田尻の杏とダルマ朝日〜広島県福山市

3月中旬になると街にも桜らしき花がちらほら咲きだし、
備後地方では桜に先駆けて杏の花が見頃を迎えている。
春分の日が近づくと田尻のダルマ朝日も気になるところだが、
一緒に撮ろうという都合の良い考えは持っておらず、
いつか朝日を浴びる杏と瀬戸内海を撮りたいと思っていた。
そのついでに運が良ければダルマ朝日が撮れたらいいかなと安易な気持ちで一応それなりの機材も用意して出かけた。
現地に着いたのは6時前で既に辺りは明るくなっていた。
仕事の疲れで遅い到着にちょっと心配したが、既に海岸沿いに30人ばかしのカメラマンはいるものの、
杏畑にはカメラマンの姿は見かけず、地元の人が散歩しているくらい。





出掛ける前の上空は澄み切って綺麗な星空が広がっており、
PM2.5はやや多い予報だが黄砂は飛んでおらず条件は良いと思っていた。
しかし現地に着いて西の空を見て、ダルマ朝日は無理だなと機材をセットするまでも無く諦めた。
杏と瀬戸内海が狙える場所は試験場の後方がベストなので、
太陽が昇るまでしばしそこで待機。
数日前のラジオで5部咲と言っていたが、
この数日、天気が悪くあまり開花していないだろうと心配していた。
全体的にはまだ見頃は早いが、幸い試験場は見頃を迎えていたので撮影に支障は無かった。


※高島の横から上がる予定

予定時刻より遅い時間に太陽が顔を出して、すぐ雲に隠れた。
その後、雲の隙間から出たり隠れたり・・・今日の太陽は恥ずかしがり屋である。
太陽が出なければ杏に日差しも当たらず、しばらく寂しい時間が流れる。
思いのほか雲が多くて光芒が広がり劇的な朝を期待したが、残念ながら想像以上に期待出来る朝にならなかった。
ようやく雲から再び顔を覗かして、眩しい姿を見せてくれたところで杏の撮影。
思い描いた空にはならなかったが、朝日を浴びる杏が美しくて優しい色が春らしさを感じさせてくれた。
久しぶりの撮影となったが、やっぱり春の撮影は良いものであり、
1年ぶりの桜撮影が楽しみになってきた。
30分ほど撮影して終了。
撮影中、何人かカメラマンがやってきたが、ダルマ撮影組がそのまま杏へ行くことは無いみたいで、
お蔭でのんびり撮影することが出来た。
今日は杏祭りで狭い道に露店の準備をしている地元の人達がいた。
あと数時間もすれば多くの人達で賑わうに違いない。
今日は天気が良さそうなので杏も一気に満開になるだろう。


※背景に仙酔島



写真館 二千年一夜