清瀧寺徳源院〜滋賀県山東町

朝から目が覚めるような青空が広がり、標高の高い山間部には薄ら雪が積もっていた。
朝の支度を済ませて今日の最初の目的地である米原へ向けて岐阜羽島を出発。
国道21号線を西に向けて走り柏原駅を過ぎた所で右折すると清瀧寺に着く。
9時40分、あれだけ青空が広がっていた岐阜県内の上空も関ヶ原に入った辺りから雲が出始め、
やはり山間部になるとそう簡単に撮影はさせてくれそうになかった。







境内周辺の紅葉は綺麗に色付いて朝の日差しを浴びて輝いているように見えて美しく、まさに紅葉の真骨頂。
さっそく清瀧寺に入って庭園を撮影。
真っ赤に染まる紅葉と敢えて落ちたままにしている紅葉の絨毯が美しく、
思わずシャッターを夢中で切っていた。
三脚が使用出来ないが日差しがあるとシャッタースピードが上がるので、
PLフィルター無しで撮影。
時に曇ると色に深みがあり、また日差しが射すと色が輝き、
同じ景色でも違う姿を見せてくれるので撮影をしていてい面白かった。
本来なら額縁構図も撮りたかったが、
既に拝観客が入れ替わりで訪れていたので朝一番に来れなかったことが悔やまれる。
しばらくすると団体客がやって来たので撮影は終了。




多良峡〜岐阜県上石津町

これから養老の滝へ行ってもどうせ人が多いし時間も余裕があるので、
ちょっと寄り道して予定に無かった多良峡へ寄ってみることにした。
国道365号線を南へ走っていくとトンネルの手前に案内板があり、
旧道らしき狭い道を進んでいくと残り数百メートルのところで車が止まった。
まさかの駐車場待ちの渋滞である。
すぐに解消されると思ったが、これがなかなか解消されず随分時間がかかってしまい、
結局、駐車場に着いたのは12時前だった。
一応、大垣市内の紅葉スポットとして紹介されているが、
どうしてここが紅葉スポットなのか不思議なくらい山々に色付きは無く、
強いて言うなら森林公園として整備されている所に植えている紅葉が綺麗なくらい。
この程度で多くの観光客が訪れるとは、よほど近くに紅葉名所が無いのか、
どうしてここにこれだけの観光客が訪れるのかがわからなかった。
多良峡に掛けられている吊り橋が唯一のアクセントであるが、
残念ながら紅葉と絡めることは出来ず、
かと言って、せっかくここまで時間を掛けて来たのに何も残せないのは悔しいので、
日差しを浴びた紅葉を撮影したが、時間を費やした割にはあまりにも収穫の無い時間を過ごしてしまった。






養老の滝〜岐阜県養老町

養老の滝に着いたのは13時頃。
予想通りの大混雑に駐車場はどこも満車状態で遠い臨時駐車場まで移動させられた。
滝までの道のりは約30分。
すっかり観光化された滝なので最初は歩きやすかったが、
途中から急な坂道と人の混雑、そして午前中の疲れでかなりくたびれた。
13時40分、養老の滝に到着した時は予想通り周辺に日差しは無く、何とも寒々しい光景だった。
色付きもイマイチで撮影する気になれないが、せっかくなのでシャッターを切る。
それにしても噂には聞いていたが本当に凄い人で、
こんなことを言うのも何だけど、ここまでして滝を見たいのか!?と問いかけてみたい。
以前訪れたのは確か雨の降る新緑の時だったかと記憶しているが、
あの時は人とすれ違う方が珍しいくらい誰もいなかったような気がする。
それが紅葉シーズンともなると景色は一変。
本来、滝の周辺は綺麗に色付きそうなものだが、
それだけ日差しが当たらないということなのだろう。
駐車場まで戻った時は嘘かのような青空と眩しい日差しが射していた。




桑名水郷花火大会〜三重県桑名市

14時30分、秋の日差しは傾くのが早く、
まだ15時になってないのに早く会場に行かないと間に合わないという気持ちに焦りが出てしまう。
既に場所取りは済ませているが、ちゃんと確保されているか心配なので現地へ向かうことにした。
16時00分、5000台止められると言われるなばなの里に到着。
本来無料であるが今日は花火大会ということで1000円分の金券が駐車場代として徴収される。
園内に入れって利用すれば実質駐車場代は無料となるが、
園内に入らないので金券はただの紙切れとなった。
しかし本来、園内利用しない人は駐車出来ない規則なので、
駐車料金として1000円払ったと思えば悔いは無い。



歩いて15分くらいで撮影現場に到着。
昨夜確保しておいた場所は撤去されることも風に飛ばされることも無く、
無事に寒い夜を耐えて守ってくれていた。
筒場を見ると中心部なのは間違い無さそうで、
その証拠に撮影場所はかなり余裕がある中で、
何故か自分がいる周辺だけ三脚の密度が高かった。
正面に拘らなければ河川敷に降りても斜めから狙ってもどこからでも撮れそうで、
噂には聞いていたが16時の時点でも全然余裕で三脚は置けそうだった。
河川敷に車を置くことも出来るようで、早くから来てバーベキューで盛り上がっている人達も多く見かけた。
ただ17時を過ぎると21時まで出ることは出来ないので、少しでも早く帰りたい人は河川敷に置かない方が良い。

太陽が傾くと本当に今日1日は天気が良かったと思うような雲1つ無い夕暮れ空が広がり、
最高の条件が揃っているが花火が打ち上がるのは18時30分と空が暗くなってから。
徐々に人も集まり空いていたスペースも埋まっていった。
対岸のメイン会場がどのくらいの混雑なのか確認してみたかったが、
今回は時間と体力の都合で断念してのんびり桑名の夜景を見ながらのんびり時間を過ごした。
耳を澄ませば辛うじて聞こえてくる会場からのアナウンス。
ということは風下なのだろう。
河川敷でやってるバーベキューの匂いが空腹感が増してきた。
昨夜は強い風が上流から下流に向けて吹いていたので条件は変わらないかと思ったが、
今の風向きなら少し上流から狙うのが正解かもしれない。



18時30分、伊勢湾台風犠牲者の追悼花火で幕が上がる。
さすがに700m以上離れていれば花火の迫力は無いと思っていた次の瞬間、
最初の2尺玉が打ち上がり、大勢の人達から歓声が沸いた。
この距離でこの迫力ならメイン会場だと撮影どころではなさそうで、
そう考えるとこの場所は撮影、観覧共に程よい距離感だった。
プログラムを見ると単発などは無くスターマインがメインで展開されていき、所々に2尺玉が打ち上がる。
そして中盤に桑名の花火を一躍有名にさせたNTN協賛のスペシャルプログラムが用意されていた。
スターマインは特に撮影せずに観覧しようと思ったが、
連発の中に大玉を入れたりして打ち上げからが面白く、
また担当される武舎煙火の演出を撮影する機会も無いのでタイミングを見てシャッターを切った。



19時になる前にNTN協賛のスペシャルプログラムが行われる。
アナウンスは辛うじて聞こえるが内容まではわからないのでライブ感が味わえないのが裏観覧の宿命だろうか。
「夏の星座が輝く銀河への旅」と題して3部構成となっており、
「987(くわな)」の花火でカウントダウン、そして2尺玉同時打ちでスペシャルプログラムの幕が上がった。
このプログラムだけ伊那火工堀内煙火店が担当しており、
第一部はオープニングステージとして新作、芸術玉の共演。
第二部はミュージック花火、
第三部はファイナルステージという構成で、
この3つのステージの間に2尺玉が17発も上がるのだから想像すら出来ないようなプログラムになっている。
堀内煙火店といえば宮島水中花火大会で馴染みある花火業者ではあるが、
本当に同じ業者なのか!?と思うくらい演出に差があり、
ミュージック花火は本当に圧倒された。
噂には聞いていたが確かにこれを見てしまうと桑名の呪縛から逃れられないかもしれない。
そして早くも来年も絶対行きたい!と思ってしまった。



NTNのプログラムが終わっても花火大会はまだまだ続くが、
メイン会場ではそろそろ帰り支度を始めている人達もいるのではないだろうか。
さすがに撮影メインの裏会場では帰る人はいないが、
画像のチェックをして盛り上がっている人が多く、
既に気持ちの中では花火大会は終わっているのかもしれない。
最後は空中ナイアガラと15号玉で約1時間の花火大会は終了。
秋の延期開催なので例年よりも短縮されているらしいが、
2尺玉は予定通り21発が打ち上げられ、本来の花火大会に近いものを見れたのではと思う。
メイン会場で雰囲気を味わってこそ写し出される写真に想いが篭るものだが、
裏観覧の快適さから今度はメイン会場で撮ろうと思う時が来るだろうか。
でも一度くらいはメイン会場から見てみたい気持ちもあるが、
正面附近は殆ど指定席、協賛席となっているので難しいかな。

帰りは相当の混雑を覚悟したが、係員のスムーズな誘導で意外と早く出ることが出来た。
さすが1000円払っただけのことはある。
途中、晩御飯を食べて岐阜羽島の宿に戻ったのは22時30分頃で、
通常期ではまず考えられない早さで戻ることが出来た。
11月の開催ということで例年より早く終わり、
夏のような暑さも無く本当に快適な1日だったので、
台風でまた11月に延期になればと不謹慎ながら思ってしまった。



写真館 二千年一夜