上関水軍まつり〜山口県上関町

台風がもたらした爪痕で関西方面の花火大会は軒並み延期、中止となる波乱な週末。
中国地方も一時はどうなることかと思ったが、
蓋を開けてみれば、広島県の直撃は間逃れ、秋風のような涼しい風を置き土産として去っていき、
今日は本当に7月半ばなのか!?と思うような綺麗な青空の広がる気持ちの良い一日になった






昼前に家を出たが、山陽道が通行止めになっており、三連休の初日ということもあり一般道も渋滞が激しく、
お蔭で少しだけ交通費の節約が出来たが、通常30分かかる道のりが1時間かかった。
今日、行われる因島、倉橋、岩国などの花火会場を後ろ髪惹かれる思いで通過し、玖珂ICで降りる。
初めて訪れる街、どんな景色、風景が待っているのか期待しながら柳井市からさらに南下。
海の景色が綺麗なドライブコースを走りながら16時頃に到着。
当初、展望台のある上盛山へ行こうと思っていたが、
山陽道の通行止のせいで時間がかかったので今回は断念。
天気が良いだけに悔やまれる。


※道の駅会場より台船を望む

去年、道の駅やその周辺が工事のため中止となった上関水軍まつりだったが、
工事も完成されてとても綺麗に整備されていた。
会場に近い駐車場が空いていたので、道の駅やその周辺を現地調査。
上関のシンボルである上関大橋と一緒に花火が撮れないかと調べてみたところ、
台船が室津地区に停船しているので、遠く離れた高台から無理矢理撮ろうと思えば撮れるらしいが、
夜景の一部として花火が埋まっている絵はあまり好きじゃない。
イベント会場である道の駅周辺からは台船が微妙に遠く、少し花火観覧には物足りないのではないかと思うが、
この微妙な距離は海上保安の問題なのかもしれない。
狭い会場だが、道の駅や物産ブースなどがあり時間を潰すにはちょうど良いが、
初めての現場なのでのんびりしている場合ではない。



室津の方まで歩いてみると、露店が出ておらず寂しい雰囲気だが、
そのお蔭で、イベント会場まで足を運ぶ人達も多くて静かに見れそうな気がした。
臨時駐車場にもなっているので、終わった後はスムーズに帰れそうな予感。
風向きは微妙だが、小さな漁港町の雰囲気もあって観覧、撮影共に悪くない。
台船との距離が近いのが気になるが、台船上に大きな筒も積んでないので撮影に支障は無く、第一候補として目を止めておく。
室津の小高い山から俯瞰出来る場所も雰囲気が良くて捨てがたいが、
電線が走っており、撮ろうと思えば草むらに入って撮れないことは無さそう。
今日は生憎、虫よけスプレーは持参していないので断念。
島を渡って見ることも考えたが、室津に近い場所に停船していたので、
対岸からだと距離が離れて花火を楽しむには難しい。



道の駅から室津まで散策した結果、
道の駅附近の県道は通行止めとなり、海岸線沿いも特に厳しい規制も無く、
花火を見ようと思えばどこからでも見えるのんびりした現場だった。
小さい街だが、海と空が綺麗で喉かな風景が広がっていたが、
この街もやはり過疎化が進んでいるようで、本来はとても静かな街なのかもしれない。
上関といえば原発問題でニュースを騒がしている街でもあるが、
美しい景色に原発は必要無いという意見もあれば、
原発を作ることによって街が活性化される意見もある。
この上関水軍まつりも実は原発関連の交付金事業で行われている。
どうすれば街が生き残れるのか、本当に難しい問題であり、今後の上関にとって大きな課題になるに違いない。
車を室津に移動して、しばし海を見ながら時間を過ごす。
沈む太陽を眺めながら夏とは思えない心地良い風が通り抜けた。


※展望台は電線が目の前に


※室津の臨時駐車場より


※室津の裏山より



20時00分、定刻通り花火が打ち上がる。
約2500発を1時間かけて打ち上げ。
単発、スターマイン、時々水中花火。
正直言うと、賑やかな演出も無いシンプルな演出に少し退屈するかと思ったが、
玉の種類も多く、割物の中に雷を入れて迫力がある演出に見応えがあり、
ラストは水中花火とスターマインで迫力且つ華やかで、気が付けばあっという間の1時間。
水中花火が道の駅付近で開花したので、少し物足りなさがあったのと、
最大3号と予想していたが、28mmでも入らないほど頭上で開花したので4号も上がっていたのだとしたら、
もう少し距離が欲しかった。
そんな感じでいろいろと課題の残る撮影となってしまった。



山口県内の花火大会は、たとえ小さくても九州から唐津煙火や生島煙火など名工と呼ばれる花火業者がやってくる。
以前から唐津煙火が担当する現場と知っていたので前々から行ってみたいと思っていた。
小さな現場なので過度な期待はしていなかったが、
終わってみれば観覧、撮影共に楽しい時間を過ごさせてもらい、
来てよかったという気持ちと、また来たいという気持ちが沸いてきた。
もう少し足を延ばして広島まで来てくれれば良いのだが(笑)
花火大会終了後、まったく渋滞することなく上関を脱出。
今回は花火撮影のために訪れたが、
時期によっては水仙、河津桜、夕日など面白そうな被写体がたくさんありそうなので、
またいつか上関へ訪れたい。






写真館 二千年一夜