魚野峠の雲海〜鹿児島県吉松町

大川の花火撮影後、鹿児島へ向けて出発。
交通費節約のため、いや深夜移動のため高速を使う必要も無いだろうと八代ICまで下道で向かう。
有明海沿岸道路の恩恵を受けて100キロの道のりを2時間30分かけて八代まで移動。
八代から高速に乗って一気に鹿児島入したいところだが、疲れのピークに達しパーキングエリアで仮眠をとる。
ところが深い眠りに入りかけたその時、外から大きなサイレンが響き渡る。
北朝鮮がついにミサイルを打ってきたか!?と寝ぼけ眼に外を見てみると、
どうやらトンネルの火災による通行止めのサイレンだった。
その後、サイレンはなかなか止まずあまり寝られないまま4時に出発。

今日の最初の目的地は鹿児島の有名な雲海スポットである魚野峠。
鹿児島で有名な雲海スポットはどこか?と聞くと最初に出る名前が魚野峠らしい。
今の時期、雲海が出る確率は低いが、ちょうど棚田百選の近くということもあり、
仮に雲海にならなくても天気が良ければ僅かな霧で絵になるだろうと、せっかくなので行ってみることにした。



栗野ICを降りてついに鹿児島県初上陸。
魚野峠はここから少し北上するのならえびのICで降りれば良かったと後になって思った。
魚野フライトエリアの案内板に沿って県道448号を上がっていくと徐々に狭い道になっていくが、
フライトエリアということで特に変な道という訳じゃなく暗闇でも比較的安心して到着。
5時00分頃、九州の日の出時刻は中国地方より遅いので思いのほかまだ暗いが、西の空が少し明るくなっていたので早速機材をセット。
鹿児島で有名な雲海スポットというだけあって視界は開けて素晴らしい絶景ポイント。
目の前に見える霧島連山と九州山地に囲まれた盆地に霧が流れて溜まっているのだろうか。
向かって左手の国見山から太陽が顔を出したところで撮影も終盤を迎える。
上空は澄み切った青空に秋を思わせるような雲が広がり、広角レンズでダイナミックに撮影。
まったく期待していなかっただけに、これほど見事な雲海が見れるとは思いもせず夢中でシャッターを切った。


※太陽は九州山地の方角より


※魚野フライトエリア内は立ち入り禁止となっている。
 ちなみに、パラグライダーの練習に支障をきたさないで自己責任おいて
 ご利用いただけるのであれば是非ご利用ください。 と湧水町から許可を得て撮影しています。




幸田の棚田〜鹿児島県栗野町

魚野峠を下山して湧水町内を南下すると幸田の棚田の案内板が見えるので県道へ入り、
田園広がる風景をしばらく走ると幸田地区となる。
7時00分、幸田の棚田に到着。
棚田といえば狭い山道を上がっていくイメージがあるが、
ここは集落の裏山を切り開いて開拓したように見える。
範囲は狭く歩く範囲が限られるので自ずと構図は限られてしまう。
いろいろ歩いてみたが同じところを行ったり来たり、
電線や電柱と言った障害物が無いが、その代わり上空に高圧線が走って広角で撮れないのが難点。
上から見下ろせる場所は無いし、かと言って下から見上げても段々が低いので石垣が見えない。
今の時間帯では棚田の半分が影になっているが、
今後の予定を考えると太陽が上がるのを待ってられないので側面から軽く撮影して終了。
何とか良い姿が見えないだろうかと探したかったが、朝から容赦なく日差しが襲い、集中力が切れてしまった。




千里ヶ滝〜鹿児島県牧園町

湧水町を南下してくと霧島市に入る。
隣町だが合併して霧島市になっているので近いようで実は道のりはまだまだ遠い。
とりあえず国道223号線を上がり霧島温泉を目指す。
霧島という名前はよく聞くが実際に行ってみると大山や雲仙に似ており、
ホテルやペンションが道沿いに並び、また秋の紅葉時は美しいかと思われる。
県道1号線から104号線へ入り滝の案内表示に従って細い道を少し行くと駐車場があった。



8時40分、駐車場から滝までの道のりは平坦な山道は無く、ひたすら下り階段が続く。
どうやら水力発電所の関係でそういう道になっているようで、滝の遊歩道にはありえない光景である。
10分ほど下っていくと滝の姿を見ることが出来るのだが、
先日の台風が影響しているのか水量は多く、落ちる音も轟音が響かせており、
感動を超えて恐怖を感じてしまった。
遊歩道からしか撮影が出来ないので構図は限られ想うように撮影は出来ず1カットのみ撮影。
そのまま階段を下れば滝を正面から見られるかと思ったが、水力発電所の建物に続くだけだった。
しかしこんなところによく施設を作ったものだと日本の土木技術に改めて関心した。




※滝の遊歩道とは思えない


丸尾滝〜鹿児島県牧園町

来た道を通るのも面白くないので、少し遠回りして道の駅 霧島へ寄ってパンフレットを貰う。
丸尾滝は県道1号線の分岐前である国道223号線沿いにあり誰でも気軽に訪れることが出来る。
10時00分、国道223号線から少し入った旧道沿いに滝があった。
この滝もまた水量が凄くて水飛沫で近寄れない。
滝見台は立ち入り禁止で構図が限られ非常に面白くないので1カットのみ撮影して終了。
日差しが当たって綺麗な姿だけにこの水量は何とかならないものだろうか。




犬飼の滝〜鹿児島県牧園町

国道223号線を下っていくと轟木滝があるが、倒木で残念ながら行くことが出来なかったが、
それ以前に道がわかりずらく時間を余分に費やしてしまった。
国道223号線から案内標識に従って県道470号線に入り、しばらく行くと道路脇に滝を見下ろす展望台がある。
犬飼の滝は坂本龍馬新婚旅行の訪問地として有名らしく、道路沿いにあることから観光客も多い。
滝下に続く遊歩道があり約300mほど下っていく。
12時10分、やはりここも水量が激しく先ほど訪れた千里ヶ滝と同じで凄い轟音と水飛沫。
滝見台からしか撮影する場所が無いので1カットのみ撮影。
こうして霧島市内の滝を巡って思ったが、直瀑が多く遊歩道も平坦な道が無いのが特徴に感じた。
先ほど道の駅でパンフレットを見ていると、秋の霧島も良さそうなのでなかなか行く機会は無いだろうが縁があればいつか。







龍門滝〜鹿児島県加治木町

本日の滝巡りの最終地に相応しく滝百選である龍門滝に決めた。
霧島を下り鹿児島空港を横目に国道504号線を走って加治木町に入る。
13時20分、龍門滝の駐車場に到着。
山の中ではなく町から少し離れたところにある珍しい滝だが、これがまた美しく滝百選に認定されているだけある。
滝見台からは少し見えずらいが近くにある温泉施設から滝に続く遊歩道があり、
そこからだと正面から見上げるように見ることが出来る。
水量が少なければもっと近くまで寄れるのかもしれないが、
離れれば離れるほど滝の全貌が見えないので、ここは裸足になって少しでも距離を縮めて撮影に挑む。
天然の足ツボマッサージを歩いているようでかなり激痛が走るが何とか撮影は成功。
やはり滝撮影は長靴はマストアイテムだと久々に思った。






かのや夏祭り納涼花火大会〜鹿児島県鹿屋市

今日の最終目的地である鹿屋市まで高速で行けばあっという間だが、
時間に余裕があるので海岸沿いに垂水経由で車を走らせる。
せっかくなので桜島をまじかで見てみたいと気軽にドライブ気分で見るつもりだったが、
噴煙している姿、鹿児島湾に無数の漁船が停泊している光景、また火山灰によるスリップ注意など、
鹿児島ならではの独特な雰囲気があって高速を走っていたら決して見られない光景だった。
駐車している車が火山灰で汚れているのも、怒られるかもしれないが鹿児島らしさを感じる。

垂水市街地を抜けて鹿屋市に入るとすぐ花火会場である古江港に着いた。
16時40分、遠い臨時駐車場からシャトルバスで現地入りするつもりだったが、
まだ開門していないのでとりあえず会場で現地調査をしようと向かうと、
たまたま道路沿いに観光用の駐車場が空いていたので助かった。



会場は露店とステージの準備中で花火客は殆どおらず場所取りをしている光景も無い。
廻りに高い建物が無いので見ようと思えばどこからでも見れる会場だが、
プログラムを見ると細かく立ち入り禁止区域があるので、写真を撮るには一苦労しそうな会場である。
堤防上にはワイドに設置している筒を見ると、県道沿いの歩道から狙うのも悪く無いが殺風景過ぎる。
露店を入れたいが目の前に人が立たれるリスクがあり、
1段階高いところがあれば良いのだが、平坦な会場と細かい立ち入り禁止区域に都合のよい場所はなさそうだった。



会場から出ると大隅線の廃線跡があり、そこに続く道がありそうなので上がってみたかったが、
どうも市民の専用通路になっており余所者が入ると不審者に思われそうなので止めておく。
会場の外からでも花火が見えるので、庭先ではバーベキューの用意をしている家庭が多く、
混雑する会場だと思っていたが、予想外に喉かでのんびりした雰囲気が広がっていた。
会場の近くに車を止めることが出来たお蔭でしばし車内で仮眠をとって今日1日の疲れを癒す。

17時になると駐車場が開門されシャトルバスに乗って花見客がやってきて会場内も徐々に賑やかになってきた。
今日1日の暑さも太陽が西に傾くと暑さも和らぎ僅かながら涼しい。
今年の夏は不思議と夜になって風が止まず煙に悩まされることは無いが、
昨日も良い風が吹いたが今日は生憎の風下。
ただ風があるのでまったく見えないということは無さそうだ。
撮影場所はいろいろ迷ったが最終的にシャトルバス乗り場付近に小さな漁港があり、
防波堤内の漁船停留所は波も無く、花火で海が染まる構図を練ってみた。



20時00分、花火が打ち上がる。
大きく前半と後半に分かれた2部構成で間に10分間の休憩がある。
最後はこの花火大会の目玉であるレーザーと音楽、2尺玉が披露される。
8000発という規模からオープニングは堤防上から豪勢にワイドプログラムを想定していたが、
控えめな打上がしばらく続き、殆ど撮影の手を止めて観覧していた。
時々、大洋花火らしい単発も上がっていたが特にこれという場面も無く前半戦が終了。
後半戦はメッセージ花火から始まるが募集が集まらなかったのか1組のみ。
相変わらず退屈な演出に気付けば終了時刻が迫ろうとしていた。
レーザーと音楽の演出は最後のみで花火とコラボしているようには見えず、
レーザーも緑色のみでさほど会場が盛り上がっているようにも感じられない。
最後の最後にようやく堤防上に設置された筒から一斉に打ち上がるワイドな演出に港内の海が染まり、
やっと自分が描いていた構図を見ることが出来た。
いろいろ不満があったが、この数分間の演出が見れただけでも来た甲斐があったと自分に言い聞かせる。
2尺玉は綺麗な小割が入った冠菊だが、思いのほか星が垂れ下がらず、
本当に2尺玉だったのか!?というくらい大きく感じられなかった。
終わってみれば本当に8000発あったのかと疑わしい内容で、
これだけのために鹿児島まで来ていたらきっと怒り狂っていたかもしれない(笑)
しかし台風で延期になってこの鹿屋の花火大会が切っ掛けで鹿児島へ行こうと思わせてくれて、
内容の良し悪しはこの際関係無く、ここへ来れて良かったと主催者に感謝したい。



帰りのシャトルバスは相当混雑したらしいが、
バイパスが混んでいたのでかなり時間がかかったのではないかと思われる。
今日の宿は鹿屋市内にあるネットカフェ。
鹿屋市内は想像していたよりも独特な雰囲気があって、
何故このようなところに鹿児島県3番目に人口の多い都市があるのか不思議な街であった。

ちなみにネットカフェ「自遊空間」はシャワーが無料で利用出来るので夏の長旅には重宝します。


※画像は鹿屋市内にある仏跳ラーメン。とても美味しかった。



写真館 二千年一夜