中、準備していた姿を見ていただけに、花火が見れないというショックも大きかったが、
それとは違う何とも言えない気持ちになった。
延期のアナウンスが流れた後は、それが正解だったかの如く強い雨が降り出した。
急遽することが無くなったので、とりあえず近くで夕食を済ませて少し仮眠。
21時頃には、先ほどの雨が嘘かと思うくらい小康状態となっており、
後少しだけ雨雲が早く抜けていれば結果はわからなかったかもしれない。
昨日は奇跡的に晴れたが、今日は奇跡は起きなかった。







写真館 二千年一夜