金言寺の大イチョウ〜島根県横田町

紅葉シーズンの11月第一土曜日。
せっかく天気が良いのでどこか行きたいところだが、
今年は例年より遅く色付きも悪いので写欲が薄らいでいる。
そんな中、奥出雲町でたたらの灯りというイベントが今日から始まるので、
金言寺の大イチョウの撮影を絡めてドライブがてらその日の午前中に計画を立てて出発した。

道中、道の駅たかので休憩して国道432号線を下っていくと奥出雲に入る。
県道25号線へ入ると金言寺の案内板があるので、道に迷うことなく現地に到着した。
15時00分、金言寺の駐車場は満車で公衆トイレの工事現場が臨時駐車場となっていた。
既にライトアップは見頃を迎える前に終了しているので観光客は少ないと予想していたが甘かった。
前回訪れているので撮影はしない気持ちで来てみたが、あまりの美しさにシャッターを切ってしまった。
そういえば前回来た時は落葉が進んでいたが、今は落葉前の綺麗に色付いた状態。
真っ青に澄み切った空とイチョウが田んぼに映り込み、前回訪れた時以上の美しさがあった。
これだけ目の前に美しい被写体があるのに、
カメラマンは殆ど見かけなかったのは意外で、絵描きの人達が数名いた程度。
観光客も時間帯的に混雑も無く、カープの優勝パレードの影響か大山方面に流れたのかどうかはわからないが撮影はしやすかった。
ただ背景の観光客、車、ライトなど障害物を避けられないのが残念。
早朝に来ればと思ったが、山に囲まれているのでシャッターチャンスは早朝よりも午後がオススメ。
背景の山も日差しが当たることで、より田んぼの映り込みが際立って見えた。


※田んぼの所有者のご厚意でシーズンオフでも水が張られている。

15時30分を過ぎると幹の辺りから陰りだし撮影チャンスはピークを過ぎて行く。
この時間帯から観光客も徐々に少なくなるので人を目立たせない絵にしようと16時くらいまで粘って撮影。
日差しがある時は暖かかったが、陰ってくると風も冷たく寒くなってきた。
撮影後、コーヒーを頂き、僅かながら茅葺屋根の修繕費に貢献させてもらった。







たたらの灯り〜島根県横田町

金言寺からたたらの灯りの会場である追谷地区へ向かう。
移動すること30分、鳥上小学校の臨時駐車場に車を止めてそこからシャトルバスで追谷地区に移動。
シャトルバスの待ち客もさほどおらず、臨時駐車場もさほど車は止まっている様子も無く、
今年初めてのイベントだが、あまり告知はしていないのだろうか。
会場はてっきり山奥にあるのかと思いきや平坦な県道を5分ほど走って到着した。
協力金200円を払って約2キロの道のりを棚田の風景を楽しみながら散策。
たたら製鉄の縁の場所ということで、
通常の棚田と違い、独特の形状をした棚田風景が面白い。
今日はイベント初日ということで収穫祭が行われており、
屋台や露店が並び美味しそうな匂いが漂っていた。
ただ灯りイベントは12月まで続くのに収穫祭は今日のみというのは少し寂しく、
時期が時期なのでやはり現地で暖かい飲食があればイベントとして盛り上がりそうな気がするのだが。






道沿いには灯籠が並べられ、夜になると灯りが灯る。
もしかして道沿いにある灯籠だけ!?と不安を過りながら進んでいくと、
次第に棚田のあぜ道に灯籠らしきものが見えてきた。
無数に並んでいたので設置するのもさぞ大変だったに違いない!と思いきや、
暗くなると自動で点灯するイルミネーションになっている。
これだと火を灯す労力が半減されるが、ロウソクに比べると割高なのでかなり予算がかかっているに違いない。





しばらく歩いていくと棚田を見渡す展望台があり、既にカメラマンで占領されていた。
ただ人は少なく展望台より1段低い場所に三脚を置いて暗くなるのを待つ。
周りが暗くなっても思いのほかあぜ道のイルミの光源が弱く暗くなっても目立たない。
唯一の救いは撮影する方角が西側だったので夕景空を入れることが出来たことだが、
それならハーフNDを持参しなかったのが悔やまれる。
デジタルだとISOを上げれば良いがフィルムだとこの手の風景に専ら弱い。
手持ちのコンデジで夜景モードで撮影して何とか絵になる程度で、
F8で30秒のところを60秒に設定して撮影してみたが、
果たしてどういう絵に仕上がっているか。

訪れる人はやはり少なく感じたが、
今後、新聞やネットなどで反響があれば訪れる人も増え、
来年も継続されていくイベントになるに違いない。
このイベントを切っ掛けに初めて追谷地区を知り、訪れて歴史を感じることが出来た。
今度はぜひとも棚田に水が張られる春にも開催して欲しい。






写真館 二千年一夜