クレセントビーチ夏祭り〜広島県内海町

この日は久々に庄原へ行く予定だったが、
数日前に内海町の海水浴場、クレセントビーチで花火が上がることを知った。
クレセントビーチの花火といえば、福山市と内海町が合併した2003年の夏に合併記念花火大会が行われたが、
自分の知る限りでは12年振りの花火大会となる。
今回は海水浴場としての利用が終了するこの週末に、お祭りをしようと漁業組合が主催者となって、
いろんなイベントが行われ、最終日のフィナーレに2000発と豪華に花火が打ち上げられる。







家から会場まで遠くないので17時頃に出発。
日中は日差しがきつかったが、夕方になると車の窓を開けて走っても苦にならない暑さ。
内海大橋を渡ると、たった30分走っただけなのにどこか秘島に来たかのような独特の雰囲気が味わえるのが内海町。
風が無いせいか波も無く、海というより湖畔を走っているようだ。
そんな景色を楽しみながらクレセントビーチに到着。
18時前くらいに着いたが、駐車場は意外と空いていた。
さすがに日曜日の夕方遅くまで海水浴をしている人はいないだろうし、
毎年恒例のイベントという訳でも無ければ、
花火が上がると言っても、果たしてどこまで知れ渡っているかどうか。
駐車場が空いているので当然、場内も空いており夏の終わりを感じさせる寂しい雰囲気が漂っていた。
17時以降の遊泳は禁止されていたので、人気の無い波打ち際を歩きながら散策。
12年前は目の前にある矢の島から打ち上がったので、
今回も当然、ここから打ち上がるのだと思い、それでイメージしていたのだが花火の筒が見当たらない。
2000発の花火をこれからセットするはずも無いし、果たしてどこから打ち上げるのだろう?と歩いていると、
矢の島の後にまさかの台船が鎮座していた。
てっきり小規模な内容であまり期待していなかったが、
まさかの海上花火でしかも台船には6号玉クラスの筒までセットされており、
これはもしかして予想外な展開になるのでは?とちょっと楽しみになってきた。
それにしてもこの台船の位置だと、阿伏兎の花火大会と変わらないような気がするのだが、
もしかして今日が阿伏兎の花火?と勘違いする人もいるかもしれない。
しかし、この位置だとビーチの半分より西側は台船が見えず、
それを知ってか知らずか西側で場所取りしている人もみかけた。
矢の島上空に花火は見えるだろうけど、どうせなら東側で見た方が楽しめると思うのだが、
それをアドバイスする人もいなければ、気の利いたアナウンスが流れることも無い。
ヨットハーバーのある西側に台船をセットした方が良かったのでは?と思うが、
万が一、ヨットに灰が降ってきたら後々厄介な話になりそう。



会場を一通り散策した後、風向きがイマイチだったので場外も視野に入れて調査してみた。
意外に場外の方がカメラマンの姿を見かけ、距離は近いような気がするが迫力のある花火が楽しめそうだった。
今日は生憎、広角レンズを持参していないので少し距離があっても確実に撮影出来る場内での撮影に決めた。
19時になるとさすがに駐車場は結構埋まっており、地元の人は広報やポスターで知れ渡っていたのかもしれない。
それなりに人は集まっているが、混雑というような混雑は最後まで無かった。
砂浜に三脚を刺し、響組による太鼓の演奏を見ながら定刻が近づくに合わせて機材をセッティング。
20時になり挨拶が終わると花火が打ち上がる。
3部構成で1部の中に早打ちとスターマインが何セットか組まれている内容で、
オープニングはシンプルに早打ちから始まった。
ポスターにも記載されていたが、担当するのは佐賀火工。
花火文化の無いこのような小さなイベントに花火業者を記載するのは本当に珍しい。
佐賀火工の花火は今年初めてなので久しぶりに阿波花火を楽しませてもらう。
花火を見ていて少し距離が離れていると思ったが、後で地図で見ると600mは離れている場所から撮影していた。
見るには物足りない距離だが、時折上がる6号玉(推定)は見応えがあった。
気になる風向きは打上前まで無風に近く、海水面に対岸の外灯が映って綺麗だったが、
打ち上がってしばらくすると、ビックリするくらいどこからとなく風が吹き出し、煙を遠くまで運んでくれた。
これが風上だったら良かったが、生憎の風下だったので灰と火薬の匂いの洗礼を受けることとなった。
しかし不思議なもので風下でも煙で花火が見えないことは無く、
星も流されず冠菊は均等に垂れ下がり撮影はしやすかった。
12年前のことを考えると、あまり期待していなかったが、
佐賀火工の新作かどうかわからないが、見たことの無い花火が上がったり、
スターマインの打ち上げ方も工夫がされて撮影、観覧共に楽しませてもらった。
最後は冠菊の連打で幕を閉じ、クレセントビーチの夏は終わった。



思いのほか綺麗な花火が見れたことに満足したが、
それよりも混雑の無いのんびりした雰囲気で何のストレスも無く花火が見れるのは嬉しい。
機会があれば来年も来たいところだが、
来年も開催されるのか、はたまた10年以上先になるかどうかはわからない。
帰りも特に渋滞することなく帰宅。
翌日の本業のことを考えると体に優しいイベントであった。





写真館 二千年一夜