土佐横浜みなと未来祭り〜高知県高知市

今年のGWは特に予定を立てていなかったが、
せっかく7日まで休みなら、高知まで日帰りで行くのも悪く無いと数日前に急遽予定を立てた。
2年前に告知無しで始まった小さな花火大会が今年も5月5日に開催されるが、
今年は何と去年4000発を大きく上回る15000発を打ち上げる情報が入ってきた。
ただ単純に玉数が増えても大概良い花火大会にならないが、
内容を詳しく見ると直径60メートルを超える大玉が約8500発、尺玉も210発が用意され、
四国で一番の質と量を目指しているというからかなり期待出来る。
このお祭りの経緯についてはいろいろあるが、
今年のGWはせっかく見れるチャンスでもあるので、ぜひこの眼で土佐の心意気を感じることが出来ればと思う。

せっかく高知へ行くのなら1泊2日は無理としても、せめてどこかの撮影を絡めて行きたいところだが、
何せ急遽決めたことなので無計画、桂浜やかずら橋などもGWは相当の混雑らしいので今回は花火のみ集中することにした。
9時30分に家を出発。
しまなみ海道を渡って下道で時間をかけて行くことも考えたが、
初めての花火大会だけに早めに会場入りしたかったので瀬戸大橋経由で高速を快走。
交通量は多かったが渋滞は無く、天気も良くて瀬戸大橋を渡れば海が青く、高知道を走れば緑が綺麗でまさに絶好のドライブ日和となった。
高知に着いたのは13時頃。
市街地に車を止める前に会場を下見しておきたかったので、まずは灘漁港へ向かう。
漁港内に目ぼしい場所は無く、思いのほか狭いのでかなり混雑が予想されるが少し離れた堤防からだとのんびり撮影が出来そうな感じ。
花火が打ち上がる玉島と台船の間隔があるので、ワイドの演出を撮るのに良いかもしれない。
漁港側に寄って漁港を絡めて撮れば雰囲気はあるが、その分、花火の迫力は欠ける。
当初は漁港東側の堤防から狙うつもりだったが、
堤防が思いのほか高く撮影出来そうな場所といえば漁港から1キロほど離れたところくらいだろうか。


※葬祭会館附近。のんびり観覧が出来そうな予感



時間に余裕があったので、近くにあるうどん屋で昼食をとり木材センターの仁井田会場へ足を運んでみた。
桂浜の渋滞にはまり会場に着いたのは15時頃。
公式HPでは駐車場は無いことになっているが、木材センターという場所柄から道路が臨時駐車場になっており、
この時間帯でも十分余裕があった。
高い建物は無く見ようと思えばどこからでも見られる好条件。
ただ会場内はサルベージ船が停泊して、見れないことは無いが撮影するには支障がある。
むしろサルベージ船をシルエットにすることも考えたが止めておく。
サルベージ船のワイヤに吊るされた鯉のぼりが何とも微笑ましい。
現地調査のつもりで仁井田会場へ来たが、あまりにものんびりした雰囲気に心惹かれてそのまま居座ることにした。
灘漁港会場に比べると露店ブースの数も多くステージイベントやよさこいパレードもあり、お祭りの雰囲気を楽しむことが出来るが、
観覧するには800m以上離れているのと、灘漁港の堤防にパイロ系があるので、
撮影するには程よい距離だが観覧するには若干物足りなさを感じるかもしれない。


※会場から少し離れた場所。このように見ようと思えばどからでも見ることが出来る。


※風向きは良かったが次第に風は止んできた


※高知のご当地グルメブースも出店。
王様の島
と「土佐の食1グランプリ」で優勝し、「第1回四国食1グランプリ」で準優勝したしまん豚のハラミ串。

お腹が空くだろうとせっかく高知まで来たので、
高知らしいものを食べようと出店ブースで物色。
長い行列を待っている間によさこい踊りのパレードが始まり、
花火だけ見るつもりの旅が、僅かながら高知の旅を楽しむことが出来て良かった。
定刻時刻が迫りつつあるが、思ったほど混雑は無かったのは高い建物が無いのでどこからでも見られる会場の良さだろうか。
ただせっかく広い観覧スペースにサルベージ船が止まっているので、
相当な場所が空白状態になっていたのが勿体ない。





上空には厚い雲が広がり明日の雨の予報が前倒しになるのではと心配したが、どうやら大丈夫そうだ。
プログラムによると19時35分からオープニング花火が始まり、
メッセージ花火、20時から花火大会がスタートとなっていた。
長丁場になりそうなので本格的に撮影するのは20時からにしようと決めていたが、
いざ19時35分のオープニング花火が始まってみると、本格的に打ち上げるものだから焦ってしまった。
台船と灘漁港の堤防から上がるパイロ系が音楽に合わせてタイミングよく上がり、
音楽の終盤に玉島からも上がって迫力ある演出になる。
時差式や八方咲、芯入の割物など普段見ることの無い質の良い玉が大小タイミング良く上がるので撮影していて面白い。
メッセージ花火は今年は2回に分けて披露される。
全国有名処の花火師による10号玉は、まさに贅沢と言えるメッセージ花火ではなかろうか。
フィナーレは豪華に銀冠菊で終わり会場から一斉にペンライトで花火師にメッセージを送る。
これで終わりかと思いきや、何と再び音楽が流れアンコールにもう1部用意されていた。
先ほどのフィナーレで上空に相当の煙が停滞していたのは残念だったが、
錦冠菊が打ち上がる光景は、まさに高知の子供達の心にしっかり焼き尽くされたに違いない。
これが実行委員会が伝えたいことだったのだと、
高知県内の多くの企業は人達の協力を得て大きく成長した理由がわかったような気がした。
この様子だと来年は2尺玉が上がるのも時間の問題かもしれない(笑)
これほど多くの企業が協賛しているのに、何故か公共機関が一切協力していないのが不思議でならない。
今年はバスの臨時便も無く公共機関での来場を呼び掛けていたが、
あの混雑の中ではかなり過酷だったのではないだろうか。

花火終了後も単発が打ち上がり、まさにお見送り花火。
今までいろんな花火大会を見てきたが、花火の質はもちろんのこと、構成、演出、運営など本当に素晴らしかった。
アナウンスや音楽が届かない会場外に居たらきっとこの感動は半減していたと思うと、
仁井田会場内で観覧して良かった。
灘漁港の会場ではどんな様子だったのか気になるが、
もし来年も行く機会があれば、やっぱり仁井田会場を選びたい。
観覧近くに車を止めたお蔭で木材センターはスムーズに出ることが出来たが、
県道が思うように進まず高知道に乗ったのは21時50分頃。
南国SAで土佐赤牛を使ったハンバーグを食べて遅い夕食。
最後まで高知を満喫した旅となった。



写真館 二千年一夜