山王寺の棚田〜島根県大東町

山王寺の棚田には春から夏にかけて行ったことはあるが、
9月はまだ行ったことが無くて、いつか行こうと思いつつ
やまなみ街道が全線開通したら山王寺の棚田を撮りに行こうと決めていた。
9月第一週はまだ早いと思ったが、早朝の晴れと低気温の予報、
そして三次のライブカメラを見ると霧が発生しつつあったので、この日に決めた。





日付が変わって9月5日。
0時30分に家を出発。
貸し切り状態のやまなみ街道を走っていくと早くも御調で霧の洗礼に合い、その後、世羅を抜けると殆どが霧の中での走行となる。
この時期、この時間帯に初めてやまなみ街道を走り、霧が発生するのは予想通りだが、あまりの霧の濃さに正直、恐怖を感じる。
電光掲示板や速度規制など注意案内がまったく無いのが不思議で仕方ない。
途中、三次で深夜の雲海撮影も考えたが体力温存のため通過して吉田の道の駅で仮眠。
あまり熟睡出来なかったが4時に山王寺に向けて出発。
心配していた天気だったが、上空は満天の星空に朝一番の天気は期待出来そうだった。
大東町に入ると霧に包まれており、雲海も期待出来ると気分上昇、眠気もどこへやら。
空が少しずつ明るくなる5時頃に現地到着。
人気のある棚田だが、この時期はさすがに誰もいないと思ったが、
まさか先客のカメラマンが数名いたのには驚いた。
東の空は既に赤く染まっており早々とカメラマンは撮影していた。



何度も訪れている棚田なので撮影するポイントも毎回決まっているが、
それでは面白くないので違う場所で撮ろうといつも散策するが、
やっぱりいつものポイントに戻ってしまうのは、この場所がそれだけ山王寺らしい魅力のある構図なのである。
珍しく大山は綺麗に見えているが、肝心の空が面白くない。
重そうな厚い雲が居座っており、この雲さえいなければ秋らしい空になっていたかもしれないのに非常に残念。
早くもイメージしていた構図からかけ離れてしまった。
おまけに期待していた雲海は山王寺周辺は発生しているが、太陽が昇る方角まで雲海は流れていない。
そして稲刈りも殆ど手を付けておらず、はぜ掛けの木組みだけの状態。
やはり1週間早かったか。



6時前に太陽が山から顔を覗かし、徐々に棚田に日差しが当たったところで撮影開始。
気温が16度と予想通り寒いので長袖を持ってきて正解だった。
まだ早いのにどこからとなく草刈機のエンジン音が聞こえ、田舎の朝は本当に早い。
構図的に逆光になるのは避けられないので普通に撮るとゴーストが発生するが、
限定1人だけ日差しが当たらないところで撮影出来るポイントがある。
他のカメラマンはそれに気付かないのか、敢えて日差しを浴びながら撮影しているのかはわからないが、
個人的にはこの場所が山王寺で一番好きな棚田の光景を独占させてもらった。
想像以上の感動は無かったが、今回の撮影でタイミングは掴めたので今後の参考に活かせたらと思う。
天気が良ければ来週またチャレンジしたいところだが、
片道150キロの道のりは予算的に厳しいかも。
※参考までに尾道から島根の県境まで100キロ、宮島SAの距離と同じ



道中、コンビニで買った朝食を食べて家に帰るが、
せっかくなので羽須美にある神谷の棚田に寄ってみた。
しかし10時頃には少し日差しがあるものの雲に覆われた空になって絵にならない。
一部、稲刈りを終えてはぜ掛けしていたが、全体の90%はこれからといったところで、
タイミングは山王寺と同じかもしれない。
今回はシャッターを押すことはなかったが、これもまた参考になったので今後の撮影に活かしたい。






写真館 二千年一夜