GW2日目
鍋ヶ滝〜熊本県小国町







GW二日目は天気も良さそうなので熊本と大分の県境にある小国町の滝巡りを行う。
GWに西方面に行くのは初めてなので、どんな景色が待っているのか楽しみな思いを込めて7時に出発。
まず最初に訪れたのは鍋ヶ滝。
数年前に松嶋菜々子が出演したお茶のCMで有名になったらしいが、
確かに以前訪れた時にこのような有名な滝があるのなら訪れていない訳がない。
新緑や光芒の画像を見ているうちに、どうしても行ってみたかったので予定を変更して今回の旅のリストに入れてしまった。
しかもGW限定でライトアップするのであれば行かない理由が無い。



日田ICから小国に向かって国道を南下。
ダム沿いや温泉、山道など新緑に囲まれた気持ちの良い道を走り抜けると小国に入り、
小国町内は何度か訪れたり通過ポイントだったりするので、久々に見る光景が懐かしい。
国道387号を走っているうちに滝の案内板があり、迷うことなく9時頃に到着したが、
至る所に臨時駐車場があることに不思議に感じたが、その答えは夜にわかることになる。
駐車場、歩道ともに綺麗に整備されており、階段を降りるとすぐ滝に到着した。
高さは少ないが横幅が広く、大量に流れる姿が迫力あり美しい。
周りの新緑、渓谷、正面から狙うかサイドから狙うか、何パターンもの構図が浮かび構図選びだけで面白い。
そしていざセッティングしてシャッターを切ろうと思ったが、
裏見の滝だけに滝見客が途切れることなく裏で記念撮影。
おまけにライトアップする日はライトや配線など自然に相応しくない物が入り込み、写欲を失わせた。
せっかくなので1カットくらい撮ろうかと思い1時間粘ったが、結局シャッターを1回も押すことは無かった。


はん田滝〜熊本県小国町

鍋ヶ滝のすぐ近くに城村滝があり寄ってみた。
小さい案内板があり、落口は見ることが出来るが、滝壺に続く道は険しく過酷らしいので断念。
落差がありそうな滝だっただけに残念だった。
国道212号線を北へ1km弱行って左折、わかりやすく言うとナフコの裏がはん田地区のようで、
小さな滝の案内板があるらしいが、それに気付かず狭い道をウロウロしてしまった。
見慣れぬ他県ナンバーの車がウロウロしてさぞかし怪しまれたに違いないが、
地元の人を捕まえて、何とか滝のルートを教えてもらった。


ホースボックスの横に案内板有り、ただし滝道は山沿いの道。

決して良い道ではないが、悪い道でもなく無事に滝の姿を見ることが出来たのは11時頃だっただろうか。
目の前にはん田滝が見える一方、その右手に片田地区から流れ落ちる落差約30mの滝が落ち、そしてさらに右手にもう一つの滝が落ちている。
水量が多く迫力のある滝を目の前にさらに2本の滝があるなんて、
今までいろんな滝を見てきたが、日本の自然にしては珍しい光景に出会えた。
これだけ水量が多ければ、スローシャッターで流すよりも、ハイスピードで止めた方が迫力がありそうだが、
フィルム撮影では、それが思うように出来ないのが残念だったが、
トップ光で露出を開ければ1/350まで上げることが出来るので、ある程度止めることが出来たのではないかと思う。
先ほどの鍋ヶ滝では多くの滝見客でうんざりしたが、
ここの滝は誰もいないまさに独り占め。
久しぶりの滝撮影だったが、やっぱり自然が作り出す芸術は素晴らしい。



その後、小国町にあるもう一つの滝、下城滝に寄ってみたが、
滝壺に続く遊歩道が未だ通行止めになっていた。
知名度はあるようでそれなりに滝見客が訪れていたようだ。
予想外に時間を持て余してしまったので、
足を延ばして原尻の滝へ行ってみようと思った。
黒川温泉を抜けて、左右に広がる緑の絨毯のような瀬ノ本高原を走り、気持ちの良いドライブコースだと思ったら、
久住を目の前にして大渋滞。
3キロ進んでも解消されずどこまで続く渋滞なのかわからなかったので、くじゅう花公園まで行くことなく引き返した。
久々に瀬ノ本高原に訪れたが、GWだけに車もバイクも多く一本道なので渋滞する理由もわからないでもない。
車を止めて写真を撮ろうとした矢先に、どこからとなく雲がやってきて、あっという間に曇空へと変わっていった。
そういえば今日の予報は晴れ後曇だったっけ。




鍋ヶ滝ライトアップ〜熊本県小国町

小国町まで戻り遅い昼食を食べ、鍋ヶ滝に向かうが既に駐車場は満車のようで一番遠い小学校の臨時駐車場を案内された。
まさかここまで滝見客が訪れるとは、臨時駐車場の意味がようやく理解した。
16時の時点で三脚を立てらせて場所取りするまでも無いかと思ったが、
17時を過ぎてからカメラマンの姿を見かけるようになってからは目星を付けて場所取りを済ませておく。
花火大会と違い、うかつに三脚を蹴られたりすると川の中なので、なるべく邪魔にならないところに小さく立てらせて一緒に待機。
日中は暖かいと思っていたが、午後から曇りましてや渓谷の中なので体感温度は低く寒い。
それでも時間が経つにつれて、カメラマンはもちろんのこと滝見客までライトアップを見ようと早くから場所を決めて待機していた。
滝の周りには一体どれほどの人がいるのだろうか・・・
まさにこれから滝の側でライブが行われるかのような雰囲気になっていた。



ライトが点灯したのは予定の18時より早い時間帯だったが、実際に撮影が出来る光景になるのは19時を過ぎてからで、
今まで生きてきた中で一番マイナスイオンを浴びた一日だったに違いない。
それにしても夜になれば誰もいなくなるのではないかと思っていたが、
滝のライトアップにこれほどまで人が訪れるとは想像もしていなかった。
GWと周辺に温泉が多いということもあり、夜になっても多くの滝見客が訪れているのかもしれない。
こんなに人が多く集まるのなら、夏も行われるのかと思ったが、夏は虫が集まるのでやらないらしい。
撮影を開始したのは19時30分頃。
デジカメで撮ると必要以上に光を拾うので、実際とは違う綺麗な光のカーテンとなっていた。
最近のスマホも機能が向上しているのか、多くの滝見客が撮影しては見た目とは違うその出来栄えに感動していた。
フィルムだとどういう風に写っているかはわからないが、
やはり人間というのは欲深いもので、どうしても見た目以上の結果を求めてしまい、
少し長めのスローシャッターで見た目以上の派手な仕上がりに期待してしまう。
しかし長いスローシャッターの理由は、他にもあり極力滝見客が写らないように敢えて長めにスローシャッターに設定していた。
下手をすれば裏見に写る心霊写真に成りかねない。


左サイド、正面、右サイド、裏見

何カ所かポイントを見つけて撮影するつもりだったが、
あまりの人の多さと遊歩道以外は照明が無く、自由に行き来するにはライトが無ければ危険だった。
一応ライトは持ってきていたが、三脚を担いでライトを持って悪路を歩くのは危険だった。
20時くらいには撮影を終えて切り上げるつもりだったが、
人が少なくなるタイミングを見計らって違う場所で撮影しようと粘っていたら、
気付けばライトアップの終了時間の21時が近づこうとしていた。
誰もいなくなることを確認したら照明を落とす仕組みになっているので、
終了まじかになると誰もいなくなる、その一瞬がシャッターチャンスだと思ったが、
係員にしてみれば早く客を撤収させたいので、一歩間違えれば口論になりそうだ。
そうならないように帰り道に近いところで最後のチャンスを狙ってシャッターを切った。
係員によると、今日の来場者は1000人は居たのではと言う。
ライトアップの初日と最終日は人も落ち着いているらしいが、その分、訪れるタイミングは難しい。
今日はここで車泊して翌朝の滝撮影をしたいと思ったが、
生憎の天気とライトアップ仕様の姿は撮影する気にならず撤収。
まだ見ぬ美しい姿に会うためにいつか必ず来よう。
そう思わせてくれる美しい滝だった。

※裏見の滝になるには、柔らかい地層の上に固い地層が積もり、
 長い年月をかけて下にある柔らかい地層が掘り出されていき、裏見の滝となるようですが、
 ここまで深いといつか崩れたりしないのでしょうかね・・・




写真館 二千年一夜