鏡野町紅葉巡り
奥津渓〜岡山県奥津町


先週、一足早く大山の紅葉が見頃を迎え、紅葉前線は南下して今週は県境が見頃を迎えている。
広島県北の芸北も気になるところだが、今回は岡山の県北である鏡野町周辺を巡る計画を立てた。





5時に家を出発。
高速道路を走り院庄で降りてから国道を北上、7時頃に最初の目的地である奥津町に到着した。
早朝から綺麗な青空が広がっていたが、予報では晴れ後曇なので午前中が勝負。
人によっては曇天の方が撮影しやすいという意見もあるが、
個人的には青空の下で見る紅葉が好きなので、
晴れと曇とでは気分もモチベーションも違ってくる。
奥津にある有名な渓谷地、奥津渓。
もう随分訪れてないがこの辺りでは有名な紅葉スポットで大勢の観光客が訪れる。
奥津渓の撮影ポイントは大きく分けて、
紅葉の美しい大釣橋付近、
遊歩道を歩きながら渓谷が楽しめる大釣温泉附近、
東洋一と言われる甌穴群の3ケ所といったところ。


※大釣橋付近↑
 奥津渓の顔である甌穴群



9時以降は交通規制が行われるので早めに来たのだが、
渓谷の朝は日差しが当たらず何とも寂しく寒い。
日差しが当たるまで構図を練りながら散策するが、
タイムリミットは9時までなのでのんびりする訳にもいかず、
とりあえず日差しが当たらなくても気になるポイントでシャッターを切る。
この時間帯は観光客もカメラマンもおらずストレス無く撮影は出来たが、
やはり日差しが当たらないのは寒しい。



9時が近づくと大釣橋付近の紅葉に日差しが射し込み、見頃を迎えた紅葉が美しく輝いていた。
日差しを透過する紅葉を見れただけでも来てよかったと思う。
そんな時、車は一切立ち入り禁止なので移動してください、と警備員が案内して回っていた。
一応、駐停車禁止の看板より外の路肩に止めていたが、
規制区間内から出て行くルールになっているらしい。
まさにこれから撮影が楽しくなるところで強制終了。
ちなみに奥津渓を南下したところに振興センターが駐車場になっており、
30分おきに周遊バスが出ている。
有料ではあるが1日乗り放題なので、
時間に余裕があれば紅葉と温泉、道の駅で地元の味を堪能して楽しむことが出来る。


※9時以降が見頃


恩原湖、恩原高原〜岡山県上斎原村

奥津から北上して上斎原に入り、氷紋祭りで見慣れた光景が目に入ってくるが、
今日は雪景色ではないので妙に新鮮である。
道沿いに紅葉らしさは無く本当に紅葉スポットなのだろうか?と思ったが、恩原高原に近づくと山々が赤く染まり、
やがて道沿いにも綺麗に色付いた紅葉が出迎えてくれる。
うっすら白いベールがかかる空だったが、まだ日差しが射しているので心地良い紅葉ドライブを楽しませてもらった。
9時30分、しばらくして恩原湖が横目に入るが、雨が降っていないせいか生憎の光景が少々残念。
このまま西に車を走らせれば辰巳峠の県境に差し掛かるが、
その手前で恩原湖の見晴らしの良い場所があり、山々が色付く背景にススキが風に靡いている光景が広がっていた。
朝か午後に来れば感動の光景が広がっていたかと思うと惜しいことをしたが、
それ以前に湖に水が無いのが本当に残念。
いつか機会があれば、早朝に訪れてみたい。




※恩原高原スキー場。今日は花火もレーザーも雪もありませんが、いつもの場所から記念撮影。


岩井滝〜岡山県上斎原村

恩原湖周辺を走っていると、岩井滝と赤和瀬渓谷の案内板が出ていたので、
予定はしていなかったがせっかくなので岩井滝へ行ってみることにした。
10時頃に岩井滝に到着。
かなり山奥まで入り込んだが、名の知れた滝だけにそこそこ訪れる人もいるようだ。
ここの滝は裏見で有名だが、遊歩道が歩きやすく整備されているので秘境度は低く、
人工的な光景に写真を撮る気も起らなかったが、
せっかく来たので裏見らしく裏から1カットのみ撮影して終了。




赤和瀬渓谷〜岡山県上斎原村

岩井滝から少し車を走らせて11時頃に赤和瀬渓谷に到着。
この頃から白いベールが濃くなり日差しはあるものの青空が見えなくなってきた。
現地に着くまでは遊歩道があるかと思ったが、
市道に平行して赤和瀬渓谷があり、まさに道路が遊歩道。
紅葉は楽しめるが木々で渓谷が見え隠れして撮影は不向き。
時間を掛ければ道路から渓谷に降りる場所があるのかもしれないが、
私が見つけた限りでは1カ所のみ。
それもさほど渓谷が楽しめる場所ではなかった。
渓谷自体もさほど迫力のある姿では無く物足りないものがあったが、
木々が無い開けたところで撮影して終了。


※遊歩道ではなく電力会社の施設より迫力の無い渓谷を撮影


※道路沿いより小規模な渓谷美を堪能


泉源渓谷〜岡山県奥津町

奥津まで南下して県道445号を西に一山超えれば羽出地区に入り、
県道116号を北上、県立森林公園の途中に泉源渓谷がある。
12時過ぎに到着。
泉源渓谷には唐音の滝と二軒屋の滝を目当てに、
決して落差は無いが紅葉を入れて秋らしい滝が撮れると期待してやってきた。
約3キロ続く渓谷に小規模な滝と淵などがあり、
時間を掛ければ撮影しながら散策するのも面白いが、時間が無いのと生憎の曇空なので、
二つの滝だけ訪れる。
何とか滝の近くまでと思ったが、残念ながら両方の滝は遠くから望むだけで近づいて撮影することは出来なかった。
せっかくなので渓谷らしい場所を見つけて撮影して終了。




天人淵、越畑ふるさと村〜岡山県鏡野町

再び奥津まで戻り、今度は東へ一山超えるが、道は狭くないもののカーブの多い峠越え。
県道75号に出ると越畑地区となり、そこから狭い山道を北上すると天人淵の案内板があった。
13時30分、車を止めて少し歩くと天人淵に到着。
深そうな淵に小さな滝が落ちている光景をどう撮ろうか悩むくらい難しい。
その奥に越畑の滝があるのだが、
行けないことも無いが一歩間違えると天人淵に落ちてしまいそうなので危険を察知して断念。
こんなマニアックな所に誰も来ないだろうと思っていたら老夫婦が見学にやってきた。
観光パンフレットに載っていたので尋ねたのかもしれないが、
アクセスがあまり良くないのであまりオススメは出来ない。



山道を下山して13時50分、
茅葺屋根と石畳、そして水車が特徴的な集落で、古くからたたら製鉄が行われてきた越畑ふるさと村に寄る。
茅葺屋根周辺は紅葉の穴場というだけあって美しく紅葉していたが、生憎の天気で感動は半減。
せっかくなので茅葺屋根の建物を絡めて撮影。
標高1200mの山々に囲まれた山里というだけあって陸の孤島と化しているが、
たたらで栄えた昔はどのくらい賑わっていたのだろうか。




中林の滝〜岡山県鏡野町

越畑から県道を南下して大町公会堂を右折してしばらく山道を上がると駐車場がある。
滝の駐車場というより登山客の駐車場なので、
このような場所でも登山者にとっては面白味があるのか数台車が止まっていた。
戻って来た登山者から、これからですか?と声を掛けられ、
登山するにはあまりの軽装備なので注意しようと思われたかもしれない(笑)
14時30分、400メートルの山道は短いようだが、ずっとアップの道なので睡眠不足で空腹状態でかなり疲れた。
しばらくして中林の滝に到着。
地元滝愛好家の間では有名らしいので期待していたのだが、
やはり時間帯と空、そして雨不足で水量が少なく期待以上の感動は無く、
紅葉も絡ませずらい被写体に撮影は四苦八苦。
秋の滝撮影はタイミングが難しい。



さらにその先にいくつか滝があるが、結構な難所が続くらしいのでここで断念。


白賀渓谷〜岡山県富町

一度国道179号線まで出てから再び北上。
奥津湖を過ぎたところで県道56号を左折。
山越えすると富町となり少し賑やかな町に出て来た。
案内板通りに山道を進み15時40分に到着。
この時間になると晴れてても多分日差しは当たらないのでタイムアウトだが、せっかく近くまで来ているので訪れてみた。
数日後に紅葉祭りが行われるらしいので、それなりに人が訪れる有名な紅葉スポットなのかもしれないが、
小規模な滝がいくつかあるだけで、ここもまた期待以上の感動は無かったが、
何か結果を残したいので遊歩道沿いから撮影。




奥津渓ライトアップ〜岡山県奥津町

このまま帰ろうかとも思ったが、奥津渓がライトアップされるので奥津へ戻る。
奥津渓に戻った頃には規制解除される17時になっていたので、邪魔にならないところに車を止める。
既にライトは点灯されており、本来ならあと30分は待機した方が良いが、
渓谷ならではの暗さで今にも撮影出来るような状態。
主に点灯しているのは大釣橋周辺の紅葉がメインで色付きが良いのでライトを当てると日中とは違う美しさがある。
ただ範囲が狭いので紅葉ライトアップを見慣れている者からすれば物足りないが、
この周辺でライトアップしている紅葉スポットは無いので貴重な観光地であり、
温泉ツアーのプランを絡ませるには良いと思う。



奥津渓の顔である甌穴群は残念ながらライトアップされておらず、
外灯すら無い真っ暗な世界になっていた。
ライトアップすれば良さそうだが、
昼間でも危険な渓谷地なので夜のライトアップはかなり危険と判断したに違いない。
初めて訪れた鏡野町周辺の紅葉スポットと久々に訪れた奥津渓。
いろんな発見があったが、紅葉の色付きや渓谷の迫力には物足りなさがあった。
晴れの国岡山というだけあって、それだけ穏やかな気象環境だったということなのだろうか。




写真館 二千年一夜