千鳥別尺の山桜〜広島県東城町

桜シーズン最後の週末。
千鳥別尺の山桜の満開と晴れの予報が重なり合ったので、
気合を入れて早朝撮影に挑むことにした。
そういえば過去のデーターを見ても、
何度か撮影している被写体だが、早朝撮影は未経験だったので、
朝はどんな姿を見せてくれるのか楽しみである。





仕事を終えて身支度を整えて金曜日の24時に家を出発。
やまなみ海道を走って世羅、上下経由で東城へ向かう。
2時間はかかると思って途中で仮眠も考えていたが、
信号も車も無い快適な山道のお蔭で1時間30分で現地に着いてしまった。
翌日が土曜日ということもあってか、既に駐車場には10台弱の車が止まっている。
最近流行り?の星の撮影をしているのかもしれないが、
私は仕事と運転の疲労もあり夜が明けるまで仮眠をとる。
ところが、あまりの寒さに狙寝ず常備している毛布に包んで寒さを凌いだ。
千鳥別尺地区は標高400mあるのだから、天気の良い夜中が寒いのも当たり前で完全に油断していた。
あまり睡眠もとれず4時頃に外を見ると山の輪郭が見えて来た。


※逆光なので主役の桜は目立たない

夜も長くなったが朝もすっかり早くなった。
足元が見えるくらい明るくなると外に出て現地調査。
と言っても何度も訪れている場所なので構図を練る程度。
田んぼに水が張られているので、水鏡の構図を考えていたが、
逆光と順光の二か所から狙うことが出来る。
木曜日に満開が発表されたが、山桜の特徴である茶色の葉っぱが目立ち桜独特の美しさを感じることが出来なかった。
これなら順光よりも逆光で狙った方が良い絵になるかもしれない。


※斜光、逆光、順光

霧が発生すれば、それはそれで面白い絵になるかもと思ったが、
近くに川が無いせいか霧は発生せず、少しだけ朝もやが出る程度。
それでも朝ならではの面白い絵になりそうだったが、主役である桜が目立たず撮影は見送った。
5時30分、空が少しずつ赤く染まりだし、ここでNDフィルターを使ってシャッターを切る。
背後に太陽が昇るため、主役の桜は目立たずさほど面白いとは言えない絵だが、
とりあえず早朝らしい絵を一枚押さえておく。
他の人はどんな写真を撮っているのかわからないが、
水鏡を撮っているのに、それを阻止するような場所で堂々と撮影している人がいたのは残念だった。

太陽が昇り適当に逆光撮影を終えて、周辺をウロウロしているうちにすっかり太陽が昇り、
これなら無理に早朝に来る必要も無かった。
やっぱり撮影タイムは午後から夕方の方がベストかと思ったが、
時間が経つにつれて、太陽の位置が変わると共に桜の姿も徐々に変わっていき、
朝ならではの撮影を楽しむことが出来た。
今日は土曜日なので混雑を予想していたが、
場所が場所だけに朝から花見客も来なければ思ったほど混雑は無く、むしろ空いていたので、
水鏡になるところにカメラマンが居なければ、それなりに楽しい撮影だった。
夜になるとライトアップされるので、
どちらかというと朝より午後からが混雑のピークが始まるようだ。
今シーズンはどこも花付が悪いと言われていたが、
樹齢400年の山桜は今年も見事に花を付けていて、今年も美しい姿を見えてくれた。


※早朝は気付かなかったが、太陽が昇ると立体感が生まれて美しい姿に

撮影は7時過ぎに終了。
もしかしたら今が朝一番のベストショットタイムのような気がする。
早朝カメラマンは既にいなくなり、花見客もまだ来ていないので、
今が一番撮影しやすいかもしれない。
朝早く起きるのが辛いと思って前日入りしたが、
これなら5時に家を出れば良いタイミングで現地入り出来そうで、
これは次回のための記録として残しておこう。




写真館 二千年一夜