龍双の滝〜福井県池田町

昨夜の花火大会中止のショックから一夜明けてないが、4時に出発。
雨は止んでいるようだが、土砂崩れとかで滝まで無事に行けるか不安が過る。
池田町へのアクセスは、国道417号線はカーブが多い反面、県道2号線は走りやすそうだったのでそちらを選ぶ。
案の定、峠越えも難なく通過して走りやすい道のりだった。
県道34号線の途中から狭い道となり、車一台すれ違えるかどうか。
そんな道沿いに龍双の滝がある。
越前市から出発して1時間で到着。



まだ薄暗い早朝5時に滝撮影することは未だかつて無いが、
道沿いから眺められるからこそ出来る撮影である。
薄暗い滝は写真にするとどんな形に写っているのか仕上がりが不安な反面、楽しみ。
6時になると次第に辺りも明るくなり、滝の全貌がはっきり見えるようになった。
岩肌に流れ落ちる壮大な姿は、噂通り素晴らしくまじかで見れるだけあって迫力がある。
凄く近いのに不思議と水飛沫は飛んでこないので撮影はしやすいが、
雨で川の水量が多く、下から見上げる構図は危険なので断念。
道沿いからの撮影だと、少し移動しただけで木々が滝を隠してしまい構図は限られてしまうので、
1構図に絞ってシャッターを切った。
もう少し時間が経てば日差しが当たって周りの緑が綺麗かもしれないが、
この曇空では期待出来ず、6時の段階ではしばらくは日差しが当たる予感がしない。
福井の滝なんて行く機会が無いと思っていたが、まさか花火が縁で訪れることが出来た。
その花火は見ることが出来なかったが、落ち込んでいた気持ちを龍双の滝が救ってくれた。
やはり滝は不思議なパワーを持っている。





とうろう流しと大花火大会〜福井県敦賀市

来た道を戻り、敦賀に着いたのは8時頃。
雨は止んでいたが30度を切っており、さすがにこの天気だと海水浴客もいないかと思っていたが意外と居た。
海水浴場の駐車場は、この時間帯で50%くらいの駐車率。
少し西に離れた所にも駐車場があり、こちらもこの時間帯では結構空いていたが例年だともっと多いのかもしれない。
両方1000円/日で止めることが出来るが16時以降は規制がかかり出ることは出来ない。
それまでは自由に出入りが出来るので、海水浴に興味が無ければ観光ドライブしても良いらしい。
臨時駐車場に止めるつもりだっただけに予定外の出費だったが、
会場から近いのと不安定な天気なので雨宿りにはちょうど都合が良く、これで1000円は十分元が取れる。
ちなみに臨時駐車場は会場から3キロほど離れたところにあり、シャトルバスが出ているが会場から1.5キロ手前で降ろされる。
会場までの行き来は大変だが、駐車場での混雑は避けられそうな気がする。


正面から少し右寄りの団体席。


松原海水浴場最東端。穴場です。


実に11年ぶりに降り立った松原海水浴場。
前回は電車で敦賀まで来たので、暑い中大変な思いで来たような気がする。
海水浴客で溢れていたが、その光景は今日は今のところ無い。
早く着いたところで、場所取り激戦区ではなければカメラマンの姿すら見えず、
むしろ海水浴場に普段着は場違いで逆に怪しい人になっている。
海上に台船も着いてないので、どこでどういう演出をするかもわからないので、とりあえず台船が停泊するまで様子見。
そもそも今日は花火大会が行われるかどうかも現段階では決まっておらず、
駐車する時も、花火が中止になっても返金は行いませんと言われてしまった。
今日も不安定な空に、昨日の悪夢が蘇ってきそうだ。
12時前くらいになると、どこからとなく台船がやってきた。
大きな台船が1隻、2尺玉の筒が2本鎮座されており大玉専用とみた。
その後に小さな台船が1隻、また1隻、またまた1隻。
この小さな台船に水中用の2尺玉があるのか確認は出来なかったが、台船は合計で4隻。
そのうちセンターに小さな台船が大きな台船とドッキングして、
3カ所からの打ち上げという配置が決まり、ほぼ真正面から狙える位置に三脚を仮置きした。


松原海水浴場最西端。こちらも空いているが、台船の位置が悪い。

時間は持て余すくらいあり、駐車場を出て近くの温泉でも入ろうかと思ったが、不安定な空に現場を離れる気にはなれなかった。
幸い雨は小雨が降ったり止んだり、時に日差しもあり回復するかと思ったがほんの一瞬だけ。
仮押さえしている場所で撮影が出来なかった時のことを考えて、違う候補を探すべく砂浜を散策。
正面は海の家があり、その周辺は海の家専用の有料席となっているので、
お金を払えば特等席で観覧が出来るが、その分、一般席は限られるので早目の場所取りが必要となる。
ただ正面に拘らなければ、広い海水浴場なのでどこからでも自由に観覧、撮影は可能で、
個人的には、東側から狙ってみるのも面白いと思った。
前回は正面で撮影するスペースが無く、東側へ行く気力も無かったので、西側から撮影したが、
波打ち際で狙うと灯籠を前景にした花火写真になるので、それなりに面白い絵になったが、
花火自体は期待したほど感動は無く、気が付けば11年という歳月が流れてしまったが、
たまたま動画を見て演出が随分変わっていたので、ちょっと足を延ばしてみようかなと思ったのが、
この福井遠征の旅の切っ掛けとなり、気軽に行ける場所ではないが、舞鶴若狭道の全線開通は本当に良いタイミングだった。

午前中は東側を散策し、昼食を食べて午後から西側を散策。
気になる2尺玉の水中花火はどこで開花するのか気になって仕方無いので、
駄目元で観光案内で聞くと、台船と台船の間にあるイカダの上で開花するとのこと。
まさか花火の演出に詳しい人がいるとは思わなかったが、これで随分撮影がしやすくなった。
15時くらいだったか、花火大会開催決定のアナウンスが流れ、、とりあえず一安心。
だが天候によっては中止になるので油断は出来ない。
特にここ数年の局地的雨は酷く、途中で中断された花火大会はいくつもある。
遠くの空から雷が鳴っていたので、海水浴も禁止となって寂しい海水浴場となっていたが、
雷も鳴り止み、海水浴も解禁されていつもの賑やかな海水浴の光景に戻っていた。
このまま良い流れで花火大会に進んでほしいと願う。
17時になると海水浴も禁止となり至る所に張られていたテントも撤収のアナウンスが流れる。
海水浴で行われる花火大会の凄いところは、みなさんちゃんとアナウンスに従ってテントやパラソルを撤収させていること。
お蔭で後方から観覧、撮影共に支障無く楽しむことが出来るので、嬉しい配慮である。
沖では空が明るかったので、このまま天気が回復すると誰もが思ったかもしれないが、
沖に向かって風が吹いていたので、後ろを振り返ると恐ろしい雲が近づいていた。
打上の定刻にはまだ早いが、雨が降っていないタイミングで機材をセッティング。
不幸中の幸いなのか風向きが東に変わり、その雨雲が敦賀に直撃することは間逃れたようで、
遠くで雷が光っていたので、どこかで雷雨に遭っているのかもしれない。
昨日のような強雨ではないが、すっぽりと雨雲に包まれてしまい、傘が手放せない状態となった。
18時30分頃からお経が海水浴に流れるという異様な光景の中、灯籠流しが始まった。



雨が止んでくれると願っていたが、その願いは届かず、遠くで光っている雷を懸念してか予定より早く打ち上げを開始。
10年以上経ってもプログラムが無い花火大会だが、12部に分かれてテーマを設けている。
オープニングから縦横無尽に花火が飛び交い、会場は大歓声が沸き上がる。
全編音楽付きで有名花火師の花火玉が披露される匠の部以外は、3カ所の台船から扇打ちで派手やかに演出。
今年は舞鶴若狭道路の開通で予算が増えて玉数も13000発に戻ったらしく、
演出もこれまでに無い凄いことを考えていたらしい。
今回の目玉である二尺玉3発同時打ち「大三輪」は終盤で披露。
2尺玉の同時開花は全国的に珍しくないかもしれないが、
水中花火2発とくれば全国的に珍しく、主催者によると世界初の演出だとか。
事前に主催者に問い合わせた時に教えてもらった演出だったが、
世間ではあまり知られていない情報だったので、カメラマンの姿は殆ど見かけず、
どうも敦賀は愛好家を寄せ付けない何かがあるのかもしれない。
それに雨が追い打ちをかけたのだろうけど、他の激戦地に比べると正面で国友の演出が楽しめるのだから、
これほど快適で素晴らしい花火大会は無い。
これで雨が降っていなければどれだけ良かったことだろうか。
でも雨が止まなかったお蔭で、適度な風が吹いて煙が停滞することも無く、花火を楽しめた。
最悪、大玉は諦めていたが、2尺玉もスッキリ見れたのは奇跡だった。
二台態勢で挑んでいたものの、雨で1台を操作するのが精いっぱいだったが、
縦構図の出番は殆ど無しで、唯一、匠の演出も28mmでは、近すぎてフレームアウトしてしまった。
大三輪は広角レンズを命一杯広げて打ち上げの2尺が入っている計算。
ただ一つ残念だったのが、間髪入れずに大三輪を披露してしまい、興奮冷め止まぬまま、次の花火が打ち上がるという、
せめて開花前のカウントダウンで大三輪の開花だけはじっくり見させて余韻を楽しませて欲しかった。
国友の演出はとにかく早いというイメージがあるが、まだプログラムの間にアナウンスが流れるだけでもスローなテンポな方だろうか。
シャッターを押した時に雷で空が真っ白に光る、想定外の演出もあったが決して笑いごとではな無く、
いつ雷雨が襲うかヒヤヒヤしていた。
幸い雷雨に襲われることも無く、無事に最後の演出まで辿り着き、怒涛の錦瀑布から銀瀑布へと変わるラストを見ることが出来た。

花火大会終了後、雨は少し強くなってきたので急いで撤収。
22時30分まで出られないと思っていたが、やはり来場者は少なかったのか21時30分に駐車場から出してくれた。
ある程度、渋滞は覚悟していたがバイパスまで渋滞も無く、すんなり敦賀を脱出することが出来た。
これで順調に帰れば5時間で帰宅出来ると思っていたが、
福知山付近で恐ろしいほどの雷雨に遭遇し、その疲れで途中で力尽き仮眠。
翌朝、テレビでニュースを見ると福知山市内は川が氾濫していた。
もしその雷雨が敦賀を襲っていたら、間違いなく花火大会は中止になっていたに違いない。
今夏は本当に雨で泣かされる旅が多い。





写真館 二千年一夜