九州一花火大会 in ハウステンボス〜長崎県佐世保市

前回の九州の旅で知った番所の棚田に行きたくて、
彼岸花が咲く9月に行けないものかと考えていた。
今回は定額で3日間、九州圏内の高速道路を走れる九州よかよかドライブバスを利用して、
初日に九州一花火大会、二日目に番所の棚田からスタートして各所の棚田を回り姶良市まで足を伸ばす計画を立てた。


2013年から始まった九州一花火大会、
ちょっと縁が無く5年振りの観覧となった。
家を出発したのは6時頃で3連休の初日だったが特に渋滞することもなく順調に車を走らせ、
12時前には佐賀に着いた。
ちょっと休憩して13時過ぎにハウステンボスに向けて出発。
いつもは下道で向かっているが、今回は高速道路乗り放題なので久々に高速道路を利用して向かった。
1時間ほどで着くはずだったが、バイパスで渋滞して結局下道とさほど変わらず、
現地に着いたのは14時30分となった。
駐車場の確保を済ませるために早めの現地入りをしたが、
お目当ての公式には載っていない臨時駐車場はまだ余裕があった。
ちなみにJRAの駐車場は15時30分、17時00分と2回に分けて開放されるので、
タイミングが良ければ夕方に訪れても車を止めることが出来る。





当日は雨の予報だったが直前に晴れマークに変わり、奇跡的に青空の広がる晴天となった。
青空の下で見るハウステンボスは日本とは思えない異国の雰囲気があって、
いつか園内から花火を見たいと思っているのだが、
夕方からでも相変わらずな値段なので今回も園の外から狙う。
何とも撮影している場所なので軽く現地調査してみたが、
今の時期は木々にまだ葉っぱが生い茂っているので、
冬場よりも園内が見えずらくて絵にならない。
少しでも高いところから狙おうと少し下がったソーラー附近から狙うことにした。


※今の時期は園内が良く見えない。



時間を持て余していたので入場ゲートまで行ってみる。
まだ早いのか思ったほどの混雑は無いが、
たくさんの観光バスが止まっていたので、
九州一というネーミング効果が観光客に受けているのかもしれない。



一旦駐車場まで戻り機材を持って撮影地へ向かう。
誰もいないと思って油断していると先客が1人いたので危うく撮影ポイントを失うところだった。
今回の九州一花火大会のプログラムは、さすが九州一というだけあって凄い内容になっている。
公式には記載されていないが今回も2尺玉5発は健在のようで、
どこで上がるかが注目したいところ。
ただ前回の反省を踏まえてなるべくフィルム消費は避けて撮りたい所だけ押さえて、
後は観覧に徹するように考えていた。
夕方になると人も徐々に増えてきたが、
第一回目の時に比べると渋滞も無く園の外はさほど混雑していないように思えた。
思えば第一回目の時はあまりの激しい渋滞で観光バスは花火の時間に間に合わなかったらしい。
それ以来、早めに現地入りして園内を楽しんだ後に花火観覧のプランに切り替えたのだろう。
駐車場にたくさん止まっていた観光バスを見てそう思った。




※10号玉用、2尺玉用の台船が二台

夕方になると殆どいなかった観覧客が徐々に増えてきたが、
想像するような混雑は無く、虫の音が聞こえてくるくらいのんびりした雰囲気である。
18時10分からオープニングアクトとして和太鼓の演奏が始まり、
18時45分からオープニング花火の打上と共に九州一花火大会の幕が上がる。
会場ではカウントダウンや音楽など賑やかに行われていると思われるが、
1キロ離れた園の外からはその雰囲気は伝わってこない。
ハウステンボスのシンボルであるドムトールンを絡めて撮ることが鉄則であるが、
観覧車の後ろから花火が上がったことを考えると、
東に行けば行くほどドムトールンと花火が離れることがよくわかった。

オープニング花火の後は世界花火師競技会の決勝戦。
国内予選は伊那火工堀内煙火店、国外予選はSLK FIRE WORKSというロシアの花火業者が勝ち進み決勝を戦う。
個人的に楽しみにしていたプログラムの1つであり、
普段、宮島でしか見ることが出来ないので、
どのような演出を見せてくれるのか楽しみにしていた。
約20分、伊那火工ならではの花火だったが前半は和火が多く、それがどう採点に響いたのかはわからないが、
間髪入れずに色物の花火を多く使ったSLKに軍配が上がった。
見る人が見ればどちらが良かったのかは歴然だが、
相変わらず謎の多い世界花火師競技会であった。



この後、競技会の表彰式が行われるので、花火は45分間上がらない。
スケジュールを知らない周りの人は、
もう終わったのか、まだ上がらないのか、何かトラブルでも起きたのか、など軽い騒ぎになっていた。
それもそのはずで、いろんな花火大会が行われるが、
45分間も花火が上がらない時間があるのも全国的に珍しい。

長い休憩を挟んだ後は、待ちに待った尺玉品評会により第二部がスタート。
全国有名花火師15社が尺玉を1発披露して品評するプログラムで、
これが見れるだけでも来る価値がある。
内容は事前に公式でアップされていたが、
玉名を見るだけでもどのような花火が上がるのか楽しみにしていた。
1つだけ誤算だったのはドムトールンから離れたところから上がったので、
縦構図だと観覧車が半分切れてしまい何とも中途半端な絵面になってしまい、
かと言って横構図だと尺玉の迫力が伝わらない。
結果的にどう写っているかは仕上がり次第だが、
もし次回があればまた撮影場所を検討しなければならない。



品評会の次は大玉100発乱れ打ち。
大雑把なプログラム名だが、
実際に大玉だけが上がるのでなく、
大小さまざまにいろんな所から花火が上がる。
前回も思ったがまとまりの無い内容で、
このパートは特に撮影することは無いと思っていたが、
まさかここで一気に2尺玉を5発、その中でも2尺玉3発同時打ちが来た時は度肝を抜いた。
ただ大玉100発一斉打ちで上空がまだ煙が掃けていない中ですぐ2尺玉3発同時打ちをしたのはあまりにも勿体無い。

フィナーレを飾る最後のプログラムは、
5分間に5000発、6か所から約1キロに及ぶワイドスターマイン。
西日本でもここだけというだけあってまさに九州一に相応しいプログラム。
近くで見るとさぞかし凄い体感を感じられるが、
芸術性も統一性も無く、大玉も上がらないのでシャッターチャンスは思いのほか無いが、
これだけの物量を煙に隠れることなく綺麗に見えたのは良かった。

21時00分、すべてのプログラムが終わり余韻に浸ることも無く早々と撤収。
臨時駐車場に殆ど動きは無く、すんなり駐車場を脱出。
前回は凄い渋滞でなかなか帰れなかったので、
今回は指方バイパスを通らず県道141号線をずっと北上して針尾バイパスに合流して、
特に渋滞に遭うことも無く西九州道に乗ることが出来た。
いろいろ改善されれば本当に九州一に相応しい花火大会になると5年前に思ったが、
相変わらずなところはさほど改善はされていなかった。
園内に入ってお金を落としている訳ではないので苦言する資格は無いが、
もう少し工夫すればもっと良い本当に九州一に相応しい花火大会になるに違いない。
今後どのように成長していくのかまたいつか訪れる時まで見守っていきたい。



写真館 二千年一夜