小田掛(中原)のしだれ桜〜広島県豊平町

沿岸部が既に散り始めとなった第二週は内陸部が見頃を迎えている。
残念ながら木曜日に春の嵐のせいで見頃のピークは過ぎてしまったが、
春の嵐の時に咲き始めた桜は、この数日間で見頃を迎えているので、
探せば綺麗な桜に出会うことが出来る。
数か所予定していた場所の中から、まだ一度も行ったことの無い小田掛のしだれ桜を選んだ。
天気予報は貴重な晴れマークが付いていたので、
気合を入れて5時に家を出た。

6時30分頃に千代田町内にある桜並木に立ち寄ってみたが随分と散っていた。
春の嵐が無ければそれなりに見応えがあっただろうに残念。
それより晴れの予報なのに、太陽が見えない雲が広がるこの空は何なのだろうか!?







千代田から国道433号線に入り山奥へと入っていく。
まだ見応えのある桜を目にすると、
そんなに離れていないが千代田町内との寒暖差、もしくは積雪の違いを感じさせられる。
県道313号線に入り、しばらく注意深く走っていると桜の案内板があった。
知らずに細い山道を車で入ってしまったが、車の止めるスペースが無いので、
県道沿いに広場の駐車場に止めて歩いて行けばよかったと後になって気付く。
樹齢69年と非常に若い桜であるが、姿形は立派でとても迫力かつ優雅な姿に魅了されてしまった。
相変わらずの曇り空に、これがもし晴れて青空が広がっていたらさぞかし感動していただろう。
360度どこからでも見渡すことが出来るが、角度によって姿が違うのも面白い。
横に広がる枝を正面から見れば可憐に見え、
側面から見ればスマートに見えて面白い。
少しは散っていると思ったが、春の嵐にも耐えてまさに今がピーク。
青空の下で撮りたいところだが、せっかくなので数カット撮影。
田んぼに水が張られ鏡桜になっているので、
早朝からカメラマンが押し寄せていそうな感じだが、
後から1人カメラマンがやってきた程度。



撮影が終わると地主の方がやってきて挨拶をかわす。
しっかり番犬にも吠えられたが、帰る頃にはすっかり懐かれてしまった。
気合を入れて早朝から訪れたが見事に不発。
せっかく帰るのも勿体ないので、
帰りは豊平町内を走って帰ることにした。
結構、見応えのある桜の光景があり、千代田町内より少し遅れて見頃を迎えることがわかっただけでも、
よい収穫だったと思う。
そして1週間後には芸北地区の桜が見頃を迎えるに違いない。

一旦、家に戻り、このまま家で過ごそうかと思ったが、
午後から青空になるかもしれないと淡い期待を抱きながら2ヵ所目の桜スポットへ向けて再出発。
以前から訪れてみたいと思っていた三和町の美波羅川の桜並木へ訪れる。
実は13日に仕事で前を通っているのだが、
初めて見る美しい桜並木に惚れ惚れしてしまった。
残念ながら立ち止まって見る時間が無かったのでそのまま通過したが、
あの光景を再び見れればと思ったが、
翌日の春の嵐でピークは過ぎてしまった。
今日はこの後の予定が無かったので、
今後のために現地調査をしようとのんびり過ごすつもりだったが、
少し青空が見えてきたので、奇跡を信じて再び小田掛のしだれ桜へ訪れることにした。
もしたとえ青空が見えなくても、再び訪れようと思ったのは他の理由があったので、
気軽にドライブ気分で向かった。



三和から山を越えて一部高速を利用して千代田入り。
1時間少しで到着。
今回はちゃんと広場の駐車場に車を止めて歩いて向かう。
カメラマンや観光客で大混雑していると予想したが、
思ったほど混雑は無くカメラマンの団体1組と数名の花見客のみ。
しかし今年は平日は団体客が訪れたり、観光協会に多くの問い合わせがあったり、
遠い県外からカメラマンが訪れるほど人気があるのだとか。
花見客はともかく、これほど美しい桜を混雑の無い状況で撮れるのはカメラマンにとっては嬉しい話であり、
噂によると、そんなに離れていない与一野のしだれ桜は、それはそれはすごいカメラマンの数だったらしい。
17時00分、劇的な奇跡を信じて訪れたが、奇跡は起きず青空は見えなかった。
朝と同じく薄い雲を通して柔らかい日差しが当たり、空を入れなければそれなりの絵に仕上がった。
この後、ライトアップしてくれれば最高なのだが、
昨夜のみの1日限定なので残念である。



撮影を切り上げてしばらく桜を眺めていると、
地主の人のおもてなしがとにかく凄くて、
桜についていろんなことを教えてくれた。
思い通りの撮影にはならなかったが、またいつか訪れたい。
そして今日のように静かな光景でいてほしいと心から思った。





写真館 二千年一夜