尾崎漁港の朝景〜広島県尾道市

尾道では朝日と夕日が見れないイメージがあるが、
実は冬の期間だけ朝日と夕日が綺麗に見ることが出来る。
尾崎漁港では、まさに今の時期限定で尾道大橋の背後から朝日が昇る期間限定スポット。
ただ尾道大橋の背後から太陽が昇る絵だけでは面白くない。
朝の冷え込み、晴の予報、潮位、太陽が昇る角度、黄砂やPM2.5の有無などすべてが整って初めて理想の絵が完成される訳で、
今朝はまさに理想の条件が整っていた。





5時50分、家を出発。
フロントガラスには薄ら霜が降りていたが、真冬のような冷え込みでは無く、それでも氷点下の予報で結構寒い。
上空の空は綺麗に澄み切った空で、既に肉眼でも周りの景色が認識できるくらいの明るさになっていた。
15分ほどで尾崎漁港に到着。
誰もいないはずの駐車場が賑わっているのは、土曜日限定で水揚げされた魚の朝市が行われているからであり、
これで撮影場所は限られてしまったが、幸い撮りたい場所から狙えたので助かった。
朝から威勢の良い声が飛び交う中での撮影。
夜明けは遅いと思っていたが、日の出が6時40分なので、6時の時点で既に西の空は明るくなっていた。
現場に早く着く必要が無いのでのんびりしていたら、ブルーアワーのタイミングを逃すところで、
まだ外灯も点灯していたので早朝夜景を撮影することが出来た。
干潮のピークは過ぎていたが、これから潮が満ちて行くので潮位は低く、
漁船が並ぶ光景に立体感が生まれ、海も綺麗な朝の色に染まってちょうど良い。
これが満潮であれば海面が漁船に埋め尽くされて単調な光景になっていただろう。
潮が動けば漁船が揺れて、スローシャッターだとブレてしまうので、
本意ではないが絞りを開けてなるべくシャッタースピードを稼ぐ必要があるが、
これが写真を引き伸ばした場合、フラットになってしまうのが心配だったりする。
あくまで静寂な朝を演出するには、漁船の動きをどうしても止めたい。
それでも今朝は風が無いので条件はかなり良いほうである。


※太陽が昇る頃には外灯はすべて消灯される




太陽が顔を出したのは6時50分頃。
眩しい太陽が顔を覗きだし、まさにダイアモンド富士ならぬダイアモンド尾道。
尾道大橋の真ん中に上がったので、典型的な日の丸構図だがこれは想定内で、
真ん中に太陽を輝かせることで、太陽の存在感をアピールさせることが出来た。
尾道大橋はあくまで脇役であり、今回の主役は太陽なのである。
PM2.5がやや多い予報だったのが心配だったが、特に撮影に支障は無し。
かぎろいを狙わないのであれば、むしろ少し霞んだ方が空が染まって良い。
太陽が完全に顔を出したところで朝市のおじさんが、今がシャッターチャンス!と言ってくれたが、撮影は終了。
以前から撮りたいと思って構図を頭に描いていたが、理想の絵に近い撮影が出来たと思う。
橋梁の塔頂部に太陽が移動すれば面白い写真が撮れると思っていたが、
残念ながら時期が少し遅かったのでまた今度。
朝一では茹で上がったシャコの販売が行われており、
お土産に買って帰ろうかと思ったが、それもまた今度ということで。






※こちらは12月末が理想。


天寧寺三重塔と千光寺

写真館 二千年一夜