通潤橋、五老ヶ滝〜熊本県矢部町

GW3日目は大雑把な予定は立てていたが、
早朝の撮影をまだ決めかねていた。
当初、雲海を狙いに二本杉展望台まで行った後、
そのまま八代の山奥にある滝の撮影を予定していたが、
ガソリンが少なくなり、山都町内のガソリンスタンドがGWに開いている保証も無く、
ガソリンスタンドを探すだけの余裕は残しておきたかったので、
苦労して行った甲斐も特にこれと言った収穫の無く二本杉展望台からUターンして下山した。
夜明けの通潤橋に行けば面白い写真が撮れるかと淡い期待を抱きながら急遽予定を変更。
5時20分、通潤橋の道の駅に到着。
以前訪れたことがあるが、観光客の多さに撮影はしなかったことだけは憶えている。
観光客に向けて放水が行われるらしいが、
現在は震災の影響で放水は行っていないらしい。
それだけに僅かながら放水が行われいるのを見て驚いたが、
放水といういうより溢れた水がこぼれているようにも見える。
通潤橋の背後から太陽が昇るため橋が暗くて早朝撮影には向いていなかった。
それでもシルエットにでもなればと近づいてみるが、
震災による修繕工事で近づくことが出来ず、撮影は疎か現地調査すら出来ない。
大回りして反対側にも行くことは出来たが、
背後の道の駅がどうしても隠れないので、
撮影するなら午後の日差しが当たる時が良いかもしれないが、
その時は観光客が入らない奇跡が起きるだろうか。
目の前の棚田に水が貼れば通潤橋が棚田に映り込んで面白そうだが、
九州山間部の棚田に水が張られるのは5月下旬くらいだと思われるので、
その時期に九州へ訪れるのもこれまた奇跡に近い。
シャッターチャンスは5月下旬の午後ということで今回も撮影はお預け。



6時00分、道の駅の近くに五老ヶ滝の案内板があり迷うことなく駐車場に到着。
通潤橋にも行けるようだが、工事中で進入禁止になっていた。
綺麗な階段を下っていくと吊り橋があり、
吊り橋上から五老ヶ滝を眺めることが出来る。
凄い勢いで水が落ちて少し距離が開いていても迫力が伝わって来る。
残念ながら滝壺へ続く道は通行止めになっていたが、
水飛沫で撮影どころではなかっただろう。
人が歩くと揺れて撮影にならないが、幸い朝が早いので静かに撮影。
滝の周辺の新緑に日差しが当たりとても綺麗だが、
滝自体に日差しが当たっておらず露出設定が難しい。
それにしてもこれほど見事な滝が気軽に見れるので、
滝百選に認定しても良いくらいオススメしたい滝であり、
ぜひ通潤橋と一緒に観光してもらいたい。
吊り橋を渡って棚田を見ながら先へ進むと道の駅の反対側から通潤橋を望むことが出来て、
眠気が冷めるくらい気持ちの良い散歩コースだった。




鵜の子滝〜熊本県矢部町

通潤橋の道の駅から県道320号線を南へ進んでいくと鵜の子滝がある。
7時00分、鵜の子バス停から案内板に従って迷わず駐車場に着いたが、
これがまた極端に狭い悪路に苦労した。
後になってわかったが、田所バス停からのルートもあるようで、
そちらの方が無難かもしれないが、滝までの道のりは少し長い。



駐車場から少し歩いたところに早速、つばめ滝の音が聞こえてくる。
ここの渓谷は鵜の子滝の他に、つばめ滝、うなぎ滝、鷹滝などいくつかの滝が存在し、
どれも特徴があり見応えがあるので面白い。
つばめ滝は落差は無いものの、長い年月をかけて出来た光景が面白く、
新緑に日差しが当たると水面に反射して緑の世界が広がっている。



さらに先へ行くと鵜の子滝が見える展望台に到着。
大きな二段滝で上段が鷹滝、下段が鵜の子滝と呼ばれているらしい。
展望台からだと遠くてあまりよく見えないのが残念だが、
時間と経験があれば滝壺付近まで行けるのかもしれない。
滝壺には行けないが、先ほどのつばめ滝から鷹滝の落ち口まで行くことが出来る。
比較的、気軽に行けるが自信の無い人は間違っても近づかない方が良い。



展望台からだと滝はあまり見えないが渓谷の景色は絶景で、
鵜の子大橋やうなぎ滝も見える。
この先まだ遊歩道は続いているがここで引き返すことにした。


※展望台から見るうなぎ滝。かなりの経験者なら近くまで行けるらしい。


※つばめ滝まで戻ると日差しの当たる範囲が広がり、来た時よりももっと緑の世界が広がっていた。
岩が綺麗に削られているのも自然の不思議な世界であり芸術性を感じる。

県道320号線から国道218号線に戻り竜宮滝へ行ってみた。
悪くは無いが発電所の施設の一部と化していたので撮影する気になれず今回は見送り。



このまま218号線を東に数十キロ走ると高千穂に入るが、
それはまたの機会ということで、西へ戻って聖滝へ寄ってみた。
展望台から遠く見えるが近くまで行く気力が無くここもまた撮影は見送った。

※展望台から滝に続く道があるらしいが案内板は無い。

意外と時間が余ってしまったので再び五老ヶ滝へ寄ってみた。
綺麗な遊歩道で近いからこそ気軽に立ち寄ることが出来る。
9時40分、早朝に比べて太陽が上がり、滝全体に日差しが当たってじるはずなのでどんな景色になっているか楽しみだったが、
何と滝壺に虹をかけて出迎えてくれた。
時間が時間なだけに観光客も何人か来ており、
揺れる吊り橋で待ち構えながらいなくなった一瞬を見計らってシャッターを切った。
いつもはスローシャッターで撮影するが、
これだけ日差しがあれば1/500まで上がるので、動きを止めた姿でも撮影。
どちらが良いかは仕上がって見比べてみないとわからないが、
滝に虹がかかる光景は滅多に出会うことが無いので撮影の結果はともあれ、
その景色に出会えたことが嬉しかった。



山内水天宮大祭花火大会〜福岡県八女市

山都町から八女市まで約100キロ。
下道だと3時間30分ほどの道のりだが、
特に急ぐことも無いのでのんびり国道3号線を北上して八女に向かう。
天気予報は晴れ後曇だったが、午後になっても雲が広がる気配は無く、
移動だけに時間を費やすには勿体無いので、どこかに寄れば良かった。
GW最中だが特に渋滞も無く、遭遇する道の駅に寄りながら八女に着いたのは15時頃。
着いた途端、号砲が鳴り響いて驚いた。

とりあえず水天宮の隣にある空き地が駐車場になっているので車を止めて現地調査。
花火は県道と国道を挟んだ中州の土手に設置されていたので、どこから撮影するか検討する。
川花火なので川の水面を入れたいところだが、目の前に電線が走っており、
電線が無くても橋上は通行止めにならないので撮影も観覧も出来そうに無い。
河川敷は突然増水する恐れがあるらしいので、注意書きが無いが降りると怒られそうだが、
その河川敷に文字と富士山の仕掛けが設置されていた。
何とか祭りの雰囲気を出したかったが、これといった場所が見つからず断念して反対側を探してみた。
ところで、調査しているうちにどこか見覚えのある光景だと思ったが、
去年の夏に隣町である上陽町へ訪れた時にこの附近の道を通っていた。
時期は違えど近距離で花火大会が行われるのも珍しいのではなかろうか。


※小さな水天宮と小規模な露店群

会場から国道を歩いて反対側に来てみた。
土手から川を入れて撮れないことも無さそうなので、
いくつか候補地を決めて構図を練る。
橋を渡って畑の道を歩いて県道に出るが、
この県道は通行止めになるので撮ろうと思えばどこからでも撮れる状況である。
最終的に風向きと相談しながら夕方になるまで車内で待機。
今の時期、エアコンを付けなくても窓を開けているだけで心地良い風が入って来るので、
待ち時間が苦にならず、しばし仮眠をとった。



18時00分、何やら会場が賑やかになってきたと思えば子供太鼓が披露されていた。
近くの球場では少年野球杯も行われていたらしく、そういえば今日は子供の日だったことを思い出した。
このお祭りもこどもの日と何か関係があるのだろうか。
来た当初は東から西へ風が吹いていたが、
夕方になって風向きは反対に変わり、祭りの雰囲気を味わえないのは残念だが東側から狙うことにした。
川を入れることも考えたが、ビニールハウス群を前景に構図を練る。
上手く行けばビニールハウスが花火に反射して面白い絵になるかもしれない。
西の空は綺麗な雲が広がり、今日のおこしき海岸は昨日とはまた違う光景が見れたかと思うとちょっと後ろ髪が惹かれてしまった。
19時30分から花火が打ち上がるのなら、ブルーモーメントを背景に花火が撮れると期待したが、
会場で何が起きているのかわからないまま定刻時間は過ぎて19時45分から花火が打ち上がった。
打ち上げ数は公表されていないが1000発は無さそうなくらい小規模な内容で、
保安距離からして3号玉くらいまでだろうか。
単発とスターマイン、時々、型物と裏打ちという演出。
この内容は去年の夏に見た上陽とさほど変わらないが、
同じ高田花火が担当しているので打上方や玉の種類が豊富で見ていて面白い。
派手な演出は無いが最後は怒涛の銀冠菊で締めてとても見応えがあった。
この規模で45分も上げていたのだから、高田花火の現場を身近で見られる地元の人達が羨ましく思った。



これでGWの撮影は1日を残して終了。
今回は念願だった菊池渓谷とおこしき海岸に行けて良かった。
佐賀へ戻る道中、川に映り込んだ昇降橋が見えたが、
そういえば旅の始まった時は強風だったことをすっかり忘れていた。
今年のGWは風が強かったものの晴天に恵まれて最高の撮影日和だった。



写真館 二千年一夜