九州花火大会〜佐賀県唐津市

3連休二日目の16日は7時頃に唐津に到着。
曇りの多い天気予報だったが、見事な夏晴れで梅雨とは思えない綺麗な青空が広がっていた。



撮影場所である松浦橋は、この時点で既に三脚が数本並んでいたが、場所は十分過ぎるほど空いている。
これが数時間後に隙間なく三脚が並ぶ光景になることを誰が想像出来るだろうか。
唐津城を前景に花火が撮れることでカメラマンの間では有名な場所だが、
台船から1.5キロ以上離れているので観覧には向いておらず、ナイアガラも水中花火も隠れて見えない。
前回8年前に訪れた時は、そういう理由で西側のヨットハーバー付近から撮影している。
個人的には会場である西の浜で撮りたい気持ちもあったが、
宮島の鳥居と同じく唐津城の呪縛から逃れられず松浦橋へ来てしまった。
もう少しカメラマンが多いと予想していただけに少し拍子抜けしたが、
お目当ての場所が余裕で空いていたので、通行の妨げにならないように三脚を手すりに固定する。

まだ唐津市内が混雑する前にちょっとだけ現地調査。
東唐津地区、同じくカメラマンの間では人気スポットであり、
松浦橋と違って距離が近い分、花火が体感出来るかもしれないが低い花火は逆に見えずらい。


河川敷の臨時駐車場も十分余裕があり、
一応10時頃に再び戻る予定で糸島へ向かった。



千寿院の滝〜福岡県二丈町

唐津から国道202号線のバイパスを福岡方面へ走らせる。
初めて走る道だが、バイパスなので信号も無く玄界灘を横目に車を運転していて気持ち良い。
県道49号線に降りて白糸の滝を目指していたが、
途中に千寿院の滝の案内板が目に入ったので先にそっちへ行く。
しばらく山道を走っていくが案内板が無く、もしかして道を間違えたのか不安になってきたが、
唐原という地区に入ってようやく案内板が出迎えてくれた。
木々の隙間から見える景色からして相当標高の高い所まで上がってきたようだ。
7時40分、駐車場に到着。
ここから400mほどの比較的平坦な道を歩くと滝があった。
時間的に少し早かったのか滝やその周辺に日差しが当たらず寂しい光景だが、
岩に沿って落ちる段瀑に落差もあり、思った以上に見応えはある。
今回はテストを兼ねて軽く1ショットのみ撮影。
ちなみに唐原地区は平家伝説が残されており、歴史好きには面白い場所かもしれない。




白糸の滝〜前原市

来た道を降りるよりもそのまま狭い山道を進んでいくと白糸の滝に続いているようなので先へ進んでみた。
結果的にどちらが早くて近かったのかわからないが、
標高の高い林道を走るのは不気味であるが、木々の隙間から見える玄界灘は見事な遠望であり、
展望台もいくつかあったが時間の関係上、今回はパス。



本当に辿り着くのか不安だったが、8時30分頃に無事に到着。
噂には聞いていたが、この時間にして既に第二駐車場が満車になるほどの混雑ぶり。
10時くらいになると第五駐車場も満車となり駐車場待ちの渋滞が出来るほど混雑するらしいが、
一体こんな山奥に何の魅力を求めてやってくるのだろうか。
駐車場から少し歩くとすぐ滝があった。
観光地化された滝の周辺だが、滝は見事な姿で福岡県内屈指の美しさかもしれない。
廻りの緑も綺麗で秋になって紅葉する姿も見てみたい。
多くの人がいても入水禁止になっているので、滝壺で遊んでいる人もおらず撮影はしやすかった。
滝周辺で記念撮影している家族もしれば、準備中のそうめん流しを待つ人、
やまめ釣りをしている人など、もはや夏休みの光景であり滝を撮りに来たことを忘れるところだった。
ちなみにやまめ釣りは釣竿など1セット2000円。
釣った魚は予め焼いた魚と100円で交換してくれるらしい。
こんな破格な値段でも行列が出来ているのだから驚きである。
広島に住んでいれば似たような場所はいくらでもあるが、
福岡にはそのような場所が意外と少ないので、手軽に癒しと涼が楽しめる場所として多くの人が訪れるのも何となくわかる気がする。





再び唐津に戻ってきたのは10時頃。
同じ松浦橋でもみなさんよく研究しており、真ん中30mくらいはズラリと三脚が並んでいた。
それでも特に拘りが無ければ十分場所は空いている。
ここから花火打上までの長い時間を車内で過ごすには勿体無いし、
かと言って炎天下の中、唐津城を散策する元気は無い。
こんな時は温泉施設に入って時間を潰すのが一番で、ちょうど鏡山入り口に温泉施設があった。
松浦橋から歩いて40分ほどで午前の暑さはまだ辛うじて耐えられるが、さすがに着いた時はくたびれた。
道中、東唐津駅周辺を見て、そういえばここで九州花火大会が行われたことをふと思い出し懐かしく思った。
お風呂に入ってビールを飲み大広間で仮眠。
猛暑が和らぐまで避難しようと思ったが、松浦橋の現場が気になるので15時頃に出る。
実は温泉施設の近くにあるイオンから1時間おきにバスが出ていることがわかり、
ちょうど松浦橋に止まるので帰りは思いっきり楽をさせてもらった。
※午前中はイオン号としてイオンで買い物をするお客限定の無料バスが1時間おきに運行
イオン号

松浦橋に再々度戻ってきたのは17時頃。
橋上は午前中の姿から一変して三脚がズラリと並んでおり、ざっと200本くらいはあっただろうか。
それでも南側は比較的空いており、真ん中周辺に拘らなければ撮ろうと思えば余裕がある。
河川敷の駐車場も17時の時点で満車になっていないが、入っている車の量を見ると時間の問題。
しばらく車の中で待機していたが、せっかく唐津に来たのだからやはり唐津城まで行ってみようと思ったのが失敗で、
せっかく温泉に入ってスッキリしたのに西日に照らされ汗だくになったが、打上現場が見れたので汗だくになった甲斐はあった。



堤防2ヵ所にナイアガラとスターマインが設置。
堤防の左端に台船があり大玉や2尺玉が上がるので、
例年と変わらなければ松浦橋の真ん中辺りが大玉と唐津城の左から上がり構図が決めやすい。
機材をセットしてファインダーを覗いてみると、やはり距離があるので標準レンズの縦構図では全然間に合わず、
横着して望遠レンズを持ってこなかったのは最大の失点となる。
久しぶりの2台態勢だったが1台は2尺玉専用にしておいて、もう1台は頑張って縦にしたり横にしたりして撮るしかない。
横構図でも少し両端が余るが、まぁそこは橋周辺の灯かりでカバーしよう。
それにしても今日は本当に天気が良い。
この時期にブルーアワーが見れるとは思いもせず、まるで残暑厳しい秋のような空で太陽も沈みかければ風が心地よく感じた。
前回8年前は直前に雨が降り蒸し暑い中、煙も思うより掃けず散々な結果だったが、
夏の花火は仕方ないが、今日は風もあり最高の条件が整っている。
このような条件での待ち時間は不思議と長く感じさせず、気付けばもう打上時刻の20時が迫ろうとしていた。
こんなに明るいのに20時とは。



20時00分、豪華客船の汽笛の合図で花火が打ち上がる。
オープニングからスロースタートなのは唐津煙火の特徴で、
時々上がる大玉は唐津煙火らしさがあって見ていて面白い。
花火は予想以上に遠く小さく、大玉が上がって105mmの縦構図で辛うじて撮れるかどうか。
空も徐々に暗くなり21時が近づくといよいよDHC協賛のスペシャルな花火が披露される。
まずは2尺玉。
ゆっくりと昇りが上がり開花して冠菊が落ちる姿の美しさに大勢のカメラマンが絶叫した。
ここの2尺玉は小割浮模様の冠菊が定番となっているが、今年はカラフルなステンドグラスの小割が入って綺麗だった。
これを撮るため、いやこれだけを撮るために大勢のカメラマンが松浦橋へ集結する理由がわかった。
近くで見る2尺玉は迫力があるが、遠く離れていると迫力こそは欠けるが写真は撮り易く、周りの建物を基準にすればほぼ失敗は無い。
唐津城を入れることで対比の関係で2尺玉の大きさもアピール出来ることから、カメラマンにとっては堪らない被写体である。
デジカメ派はすぐに撮影結果を確認出来るので一喜一憂して盛り上がっているが、次のプログラムが待っているのでそんな暇はない。
二か所の堤防から打ち上がるスターマイン。
本来、ナイアガラの裏打ちなのだろうけど、残念ながらナイアガラは見えず裏打ちスターマインも辛うじて見えるかどうか。
水中花火も同時に開花させているので、これをぜひとも会場である西の浜で見てみたい。
ナイアガラが終わると5カ所から打ち上がるワイドスターマインに始まり大玉一斉打ちで幕を閉じた。
もともと唐津市民花火大会として開催されていたが、
8月に行われていた九州花火大会と一緒になったことで、
DHC協賛のスペシャルな大型仕掛け花火がプログラムに入ったと記憶している。
凄い内容だと噂レベルでしか知らなかったが、いざ見てみると本当に凄くて写真を撮っていて気付けば夢中で撮っていた。
これを見せられるとまた松浦橋で撮ってみたいという気持ちになるが、それは撮影結果を踏まえてまたいつか検討してみよう。



21時00分、松浦橋には一体何人のカメラマンが集まったのか想像も付かないくらいの人が並んでいる。
近年の花火大会では橋上を規制して観覧禁止にしている所が多いが、
さすがに松浦橋は遠く離れているので規制の対象外になっている。
他所では強度の問題とかで観覧禁止になった所もあり、
松浦橋は車が走っても揺れることの無い強度の強い作りになっているし、
歩道も割と広いので、よほどのことが無い限り規制の心配は無いと思うが、
ただカメラマンが多く歩行者の妨げになれば規制が入る可能性も無きにしろあらず。

前回8年前の経験から大渋滞を覚悟していたが、
松浦橋から河川敷の駐車場が近いこともあり、駐車場は難なく脱出。
土手上も南方面は渋滞しておらず、あれよあれよと走っているうちに唐津市内を脱出。
まさか1時間30分で大町町まで戻れるとは夢にも思わなかった。




写真館 二千年一夜