大興禅寺〜佐賀県基山町

紅葉撮影二日目は大興禅寺からスタートを切る。
現地に着いたのは9時30分頃。
開園時間の8時30分に着けば混雑を避けて撮影出来たかもしれないが、
日差しの当たり具合から早く着いても仕方ないと思って油断したのが大きな間違いで、
到着した時には駐車場にかなりの車が止まっており、
山門周辺は多くの観光客で賑わっていた。
開園時間は8時30分だが、山門から本堂までは24時間入れるので時間関係無しに撮影は出来るので、
それを考えれば早朝に来れば、混雑を避けての撮影が出来たかもしれない。
山門付近を諦めて、山の斜面に色付くカエデを撮影。
大興禅寺もツツジの時に来たことがあるが、
新緑の美しいカエデをぜひ秋に見たいと思っていたが、
秋の大興禅寺も春に劣らず美しい景色が広がっていた。
ツツジは山の斜面をメインに撮影していたので、混雑しても苦にならなかったが、
紅葉だとどうしても人が入ってしまうので撮影は難しく、
人が掃けるのを待ちながら撮影すると、どうしても時間が消費されてしまう。
お寺から駐車場を見渡すことが出来るが、
あの大駐車場が満車となり駐車場に続く道が大渋滞しているのだから驚きだった。
どれだけ待ってもお寺の入り口である山門周辺に人が途切れることは無く、
時間の関係上、山の斜面を中心に撮影して山門や本堂付近は断念した。







竈門神社〜福岡県太宰府市

かつて有料道路だった県道17号線を快適に走って大宰府を目指す。
11月とは思えない陽気で窓を開けて走ると風がとても気持ち良い。
この調子で大宰府も順調に紅葉撮影が出来るかと思ったが、
大宰府に近づくと大渋滞にはまり、今の時期、大宰府へは車で行ってはいけないことを思い知ることとなる。
3連休の中日ということもあり、受験必勝祈願や七五三、紅葉やその他の観光客で大勢の人たちが大宰府に押し寄せていた。
ようやく大宰府に着いても周辺の駐車場は殆ど満車で、とりあえず大宰府は後にして竈門神社まで足を延ばすことにした。
大宰府から1.5キロほど山道を走ると竈門神社があり紅葉の名所であるが、
縁結びの神社としても有名のようで、こちらも大宰府とセットになっているのか大勢の観光客でいっぱいだった。
12時40分、駐車場には辛うじて止めることが出来たが、既に体力消耗で撮影する気力が衰えていた。
それでも頑張って神社まで散策しながら撮影ポイントを探す。
紅葉の名所だけあってカエデは多く綺麗に色付いているが、
平凡過ぎて構図を決めるには難しい場所である。
神社まで行ってみたが、これと言ったポイントが見つけられず1カットのみ撮影して終了。
カエデ周辺に照明がセットされていたので夜になるとライトアップすることを初めて知った。
撮影予定に無いが、帰りに寄ってみようか検討。




光明禅寺〜福岡県太宰府市

大宰府には用事が無く、その近くにある光明禅寺の庭園が紅葉の名所になっており、
何年か前に訪れたことがある。
その時は既にピークを過ぎていたので、今回はかなり期待して楽しみの1つにしていた。
竈門神社からは1コインで乗れるコミュニティバスが走っているが、
ちょうど出発したばかりで、次のバスを待っているといつ来るかわからないので片道1.5キロの道のりを歩いて向かう。
相変わらず大宰府周辺は混雑して、これだとバスも予定時刻通りに来ていたか微妙である。
せっかくの青空も移動時間で時間を過ごすには勿体無いが、今日はタイトなスケジュールを組んでないので、
運動がてらウォーキングするのも悪くない。
周辺が混雑している同様、大宰府内もかなり観光客で混雑しており、
13時50分にようやく光明禅寺に到着したが、こちらも結構混雑していた。
お寺の外は日が当たっていたのに、庭園内は裏山で太陽が隠れて全体的に日差しが当たっておらず、
タイミングとしては午前中が良かったかもしれない。



既に見頃もピークを迎えて落葉気味で陰ってしまった庭園だと前回撮影した写真と代わり映えせず、
おまけに三脚が使えないのでシャッタースピードが出ない中での手持ち撮影は苦労した。
頑張って時間を掛けて来た割にはシャッターを切る回数が少なく、これと言った成果も無く光明禅寺を後にした。
帰りは上り坂なのでバスで竈門神社まで戻ることにしたが、
時間通りに来たバスは満員で通過され、その後の臨時バスで辛うじて乗ることが出来たが、
バスの待ち時間を考えると歩いて戻った方が早かった。


秋月城址〜福岡県甘木市

このまま竈門神社で暗くなるのを待とうかと思ったが、
次の撮影地まで遠くないので秋月城址へ向かうことにした。
大宰府を離れれば混雑も解消され順調に県道を走って朝倉市に入ったものの、
秋月城址が近づくと渋滞が始まった。
観光帰りの自然渋滞だと思うが、秋月城址周辺でも混雑していたのには想定外だった。
15時50分、遠く離れた臨時駐車場を除けば城下町周辺の小さな駐車場はどこも満車状態の中、何とか止めることが出来た。
穴場的紅葉スポットだと思っていたが、
実は秋月城址は紅葉名所である前に、かなり人気のある観光名所で城下町にはたくさんの店が並び、
それに伴い大勢の観光客が散策していた。
青空が広がっていた空もいつしか薄い雲が広がり太陽を隠して薄暗い夕暮れ時が迫る中、
紅葉の名所である城址を目指す。
城下町は人気だが紅葉スポットは空いているかも?と淡い期待は大きく裏切られ、
この時間帯ですら大勢の観光客が途切れることなく訪れていた。
日差しも無く、観光客は多い・・・完全にお手上げ状態。
山門とカエデ林が有名な名所だが、石垣と紅葉というどこの写真かわからない構図を1カットのみ撮って終了。
思えば今日一日、疲労ばかりであまりフィルムが消費されていないような気がする。
大宰府か秋月城址を朝一番に訪れば良かったと思っても、所詮は結果論である。




竈門神社〜福岡県太宰府市

夕暮れ時までに大興禅寺に行くつもりだったが、
今朝の混雑ぶりからしてまともに撮影が出来るとは思えず、
逆に遅い時間帯の方が撮影がしやすいかもしれない。
竈門神社でもろくな撮影が出来てないので、ライトアップくらいは良いものを撮りたい。
そんな思いから17時20分、再び竈門神社に舞い戻った。
駐車場に止まっている台数からして混雑は昼ほど多くないにしても、
大型バスが来るほど多くの観光客が紅葉のライトアップを楽しんでいた。
日中は気付かなかった構図も夜になると意外と閃くもので、
それは混雑が少し解消されて気分が乗って来たからなのかもしれないが、
竈門神社や鳥居を絡ませて撮影した。




大興禅寺〜佐賀県基山町

竈門神社での撮影に時間を費やしたせいで、
大興禅寺のライトダウンの時間が迫っていた。
それでも19時くらいには着くだろうと予想していたが、
駐車場を目前にまさかの大渋滞。
このままだと駐車場に止めた時点でライトアップ終了になるのでは?と思ったが、
これだけのお客をそのまま帰らせるつもりなのか、主催者側の良い判断に期待する。
駐車場に着いたのは19時50分。
お寺に行って恐る恐る終了時刻を聞いてみると、
観光客がいなくなるまでライトアップは延長するとのこと。
ここの住職は何と心の広いお方なのだろうと思ったが、
冷静に考えれば、拝観料と駐車場で800円の収入はお寺としても今の時期にしっかり稼げる重要な時期なのであり、
目の前に転がるお布施を逃すにはあまりにも勿体無い。
そんな大人の事情を考えつつも、山門付近は相変わらず混雑しているので、
今朝と同様、山の斜面から下るようにして撮影して回る。
昼は昼で日差しを透過する紅葉が美しかったが、
夜は夜でライトアップされて夜空に浮き上がる姿が美しい。
そして雰囲気を壊さない灯籠の道灯りもセンスがあって絵になる被写体だった。



21時に近づくと明らかに流入より流出が目立つようになり徐々に人も少なくなってきた。
あれだけ大渋滞していたのに、意外と1時間で掃けるものだと思った。
21時を回ると拝観料を払うエリアが先にライトを落とし、境内に残るのは遅くやって来た観光客と数名のカメラマン。
観光客も動き回ってくれればスムーズに撮影を終えるのだが、
最近はスマホで撮影、その後の確認などで立ち止まる時間が長い。
立ち止まられるとスローシャッターでも写ってしまうので、どうしても人待ちで撮影が長引いてしまう。
撮りたい構図がたくさんあるのに時間だけが過ぎていき、いつ消灯されるかヒヤヒヤしながらシャッターを切る。



思えば大興禅寺を知ったのは何年前だっただろうか。
JRのポスターを見て紅葉の美しさに感動して、基山町が佐賀県だと知り訪れる機会は無いと思っていた。
それが数年経っていろんな出会いや切っ掛けで、大興禅寺で紅葉の撮影が出来たのは不思議なことである。
それにしても大興禅寺を後にするのが惜しいくらい美しく静寂な世界。
今日はろくな成果が残せなかったが、最後の最後に良い収穫を得ることが出来た。
観光客がいなくなると最後の消灯のアナウンスが流れ、21時30分、完全に消灯した。





写真館 二千年一夜