廣福寺〜佐賀県武雄市

紅葉撮影3日目も見事に晴れのスタートを切ることが出来た。
思えば紅葉シーズンの11月は天気に恵まれることが少なく、ここ数年いつも残念な思いをしていたが、
3連休とも青空の広がる下で紅葉撮影が出来たのは奇跡に近い日々であり、
長野を蹴って佐賀に来た甲斐があった。





3日目最終日は、さすがに帰りの体力を考えて近場の武雄市内を重点に回るため、廣福寺からスタート。
9時00分、武雄温泉の観光駐車場に車を止める。
武雄には通過街として何度も来たことがあるが、温泉街に来たのは初めてで、
温泉街に竜宮城のような建物や旅館やホテルが並ぶ風景が広がっていることに新鮮に思えた。



駐車場から歩いて数分で廣福寺に到着。
いきなり綺麗に染まっているカエデが出迎えてくれて朝の日差しを気持ち良さそうに浴びていた。
朝一番の日差しを浴びる紅葉の色付きはとても綺麗である。
観光客が来ないうちに早々と撮影を済ませて境内へ向かうと参拝料が必要だと知り、
せっかくなので払おうかと思いきや三脚は疎か撮影も不可とのこと。
境内でなくても外から紅葉は撮れるので、中に入る必要は無いと思ったが、
チラっと中を覗いてみると、実に綺麗に手入れされている境内を見てしまい、
これは撮影出来なくても興味はあり参拝料を払って中へ入ることにした。
少しだけなら良いですよ、という住職の有り難いお言葉に甘えて、少しだけ撮影させてもらった。
当然三脚の使用は聞くまでも無く手持ち撮影で行う。



朝から予想外な展開となった廣福寺。
お寺の中に入ると、何とも厳かな気持ちになってしまうような雰囲気に包まれる。
奥には小さな庭園もあり紅葉が綺麗に色付いていた。
これほど見事な紅葉スポットであれば観光客が押し寄せるのでは?と思ったが、
ここのお寺は観光名所として紅葉が綺麗にしている訳でなく、
先祖代々続く住職の趣味なのか檀家さんに楽しんでもらうための紅葉なので、
一応、武雄市のHPに紅葉スポットとして紹介されているが、
特にに宣伝はしておらず、訪れる人は少ないらしい。
撮影は不可なので当然、ネットにも情報は少なく外からの景色が掲載されている程度だった。
「うちは禅宗ですから」と住職はおっしゃっていたが、
よく意味もわからず、「そうなんですね」と返答してしまったので家に帰って調べてみよう。


桜山〜佐賀県武雄市

廣福寺から桜山へ移動。
武雄温泉の裏にあるのが桜山なので移動時間は殆どかからない。
最初は大したことないと思い、軽く散策して後にしようとしていたが、
散策路があることを知り、歩いてみると綺麗に色付いたカエデが朝の日差しを浴びて輝いていた。
武雄温泉は、東の方角が開けているため、朝の日差しが当たり廣福寺もそうだったが、非常にカエデの色付きが美しい。
紅葉と一緒に撮れる建造物などが無いので、紅葉だけの絵になってしまうが、
それはそれで主役は一人だけの舞台に仕上げるのも面白いかもしれない。
晴れた日の透過する紅葉はいつ見ても心癒されて、朝の新鮮な空気が本当に気持ちよかった。
何だか武雄が好きになり、機会ればあれば武雄温泉に入って撮影抜きでゆっくりぶらり旅をしたいと思った。



撮影後、武雄温泉の団体客とすれ違うことがあった。
添乗員に、展望台の有無を聞かれたが、
展望台らしきものは無かったが、武雄高校を少しだけ俯瞰出来る場所があり、
そこがもしかしたら展望台だったのかもしれないが、
とりあえず、「あります」と答えてしまった。
何よりもこの先には展望台よりも素晴らしい紅葉が待っているのだから、ぜひとも団体客を案内して欲しい。




慧洲園
旧武雄鍋島家庭園(文化会館庭園)〜佐賀県武雄市


武雄市内には、もう二か所紅葉スポットがあり、
武雄温泉を後にして慧洲園へ向かった。
御船山へ向かうと、案内板があるので名前は随分前から知っていたが、
庭園だったとは知らなかった。
最初はどこにあるかわからなかったが、ホテルの隣に広い庭園があり、
何と入園料1500円と驚きの料金。
美術館とのセット料金なので割高なのかどうかはわからないが、
庭園だけ用事があるので、もう少し割安料金でお願いしたい。
どちらにしても、外から見る限りでは、午前中にカエデに日差しが当たっておらず色付きは遠くからみても良いとは言えない状態だったので、
今回は入園を見送った。



そして武雄高校の向かい側にある文化会館の隣に小さな庭園がある。
ここも慧洲園同様、午前中に日差しが当たらないせいか、色付きはイマイチ。
フィルムも残り僅かだったこともあり、ここも撮影は見送った。
これで3日間の紅葉撮影は終了。
ベースキャンプに戻って、町内にある温泉に入って疲れを癒した。


きたひろ秋の花火大会〜広島県豊平町

ベースキャンプを出発したのは14時。
このまま順調に行けば夕方に家に着くが、
豊平町に寄り道して花火撮影を行う。
この3連休、豊平では神楽マラソンと題して一日中神楽が行われており、
その最終日、閉演と共に1400発の花火が打ち上がる今回初のイベント。
きたひろ秋の花火大会と銘打って行われるのだから、
期待はしなくても、どのような花火を見せてくれるのか興味はあった。
予想していたよりも到着時間が遅くなり、現地に着いたのは20時頃。
道の駅に隣接された体育館で神楽が行われており、花火はグラウンドから打ち上がる。
時間が押し迫っていたため、現地調査する時間が無かったが、
花火の打ち上げ場所がすぐ把握出来たのは幸いだった。
しかし構図がなかなか決まらず、花火を見ようと思えばどこからでも見られるが、
撮るとなればこれと言った場所が見つからず、結果平凡な構図になってしまった。



20時30分、辺りの照明を落として花火が打ち上がる。
30分かけて1400発も上がれば、少しはシャッターチャンスがあるかと思ったが、
雨が降る間際で湿度が高かったのか、煙の掃けも悪く殆どが観覧のみで終わってしまった。
周りの人たちは、季節外れに花火が見れて充実していたようなので、
イベントとしては成功に終わったに違いない。
事前に問い合わせた返答が無かったので、
その返答次第では、豊平に寄らずそのまま帰宅していたかもしれないが、
やはり事前の調査は重要だと改めて思った。
せっかく気分良く紅葉撮影の旅も、最後はシックリ来ない花火撮影で3日間の旅は幕を閉じた。





写真館 二千年一夜