三原やっさ花火フェスタ〜広島県三原市

毎年恒例、三原市やっさ祭りの最後を飾る花火大会。
去年は台風の影響で10月開催だったが、
今年は無事に例年通りの8月開催となった。
しかしその日の夕方は尾三地区に大雨警報が発令されており、
備後地区や広島空港辺りは大雨が降っていた。






会場に着いたのは15時40分頃。
暑い炎天下なのに早くから16時開門に合わせて待機している観覧客がいた。
お目当ての場所は残念ながら今年から立ち入り禁止となっており会場内での撮影を断念。
道の駅からは遠いので自分の趣味に合わず最初から狙うつもりは無いが、
待ち時間を駅内で瀬戸内海を見て過ごせるのは魅力である。
実は以前から会場以外で撮れないものかとネット調査していた。
最近は現地に行かなくてもグーグルで現地調査出来るので、
実際に初めて行く道でもどこか見覚えがある、まさに既視感のような体験が出来る。


※誰もいない給食センター付近。穴場です。

会場を出て西方面の海岸に向かう。
何年か前に出来た給食センター付近から花火を狙うことが出来るが、若干距離がある。
それでも2尺を狙うにはちょうど良い。
この一帯の一部を公園として整備されており、今回初めて足を運んだが、
想像以上に綺麗で広々していたことに驚いた。
これなら花火観覧客もさぞかし多かろうと思いがちだが、
残念ながらこの一帯は車両進入禁止となっており、広い公園内に人の気配すら感じられない。
近くに車が止められないので糸崎駅から歩いてくる物好きがいるかもしれないが、
わざわざここまで歩くくらいなら会場へ向かうだろう。
多分、地元のみ知る人ぞ知る穴場スポットと化しており、
有料席、協賛席など利用価値はありそうなだけに実に勿体無い。

撮影場所に選んだのは、会場と給食センターの間にある小さな地区の海岸沿い。
数えきれないほど糸崎を通過しているが、
このような古い建物が並ぶ地区があったとは全然知らず、
糸崎の裏の顔を見たような気がしてとても新鮮だった。
糸崎の歴史を紐解けば面白い発見がありそうな予感がする。
海岸沿いは古い建物とは逆に防潮堤が出来て綺麗に整備され雰囲気的に良い。
水産加工場や小さな漁港があるので、撮影するには限られたスペースしかないが、
観覧するには十分過ぎるスペースがあった。
殆どの人は知ってか知らずか会場へ足を運ぶので、
この地区で観覧するのは地区内の人か迷い込んだ観覧客くらい。
既に定位置に停泊している台船との距離も近からず遠からず、
去年は会場から2尺は近すぎたのが反省点だっただけにこの場所はちょうど良かった。


※古い建物が並ぶ糸崎の町並み。

夕方になるとあれだけ暑かった猛暑が嘘かのように涼しくなり風が心地よい。
ちょっと会場の雰囲気を味わうべく会場まで足を運んだ。
ステージでは何やら盛り上がっている光景を横目に会場を散策。
さほど混雑している様子ではないが、会場へ向かう人波を見るとこれからがピークだと感じた。
コンビニで軽く小腹を満たし駐車場まで機材を取りに戻る。
駐車場はとっくに満車になっており、学校のグラウンドだが案外狭いので駐車出来る台数はかなり限られている。
15時から開門なので1時間以内に止めた方が良さそう。
遠く雷の音も聞こえ、いつ三原にも大雨がやってくるのかヒヤヒヤさせられたが、
時間が経つにつれて雲も無くなり青空が見えて、夕方になると綺麗な夕焼け空へと変わっていった。

穴場だと思った会場東側の海岸沿いにも多くの人達が集まって来た。
会話を聞くからに殆どの人が近くに住んでいる地元の人達。
若い人は会場まで行くらしいが、混雑の嫌いなお年寄りはここが定番。
かつて三菱のグラウンドで上げていた頃でも結構遠いが花火は見えていたが、
去年から糸崎に変更されて距離も近くなり特等席だと喜んでいた。


※普段は入ることの出来ない糸崎港埠頭と糸崎のシンボル?セメント工場

20時になっても花火が上がらず、
会場アナウンスが耳をすませば聞こえるはずだが、周囲の会話でかき消され聞こえない。
挨拶でもしていたのかわからないが、少し回ったところで花火が打ち上がる。
大きく三章の分かれているが、二章目に三原の四季と題して4景に分かれており、
約5000発を40分かけて打ち上げる。
去年は会場から撮影したが、2尺玉がかなり大きく感じられたので、
今年は少し離れた所から狙おうと東の方へ移動したが、
4号玉クラスでも迫力を感じないので、見た目は近いようでもかなり離れている。
台船は2隻あるが、そのうちの1隻は2尺玉専用なのでもう一つの台船に2尺玉以外を載せている。
ということは尺玉の保安距離を確保しなけれならないので、当然4号玉では必要以上に離れているため迫力は感じられない。
2尺玉用の台船に尺玉を載せれば、もう少し海岸に近づくことが出来て迫力のある花火が楽しめると思うのだが。



夜になって風が無くなったが、上空は微妙に吹いているのか煙は東の方へ、さらに高い上空は西の方へと流れて、
運よく北側に煙は流れず綺麗に花火を見ることが出来た。
中盤になって辛うじて聞こえたカウントダウンで2尺玉が打ち上がり、
風も無い分、星も流されず予想通りの冠菊の2尺玉も左右均等に流れて撮影はしやすかった。
フィナーレは水中花火と大玉の共演。
これは去年無かった演出で、水中花火も尺玉を使用するので会場で見れば迫力があったかもしれない。
そして最後は再び2尺玉の登場。
2発とも綺麗な冠菊だったが、三原で2尺玉が一夜にして2発も見れようとは何とも贅沢な夜である。
遠く離れたところから撮っても写真の仕上がりに酔えるかもしれないが、
やはり花火は体感してこそ撮影した写真と共に記憶に残るもの。
糸崎の裏の顔も見れて今日は本当に良い思い出となった。

会場ではないところから撮影していたので混雑に巻き込まれること無く駐車場まで戻ることが出来たので、
渋滞に巻き込まれること無くスムーズに2号線に合流。
バイパス附近まで渋滞はしていたが、いつもの平日に比べると大したことは無く1時間足らずで戻ることが出来た。
日曜日は翌日の仕事に備えて極力、近場の花火大会を選んでいるが、
開催が日曜日でしかも家から近くて混雑しない花火大会なんてあるのだろうか・・・まさに三原やっさ花火がそうだった。



写真館 二千年一夜