大東七夕祭〜島根県大東町

毎年8月6日に開催される大東町の七夕祭。
ここも長年行く機会が無かったが、今年は日曜日開催ということでようやく行く機会が訪れた。
台風5号の影響で多くの花火大会が中止になったが、進路が四国へ南下したお蔭で山陰はさほど影響が無さそうで、
日中は益田市で39度を記録するほど凄い天気となった。





先日訪れたドライブイン加茂で夕食をとって大東町内に着いたのは18時頃。
太陽も西に傾けば39度を記録したのが嘘かのように風があって涼しく感じるのは山陰ならではだろうか。
臨時駐車場がわからず適当に町内を走らせていると、町民体育館が駐車場となっており余裕で止めることが出来た。
そこから300mほど北へ行った商店街がお祭りの会場となっており露店が所狭しと並んでいる。
大東町といえば山王寺の棚田の撮影で何度も来ているが、
中心部に立ち寄ることは無く、大東町にこのような場所があることが妙に新鮮に感じた。
約400年続く七夕祭ということで、商店街の至る所に笹竹やスイカの提灯が飾られている。
ここのお祭りは子供が主役なので、山車の絵柄は妖怪ウォッチ率がかなり高い。
浴衣やハッピで着飾った子供たちは、笹竹に短冊や提灯などの七夕飾りをつけて、お囃子しながら大提灯、山車とともに商店街を練り歩いていく。
仙台の七夕祭ほど派手さは無いが、歴史が古いだけに独自の風習があって見ていて面白い。



お祭りの雰囲気をいつまでも味わっている場合ではなく、肝心の花火の打上場所の確認へ向かう。
大東小学校の西側に花火が設置されており、風向きを考えると川を挟んだ河川敷広場辺りが良さそうだが、
あまりにも殺風景なので止めた。
どうせなら山車など祭りの雰囲気を入れて花火を撮りたいが、花火が打ち上がる中で歩きながら撮影するのはリスクが多き過ぎる。
土手を歩いていると橋にスイカの提灯がぶら下げらており、
何も無いより少しは賑やかしになるだろうとそこから狙う。
誰一人としていない静かな土手だが、数時間後にこの土手が多くの人で賑やかになるとはまだ知る由も無い。



三脚を立てて待っていると、1人また1人と徐々に増えていくがどうも近所の人のようで、
花火を見るには少し遠く、やはり小学校の正面辺りが観覧場所なのだろう。
お蔭で今日はのびのびとストレス無く撮影出来る。
時間があるので対岸をフラフラしているとフェンスに地区の看板が掲げられている。
これは何を意味するのだろうか!?
警備員に聞いてみると、練り歩きした山車がここに集まり子供花火が行われるのだとか。
どうやら知らないうちに特等席を押さえてしまったようだ。





台風が心配されたが雨風も無く、夕焼け空が赤川をオレンジ色に染めていた。
暗くなるとスイカの提灯に灯かりが灯り、
遠くに聞こえてきた笛や太鼓、鐘の音が徐々に聞こえてきた。
それまで殆ど人がいなかった土手に気付けば多くの人が集まり、
山車が対岸の土手に集結した時には、いつもの花火大会の会場のような賑わいとなった。
20時30分から子供花火と題して、手持ち花火が披露され各地区からロケット花火が放たれる。
これが意外と綺麗で花火に派手さは無いが、赤川に映り込む山車の灯かりで色彩々に染まった。
20時45分から打上花火が上がる。
こちらも特に派手な演出は無く、4号玉の単発を中心に時々一斉打ちがあったりする。
花火大会というお祭りではないので、小さな町で行われる歴史あるお祭りに相応しい演出であり、
また上がる花火も1発1発昇りを付けて丁寧に上げているようで見ていて美しい。
昨夜の松江水郷祭とは比べものにならないかもしれないが、
七夕祭の雰囲気を味わいながら、のんびりと花火が楽しめるので松江水郷祭に無い良さがある。
最後に一斉に花雷が打ち上がる灰示花火の必殺花火「凄雷天割」により、
会場から割れんばかりの歓声で幕を閉じた。

小さな町にどこにこれほどの人がいたのか!?というくらい商店街は大混雑。
ステージでは花火終了後に神楽が行われるのも島根県ではすっかりお馴染みの光景であり、
神楽を見ることも無くそのまま家路へ向かう。
会場から少し遠いところに止めたお蔭で渋滞も混雑も無くスムーズに帰宅出来た。
次回いつ訪れることが出来るかわからないが、機会があればまた来たいと思わせてくれる大東七夕祭だった。



写真館 二千年一夜