田尻のダルマ朝日〜広島県福山市

3月の3連休は田尻漁港がカメラマンで賑やかになる。
今年の3連休は天気が良いので、1年振りにダルマ朝日に挑戦。
17、18日と2日連続でダルマ朝日が現れたので2日あることは3日ある!と信じて田尻へ向かった。
気温は2度と放射冷却で冷え込んだ朝。
フロントガラスは僅かながら凍っていた。





現地に着いたのは5時30分頃で西の空は明るく、冬らしい空から春へと変わりつつある。
海岸沿いは3連休の中日というだけあって多くのカメラマンの姿が見えるが、
私は去年から少し小高いところから狙っており、こちらは誰一人としていない。
山の斜面よりも海岸沿いの方がダルマ朝日が見えやすいので当然と言えば当然だが、
個人的には小高い所の方が海を立体的に見せられるのと、
同じ写真を撮っても面白くないので、遊び心で狙っている。

PM2.5予報は少し多めだが黄砂は発生しておらず水平線上は灯りも見えて条件は良く、
このまま行けばダルマ朝日は確実だったが、
時間が経つにつれて市街地から怪しい雲が流れてきた。
JFEから発生する水蒸気が雲海となって流れているのかどうかわからない謎の雲だが、
幸い水平線上にかかることは無い。
しかしクリアに見えた水平線上の灯かりも次第に霞で見えなくなり、
いつもの春霞の酷い朝の空へと変わっていった。

6時15分の定刻時刻を5分過ぎて謎の雲海から太陽は顔を覗かす。
このまま機材を片付けて帰ろうかと思ったが、
去年はここから日の出撮影をしていないので、今後の構図の参考のために1カット撮影。
海岸沿いならテレコン付けて超望遠撮影も有りだが、
小高い場所なら300mmで瀬戸内海を広めに入れた方が絵になるので、
次回から重たい機材を準備する必要は無いかな。
去年の今頃は杏が5分ほど咲いていたが、今年はまだ蕾のまま。
どうも今年は開花が遅いようで、来週末に見頃を迎えるかどうか微妙である。
となると桜の開花も例年より遅いかもしれない。


※小高い場所だからこそ広めに海が写る

田尻の菜の花畑

ダルマ朝日のショックから立ち直るべく、
近くにある菜の花畑に寄ってみた。
ここは瀬戸内海を背景に菜の花がとれる貴重な場所だが、
電線が入るので個人的には避けてきた場所だった。
電線が気になるのなら気にならないように仕上げれば良い。
そう思うようになったのは棚田撮影が良い経験となり、
今回は敢えて電線を入れて構図を練ってみた。


※電線を目立たなくするために国旗と絡ませてみる

太陽が出ているが花粉とPM2.5のお蔭でさほど眩しくなく逆光で菜の花を撮っていく。
空が白飛びせず、菜の花を潰さないようにする、ソフトで修正すれば簡単だが、
1発勝負のポジフィルムの逆光撮影は露出が難しい。
撮ってみれば意外と面白いもので、今まで避けて通ってきたのが勿体ないくらいだった。
電線は何とかならないのだろうか!?といつも思っていたが、
国旗のお蔭であまり目立たないようにしてくれて嬉しい演出だった。
田尻ではあれだけたくさんのカメラマンが集まるのに、
不思議と朝の菜の花畑にカメラマンの姿は見かけないが、
ダルマ朝日とセットで訪れるのはオススメしたい。


※電線が無ければ綺麗な段々畑の菜の花なのだが・・・望遠で一部切り取って撮影

午後から田尻に再訪問。
PM2.5の予報がやや多いになっていて空が白く染まっていたので撮影は抜きにしてドライブ気分で訪れた。
14時過ぎに現地に到着。
思ったほど上空が青かったので1カットのみ撮影。
杏が咲いていれば良かったのだが、
今年の杏の開花はやはり遅い。
15時くらいになって太陽が傾き出すと黄色の深みが増して見えるように感じる。
撮影は適当に切り上げて菜の花畑の周辺を散策。
撮影するにはあまりにも障害物の多いスポットだが、
美しい瀬戸内海と菜の花が楽しめる場所はそう滅多に無いので、
誰かと散策するには十分過ぎる最高のスポットだと改めて気付かされた。





写真館 二千年一夜