ツネイシ花火〜広島県尾道市

かつて海と島の博覧会の会場の1つであった境が浜マリンパーク。
今はベラビスタマリーナと名称を変えてセレブ御用達の海の駅として利用されているようだが、
そんな境が浜で花火が上がっていることを去年、開催された後に知り、
しかも尺玉、レーザーなどかなりボリュームのある内容だから驚いた。
アベノミクスとか円安の影響で常石造船所の景気が良いからかどうかはわからないが、
常石グループの関連団体が地域を盛り上げるために花火イベントが開催された。
去年だけの1回きりかと思ったが、今年も無事2回目が開催されることとなり、
来週の宇和島遠征を控えての近場の撮影は個人的には好都合ではあるが、
それ以前に、果たしてどのような花火演出を見せてくれるのか楽しみにしていた。





16時00分、会場に駐車場は無いので臨時駐車場であるみろくの里へ向かいシャトルバスで現地入り。
この辺をバスで走ることはまず無いが、走ったと言えば、秋の遠足以来だろうか。
見慣れた景色でもバスの車窓からだと不思議とどこか遠くへ来たように思えてしまう。
バスに揺られる事20分ほどで境が浜に到着。
何度か常石を通ることはあるが、こうして足を止めるのは小さい時に訪れた海島博以来。
確か小さな水族館があり、お土産にサブレを買った記憶がかすかに残る。
あまり記憶は残っていないが随分小さな会場だったんだと改めて思った。



あまり告知をしていないせいか訪れる人は少なく、
会場が狭いのでまさに地域住民だけのお祭りという感じ。
年配の人たちはあまり見かけず、家族連れが多いことから造船所関連の人たちを主に告知していたのだろうか。
仕事終わりの外国人労働者もよく見かけた。
狭い会場の割には露店が多く並んでおり、いろんなものを食べ歩きながら時間を潰すにはちょうど良い。
食券みたいなものを持っている人もいたので、まさに地域の人たちに向けてのおもてなしに違いない。
それにしても7月中旬とは思えないほど涼しくて、
この状態がこの夏ずっと続いてほしいと思うくらい風が心地良い。
会場内を散策してもまったく苦にならないので端から端まで散策してみた。
建物の2階にカメラマンらしき人が数人いたが関係者以外立ち入り禁止。
ボート所有のセレブのみ入れるのだろうか。



とりあえずレーザーを考えて花火打ち上げ正面に三脚を置いてみたが、
どうみてもレーザーの姿が見えない。
タグボートで台船が定位置に着いたものの、
タグボートがいなくなると潮の流れで向きが変わるという何とも見たことない景色である。
普通、アンカーを降ろして固定するはずなのに、
斜め打ちの演出も下手をすればこちらに飛んでくる位置になり、
確かに迫力はあるかもしれないが、斜め打ちを側面から見るには面白くない。
しかも去年の配置を想定して構図を練っていたが、
今年は台船が1つ増えており、正面からだと台船が離れて非常に絵にしずらい。
レーザーを想定して正面から狙おうと思っていたが、
どうも無さそうなので30分前に急遽会場の端っこの人気の少ないところへ移動した。





ボートが停泊しているマリンパークを前景に構図を練ってみた。
直前になってライトダウンしたのも想定内だが少し寂しくなってしまったが、
それでも境が浜らしさが出ればそれで良い。
20時00分、花火が打ち上がる。
手前の小玉がメインに上がり、たまに奥の大玉が上がる。
スターマインになると台船の間から水中花火が開花。
台船が直視出来なかったのでここまで予想はしていなかったが、我ながら見事な構図となった。
音楽にのせてテンポよく花火が上がり、きっと会場も盛り上がっているに違いない。
撮影も急遽場所移動が功を奏し、近くに観覧客がいないまさにプライベート空間での撮影は心地良い。
約20分による打上だったが、無名の花火大会にしてはよく考えられた演出で撮影していて面白かった。
ここ最近の富士火工の演出は目覚ましく進歩しているが、
これだけの演出が出来るのもツネイシの力なのだろうか。
今日は本当に良いものを見させてもらった。

帰りはなかなかシャトルバスに乗れなかったが、
家は近いのでのんびりしながら帰宅。
これを味わうと遠征が出来なくなるので気を付けなければならない(笑)



写真館 二千年一夜