4月第一土曜日は1年で最も忙しい時期で、
当然、土曜日に休みを取って呑気に写真を撮りに行くことなんて夢のまた夢。
そんな中、出雲方面に出張が舞い込み、
まさにこれは神様の思し召しだと思い、何とか時間をやり繰りして朝と夜に撮影することにした。





段部のしだれ桜〜島根県加茂町

家を出たのは少し明るくなり始めた6時頃。
朝から晴れの予報だったが、家を出ると星が出ていない生憎の曇り空でこれでは朝一番の日差しは期待出来そうにない。
撮影の後は仕事ということもあり、さほど気分が乗らないまま2時間かけて出雲方面へ向かうが、
広島と島根の県堺である大万木山トンネルを抜けると、
それまで曇り空だったのが、空を突き抜けるような青空が広がっており、
まさに長いトンネルを抜けるとそこは晴れた景色だった。
こんなに晴れているのなら、もう少し早起きして木次の桜並木に行けば良かった。
三刀屋木次ICで降りて出雲方面に向かって周辺の地図を頼りに走っていると小さな案内板があり、
8時頃に最初の目的地に到着した。



青空の下、朝の日差しを浴びる桜を見るのは本当に心癒される瞬間であり、
この後の仕事を忘れさせられるように時間が止まってほしいとさえ思った。
思った以上に美しく、まさに今が見頃の段部のしだれ桜。
穴場的スポットなのか先客のカメラマンが1人だけ。
その後、観光客らしき人が1人、また1人という感じで混雑するような状況は無く、
のんびりゆっくり撮影することが出来た。
ただ1つだけ残念だったのは、
周辺に家屋があるので、電線、電柱、駐車している車など、
生活環境ありふれた人工物がどうしても写ってしまう。
敢えてそれを入れるのも有りなのか、
変に切り取って不自然な姿になるのも嫌だし、
何とかしてこの美しい姿を全体で収めたい。
そんな葛藤の中、シャッターを切っていく。



1時間ほど撮影して現実の世界へ戻り、
本業である職場へ向かった。


木次さくらまつり〜島根県木次町

本業である仕事を17時30分で切り上げ、会場に着いたのは18時。
夏の花火大会に比べると出足は早いと思い駐車場を心配したが、
お目当ての河川敷の駐車場はまだ余裕があった。
今回は夏と違って桜を主役に花火を撮影したいと思っているので、
夏と違う構図で撮影すべく、時間が許す限り現地調査を行う。
ライトアップされる桜並木と花火を何とかして撮れないものかと、
小高い山にある木次公園へ上がってみたり、
桜並木を歩いてみたり、商業施設の屋上へ上がってみたり、桜並木を歩いてみたり、
いろいろ散策してみたが、これという場所が無く、
ライトアップされた木次大橋を背景に狙うかと思ったら、
橋上での観覧、撮影は禁止と注意されてしまう。
結局、タイムアップ。
元の場所に戻り夏と同じ場所で撮影することになった。



打ち上げ時刻の20時が迫ると、駐車場も満車なのか道路は渋滞が発生して車は動いていない。
やはり夏より春の方が混雑が激しい。
20時00分、花火が打ち上がる。
辛うじて背景にライトアップされた桜が見えるが、
写真だとあまり目立ちそうにない。
花火は単発、スターマインで1セット。
これを30分続くと予想していたのだが、まさか10分で終了。
最後は3ヵ所から派手に打ち上がったが、あまりの短さに唖然としてしまった。
今回初めて来て思ったのは、
桜まつりはあくまで主役が桜であって、花火は脇役なので予算はどうしても桜関係に費やされているのだとすれば、
花火が短いのは仕方ないのかもしれない。
それなら無難な場所ではなく、敢えて挑戦的な場所から狙えば良かったと悔いが残る撮影となった。


※木次公園より、車で上がるこは出来ないが徒歩で上がることは出来る。木次大橋方面で花火が上がれば絵になるのだが。

帰りは特に渋滞することもなくスムーズに帰宅。
次回、春に訪れることが出来るかどうかわからないが、
桜と花火が撮れる貴重な現場なので例え短時間でももう一度挑戦したい。


左:いつもの土手上より。右:橋上は絵になるが観覧禁止。



写真館 二千年一夜