菊池渓谷〜熊本県菊地市

21時00分、ハウステンボスの花火が終了後、菊池渓谷を目指す。
深夜移動になるので高速道路は使わず、眠たくなればどこかで仮眠しながらのんびり下道を走る。
思いのほか順調に進み、とりあえず鹿本の道の駅で夜を明かすことにした。
ところがあまりの寒さに熟睡出来ず、かと言ってエンジン付けっ放しは勿体無いので、
夜が明ける前に菊池渓谷に着いてしまった。
しかし夜が明ける前に着いたところで仕方ないので、予定に無かったが外輪山の展望台で何か収穫が無いかと、
まだ行ったことの無いかぶと岩展望台へ行ってみることにした。
5時頃に展望台に到着。
残念ながら強風のため雲海は無くおまけに上空は雲が多い。
気温は4度を示していたが、体感温度はそれ以下。
あまりの寒さに外に居られず撤収。
その近くにラピュタの道で有名な農道がある。
SNSで有名なスポットだが地震で崩落して変わり果てた姿になっていることは知っていたが、
それ以前にかぶと岩展望台付近にあることを初めて知った。
いつか撮りに行きたいと思っていただけに地震の崩落は残念で仕方ない。
結局、これと言った収穫も無いまま菊池渓谷へ戻る。


※かぶと岩展望台より、阿蘇を望むならやはり大観峰が良いかも


※ラピュタの道


※外輪山は放牧が多い

6時30分、菊池渓谷の駐車場に到着。
山奥にある渓谷だが観光地化されている様子が広い駐車場を見て予想が付く。
夏になると多くのカメラマンや観光客が訪れるらしいが、今日はGWでもさほど車が止まっていないので、
上手い具合に散らばったのか、それともGWに菊池渓谷を狙うカメラマンはいないのか。
一応、光芒を狙って菊池渓谷の奥にある広河原を目指す。
震災の影響で先日ようやく復旧公開され、遊歩道はウッドチップが敷き詰められて歩きやすくなっている。
想像した以上に険しさは無く、広河原まで約1キロ、30分で到着した。
期待していた光芒はやはり出ておらず、特に感動した景色に出会えなかったが、
広河原までの道中、気になるポイントに目を付けていたので、
太陽が上がるにつれて渓谷に日差しが当たるタイミングを見ながら撮影していった。


※広河原、7時10分、ここから太陽の位置と共に撮影しながら下流へ戻っていく
 残念ながら光芒は無くさほど感動する景色に出会えなかった。
 太陽の位置が変わればまた違っていただろうか。


※広河原から少し下がった橋の下から。
 7時30分、新緑が日差しを浸透して水面にも日差しが当たり、個人的に一番良かった。
 ただ前方にいつまでもカメラマンが居座り撮影が出来ず、
 かと言って先客なので文句も言えず、カメラマンがいなくなるまで我慢比べ。
 多分、その背後にいるカメラマンも同じことを思っていたかもしれない。
 気に入った場所を早くから待機していれば、入ってきた前方のカメラマンに注意出来て、
 背後のカメラマンからは注意を受けない。
 カメラマン同士の暗黙のルールといったところだろうか。
 ただ個人的には撮影したら背後のカメラマンに配慮して早々と移動するのも大切じゃないかと思う。


※四十三万滝、滝百選に選定されているが落差は無くさほど感動は無い。
 水量の少ない時期は近くまで見れるらしい。


※竜ヶ淵、水の鮮明度と岩肌に日差しが当たってこの場所も良かった。
 8時50分、朝ならではの瞬間。

菊池渓谷は早朝から早く日差しが入り込み、
訪れる時期や気象条件によって景色が変わるところが面白く魅力がある。
時間をかけて散策すればもっと良い場所が見つけられたかもしれないが、
時間の関係と体力消耗につき9時過ぎにタイムアップ。
なかなか訪れることが出来ず、今回ようやく訪れることが出来たが、
また機会があれば今度こそ光芒に出会いたい。
朝も良いが午後の日差しだとどんな光景が見れるのだろうか。
ただすれ違う観光客が増えてきたので、思い通りの撮影は出来そうにないかもしれない。
あれだけ広かった駐車場がほぼ埋まっており、
お土産屋さんも開店して川魚の香ばしい匂いが漂っていた。


七滝〜熊本県御船町

菊池市を一気に南下して宇土市へ行く予定だったが、
行くには早すぎるので明日予定していた御船町の七滝へ向かう。
国道445号線を御船町から矢部町へ。
七滝郵便局の交差点に案内板が有り右折すると駐車場がある。
11時00分、駐車場から雨で落ちた落ち葉で滑りやすい急な遊歩道に気を付けながら下っていくと滝に到着。
下る遊歩道はあるが滝壺に続く道は無く、滝の正面から狙うには大小の岩を飛びながら向かわなければならない。
落差約40mの滝は発電用水として取水されているので、通常は滝から水は流れていないことは事前に知っていたが、
今日は数日前の雨のお蔭で大量の水が落ちて本来の姿を見せてくれた。
今でも行われているのかわからないが、
毎年5月第二日曜日に滝祭りが行われているようで、その時にも放水されるらしい。


滝の周りの新緑や滝壺に日差しが当たっているが滝が影になって露出設定が難しい。
広い滝壺が魅力的で訪れたが、水量が豊富だったことは予定外の嬉しい誤算だった。


おこしき海岸〜熊本県宇土市

御船町から西へ走り国道57号線を走って今日のメインであるおこしき海岸展望所へ向かう。
有名な撮影場所なので大勢のカメラマンが早くから来ているに違いないと、
今日は午後の撮影をすべてここに集中するために早々とやってきた。
13時前に展望所に到着。
国道から展望所までの道のりが驚くほど狭く、
普通車が辛うじて通れるようなミカン畑の農道がずっと続くが、
運転の自信の無い人や大型車は国道からすぐ入った所にある臨時駐車場に止めた方が無難である。
撮影現場は想像していた以上の広く、逆にどこで撮影しようか迷ってしまう。
早めに来て三脚を立てらせておこうと思ったが、
これなら三脚を立てる必要も無さそうだったので様子見。
それでも先に来たカメラマンはどうしてもそこで撮りたい拘りがあるのか、
早々と三脚を立てらせていた。
その後、近くの道の駅で昼食を食べながら三角線を撮影しようと思ったが、
おこしき海岸の展望駐車場が20台しか止めるスペースが無く、
もし止められなければ遠い臨時駐車場から30分ほど歩いて展望所へ行かなければならない。
そのリスクを避けるために道の駅でのランチは断念して、
コンビニで弁当を買って駐車場に戻って食べることにした。
大した昼食ではなかったが、有明海を目の前に心地良い風に当たりながら食べる昼食は最高だった。



今日の気象条件は干潮17時22分:49cm 日の入り19時02分。
干潮が二桁台と少し高めだが、日の入りに干潮が重なりしかもGW期間であれば行かない訳が無い。
来た時は潮が高く干潟は見えなかったが、
時間が経つにつれて徐々に干潟が現れていった。
普通の干潟ではなく、綺麗な三日月の形となって現れるのだから不思議である。
今日は不思議とカメラマンの姿はあまり見かけず、
観光客が来ては少し滞在して帰りまた観光客が訪れる。
その繰り返しで駐車場は意外と17時頃まで満車になることは無かった。


※地主のご厚意で私有地が綺麗に整備されて見学ポイントは広い。
 展望台は三脚撮影は不可だが手持ちで撮影は可能。

高低の差で干潟の構図が若干変わって来るので、カメラマンの好みで撮影場所がわかれる。
太陽の位置が変わるにつれて山に影が出来て立体感が生まれて、
決して夕方だけがシャッターチャンスとは限らないのが面白いところで、
干潟が完成していれば24時間違う条件で見てみたいと思った。
時々、三角線が海岸沿いを走るので干潟と一緒に撮影。
調子に乗って撮影しているとフィルムが底を付きそうなので適当に切り上げて夕方を待つ。
最初は早めに来てもすることが無いから仮眠時間に充てていたが、
ずっと見ていて飽きない景色に仮眠することを忘れてしまい、
気付けば太陽は随分傾いていた。


※左:下段ポイント、右:上段ポイント、カメラマンによって好みが分かれる。

今の時期、春霞で普賢岳は見れないことが多いかもしれないが、
PM2.5の予報が少ないので微かに期待はしていた。
その期待に応えるかのように今日は本当に綺麗な青空が広がり普賢岳もはっきり見える。
この気象条件のタイミングに普賢岳が綺麗に見えるのは奇跡かもしれない。
ただ欲を言えば秋のような薄い雲があった方がアクセントがあって絵になる。
今日は雲が無いのでいつまでも眩しい日差しが続いて逆光撮影に悩まされた。
敢えて太陽を外して展望台の影から干潟を撮影し、
太陽が普賢岳に隠れたタイミングを狙って干潟と普賢岳を一緒に撮影。
今日は良い景色に出会えたと満足感で一杯だったが、
実は以前はもっと綺麗な三日月形をしていたらしい。
風が強かったのか温暖化で海底の砂が変動しているのか理由はわからないが、
確かに案内板の載っている写真に比べると干潟に統一感が無かった。



太陽が隠れて30分後のブルーアワーがこの日のクライマックスとなり、
19時40分、遠い島原に街の灯かりが見える頃に撮影は終了。
干潮のピークも過ぎて徐々に干潟は消えていき、
いつしか満車だった駐車場も数台しか車は止まっていなかった。
明日の早朝に狙うのも面白いかと思ったが、
干潮が140cmとかなり高く干潟はあまり出そうになかったので止めた。



明日の撮影予定を予習して車を八代の山奥へ走らせる。
22時頃に美里の道の駅で力尽き、足湯に入って疲れを癒して今日はここで車中泊。



写真館 二千年一夜