松江水郷祭〜島根県松江市

去年まで8月上旬の土日開催だった松江水郷祭。
今年から3日間の開催となり、花火は土曜日のみと土日分が1日に集約され、
玉数も1万発と1日に打ち上げる数としては増量されている。
そして島根県では私が花火を撮影し始めて10年以上なるが2尺玉は初めて、
もしくは10年以上ぶりのお目見えとなる。
個人的には2007年以来水郷祭はお邪魔していない。
あれからかなりの年数が経ち、ネットで見る限りでは演出も随分工夫されて、
見応えのある花火大会になっているようなので、
久しぶりに行ってみることにした。






現地に着いたのは15時過ぎと少し遅め。
美術館の駐車場も県庁のおもてなし駐車場も既に満車状態となっており、
仕方ないので臨時駐車場になっている湖南中学校に着いたのは16時になっていた。
1000円払って豪華なバスで会場入り。
今回は最初から嫁が島を頭に入れていなかったので、
どこから撮ろうか現地で歩きながら検討する。
しかし会場入りが遅かったにしても、今年から1日のみになったせいか美術館付近と、
温泉地付近はかなりの密度でシートが敷き詰めていた。
嫁が島のシルエットポイントもかなりの三脚が並んでおり、
ポスターの写真とここ数年に及ぶネットの普及率が影響している。
やはり現地に行くと嫁が島を入れたい症候群になってしまうが、
以前から違う場所で見たい、という気持ちもあったので今年は新規開拓を試みる。



美術館からさらに北へ歩くと白潟公園の中に有料席が並んでいた。
有料席が並んでいるということは、それなりの演出が楽しめるはずだが、
意外と温泉街方面に合わせて台船をセットしている可能性もある。
温泉街まで歩く元気が無く、ちょうど宍道湖大橋の端に良い場所があったのでそこへ三脚を置いた。
大橋の裏地がイベント会場となっており、ブースやステージなどが並び多くの人が集まっていた。
既に18時を回ろうとしており、瀬戸内海と違い山陰ならではなのか、
西日も徐々に柔らかく涼しい風が時折吹いてくる。
ブースでは山陰のご当地グルメがたくさん並んでおり、少しだけ空腹を満たした。
ステージでは何とGOING UNDER GROUNDが登場し、
無料でしかも近くでベテランアーティストの生ライブが見れて、
これほど充実した待ち時間は未だかつてあっただろうか。







打上1時間前に撮影現場に戻り機材をセッティング。
大勢の人が集まる人気花火大会だが、
観覧エリアが広範囲なのでさほど混雑は感じられないのが松江水郷祭の唯一良いところ。
花火会場にしては珍しく宍道湖大橋での観覧は禁止されておらず多くの人が集まっていた。
歩行者天国で車が通らないので、大きな揺れが無ければ橋上から狙うのも悪くない。
台船付近は2尺玉の影響で危険区域を大幅にとっており、観覧船は宍道湖大橋付近に停泊しているので、
前景にすれば面白い絵になっていたかもしれない。
20時00分、イベント会場からカウントダウンが聞こえてきた。
オープニングから豪華な扇打ちがあったものの、
その後は、単発、スターマインとゆっくりとした展開で進んでいく。
もう随分前から国友が担当しているので、地元常連客にとっては斜め打ちも珍しくないかもしれないが、
いつも嫁が島シルエット側から見ていた者としては、
単発の斜め打ちを広範囲に打っていたとは知らなかったので、
久しぶりに見る水郷祭花火は新鮮だった。
途中、繰り広げられる台船通しの打ち合いもほぼ正面からなので見応えがあった。
ところが扇打ちスターマインに関しては、2隻あるうちの右側が側面だったのでワイド感が無い。
逆に嫁が島シルエット、もしくは温泉街からが正面に見えることを後に動画を見て知った。
広範囲に渡って観覧場所はあるが、場所によって見え方が違うのも、
宍道湖、いや国友演出の面白いところである。



今年は程よい風で煙が流され、その割には波が穏やかで水面に花火が綺麗に染まり、湖上花火らしさがあった。
そう感じるのも地上より少し高い位置に居たからかもしれない。
公式だと1万発だが、思いのほかシャッターチャンスは無く正直退屈な内容。
その分、最後の15分に関してはかなり見応えのある演出が用意されており、
水中花火、尺玉、3段咲、斉木煙火の虹色のブーケなど、
これだけのメニューは西日本でもなかなか見ることは出来ない。
そして最後はお約束の国友打ちで終了。
終わってみればやはり少し物足りないものがある。
終わり良ければすべて良い、という訳ではなく、
せめて最後の15分を1時間均等に分ければ1時間退屈することは無いし、
ましてや少し離れた嫁が島シルエットからだと、
シャッターチャンスは最後くらいしか無かったのではないかと思う。
過去数回、嫁が島シルエットから狙っていたが、
どうして松江水郷祭から足が遠のいたのかふと思い出した。



写真はどう仕上がっているかわからないが、
やはり松江水郷祭は嫁が島が写ってこそだと改めて気づいた。
たとえラスト15分しか楽しめなくても、
完成度の高い写真が撮れるのなら、それはそれで有りなのだろう。



帰りは予想通りシャトルバスになかなか乗れず1時間ほど行列待ち。
シャトルバスの良いところは、バスに乗ってしまえばあとは渋滞に遭わないので、
帰りはスムーズに帰ることが出来たが、松江を出たのは22時を過ぎた頃。
高速に乗ってしまえば信号無しのノーストップなのが、
前回来た時と大きく違うところ。
この数年で本当に山陰は近くなった。






写真館 二千年一夜