美郷夏祭り花火大会〜島根県美郷町

7月第4土曜日は広島県内でも宇品、尾道など大型花火大会が行われる中、
島根の山間部にある美郷町へと向かう。
美郷町の花火大会は名前こそ知っていたが、粕淵地区で花火が上がっているとは露知らず、
三江線や桜の撮影で何度か訪れている粕淵へ巡礼の意味を込めて訪れることを決めた。

尾道住吉花火の号砲が鳴り響く中、15時過ぎに家を出発。
尾道IC付近で何故か渋滞が発生していたが、尾道ICを過ぎるといつも通りの交通量になった。
世羅辺りから強い雨に降られたが、これは想定の範囲内で三次に入ると雨雲を抜けて西日が射していた。
夏の晴天は午後の雷雨が怖いので晴れていても油断できない。
美郷町へ行く道中、17時30分の三江線を撮影すべく上野地区へ寄ってみる。
先ほどまで射していた西日が雲で隠れて、思いのほか棚田が立体的にならず、
三江線が通過する10分前に急遽、第二江川鉄梁のポイントへ移動。
この時間にしては珍しく無風で江の川に鉄梁が映って良い雰囲気。
濃緑の中、江の川にかかる鉄梁はいつ見ても写欲をそそられる被写体である。
午後の便で一番早くても17時30分なので、5月に撮影した時は既に太陽が山に隠れて夏の時期に撮影したいと思っていたが、
今日は生憎の雲で思うような光景にならず。
気動車が通過した時、日差しが反射したように見えたので、僅かながら日差しがあったのかもしれない。
一瞬の出来事なのでどのように写っているか現像に期待したい。
風が無く蒸し暑い夕方時だったが、蜩の鳴き声がどことなく居心地が良かった。





18時過ぎに美郷町に到着。
さすがに粕淵駅の駐車場はもう空いてないだろうと思ったが、
空いていないどころか、あまりの閑散さに本当に今日は花火が上がるのか心配になるほどだった。
お祭り会場へ行ってみると狭い河川敷にステージや露店で賑わっていたので、ちょっと一安心。
ナイアガラ、花火打上箇所など確認した後、会場を少し散策しながら祭りの雰囲気を楽しむ。


※夏祭り会場を三江線の車窓から見るのも今年で最後

お祭り会場の雰囲気も捨てがたいが、第一江川鉄梁をシルエットにしたい構図を練っていたのでそちらへ移動。
道路上からでは橋の背後から上がらないので、田んぼの脇道から狙う。
5月下旬に三江線を狙った場所と同じで、暑い思いをしながら撮影したのがつい最近のように懐かしい。


※この時期に花火が上がれば綺麗



予定時刻の20時を少し過ぎてから花火が打ち上がる。
会場から遠くないはずだがアナウンスが聞こえず進行もまったくわからない状況での花火撮影は意外と難しいもので、
いつどのタイミングで花火が上がるかわからないので撮影は苦戦した。
花火業者は予想していたところでなく、まさかの葛城煙火。
何故このような山奥で行われる小さな花火大会に葛城煙火が上げているのかわからないが、
ここ数年ほど担当しているらしい。
前半こそは退屈な内容だったが、後半になると打上方や玉の良さから葛城煙火らしさを見せてもらった。
小型煙火が多かった分、公表3000発でも少し物足りなさがあったが、
風上のお蔭で煙が光に反射するたびに鉄梁がシルエットとなり、頭に描いていたとおりの構図になった。
ただナイアガラが途中で点火してしまったのは想定外で、
その後、しばらく花火が上がらなかったのでこれで終了なのかと撤収するところであった。
どちらにしてもこの場所からでは半分しか見えないので、わかっていたが苦肉の選択だった。

始まりは遅かったが終了は予定通り20時40分頃。
会場から離れた所から撮影していたので渋滞も混雑も無く、
聞こえてくるのはカエルの鳴き声くらい。
会場では花火終了後もステージイベントが続き、21時からは神楽も披露される。
間もなく浜原行きの最終便が粕淵駅に到着するが、
その光景も残りあと僅かとなり、そうなると第一江川鉄梁はどのように保存されるのか、もしくは撤去されるのか、
時代の流れと共に江の川沿いの景色は変わろうとしていた。



写真館 二千年一夜