枕木山〜島根県松江市

GW前半戦は美保関のツツジが見頃を迎えているので、
美保関へ行くならと枕木山の雲海を狙ってみることにした。
1時頃に家を出発。
途中休憩を挟みながら現地に着いたのは4時頃。
現地と言っても途中から私道で一般車両は通行止めになるので、
広い空き地に車を止めて1.5キロほど暗い夜道を歩かなければならない。
山門から上がるルートもあるが、こちらは500mと短いが山道を歩くのは怖い。
何年か前に現地調査で枕木山へ来たことがあるが、
事前調査不足で私道から先へ行くことを断念して、
結局、どこが雲海撮影ポイントかわからず終いだった。
今回はしっかり調査して枕木山の山頂にある華蔵寺の展望台を目指した。
途中、紛らわしい分岐点があるが何とか華蔵寺に到着。
第一展望台の案内板に沿って境内外を歩いて何とか到着した。



目の前に広がる中海と大根島、視界が良ければ大山や弓ヶ浜が綺麗に見える。
時間帯からして少し夜景が残っており秋なら幻想的な光景が見れたかもしれないが、
今日は生憎の霞みで驚くほどの感動は無かった。
結局、太陽が上がる前に下山したが、とりあえず現地を確認出来ただけでも良かった。
どこかに第二展望台もあるらしいが、案内板は見当たらずどこにあるかわからず、
もしかしたら山門から上がる途中にあったのかもしれない。
テレビ塔からも撮影ポイントに上げられていたが、
草木が成長しているせいか、正確にその場所を特定することが出来なかった。
下る道路沿いからでも視野が開けている場所が1か所あるので、
ワイド構図に拘りが無ければ、苦労して華蔵寺へ行くまでもなくここから狙うのも悪く無い。


※左:華蔵寺、右:車道より 

関の五本松のツツジ〜島根県美保関町

美保関に着いたのは6時頃。
今年の初めに由志園に行った時も思ったが、
道が良くなって随分アクセスが楽になったような気がする。
美保関に来たのは2006年同じくGWの時だったが、
ここのツツジは例年GW明けが見頃なので、その時も少し見頃は早かった。
今年は全体的に花暦が1週間早いので4月下旬なのに既に見頃を迎えていた。
小学生の頃、一度だけ家族旅行で訪れたことがあるが、
その時はリフトが稼働していた。
今はリフトも廃止されて雰囲気的に一昔前の観光名所という感じだが、
その雰囲気がどことなく好きだったりする。
朝早いという訳でもあるがGWなのに観光客の姿は見えず、
海岸沿いには早くから釣り人で賑わっていた。
旅館を見る限り宿泊客がいたので少しだけ安心した。



関の五本松に続くリフトが無いので約15分ほどの坂道を上がる。
12年前は見頃が早かったこともあり、さほど記憶に残っていなかったが、
これほど立派なツツジ園だったことに驚いた。
時間帯的に半逆光ということで、日差しが当たらないように木々に隠れて展望台付近から撮影を行う。
これだけ美しいのにすれ違ったカメラマンは一組だけ。
後に観光客らしき人を見かけると数名程度だった。
海を背景にツツジを持ってくる構図だったが、
大山が一緒に撮れるのは想定外であり、
運が良いのか悪いのか霞で辛うじて大山を見ることが出来た。
美保関の旅館群も入れば良かったが、
逆光になるので狙うなら午後が良さそうだが、
春霞で大山が見えなくなるリスクは避けられない。



数カ所にポイントを絞ってシャッターを切る。
今日は本当にGWなのかと思うくらい観光客の姿は無く、気持ち良い朝を迎えながら撮影が出来た。
以前から美保関のツツジを撮りたいと思ってたが、
ようやくその目標が達成出来て良かった。



五本松公園を下山後、美保関灯台へ寄ってみた。
さほど記憶に残ってないが数年前に来たような記憶がある。
朝は逆光なのでシルエットにしかならないが、
時期的に朝日と一緒に撮れていたかもしれない。
それを考えると枕木山を朝一に選んだのは失敗だったか。





島根半島海岸巡り〜島根県美保関町、島根町

今日の撮影予定はこれで終わりだが、
まだ8時ということもあり、以前から力を入れてみたいと思っていた島根半島海岸巡りを行う。
県道181号線を北上して日本海へ出ると雲津漁港に着く。
特にこれと言ったポイントは無かったが、石州瓦の集落と小さな湾が林道から見えた。
この林道は見るからに新しいので最近開通したものと思われるが、
今年の8月いっぱいまで東に続く工事が行われるので、
もし次に来る時があればどこに繋がっているのか楽しみである。



諸喰漁港を過ぎた辺りから林道沿いから浸食した島々が見えてくる。
所謂、美保の北浦である。
残念ながら東端の地蔵崎から七類湾までの全貌は見えないが、
林道が開通したお蔭で所々、木々の間から見ることが出来る。
もし時間とお金があればクルージング船で見学することも可能らしい。
諸喰を過ぎてしばらく走っていると、エメラルドグリーンをした法田地区の小さな漁港に着く。
漁港町が多いのでゴミが目立つのは仕方ないが、海水の透明度は驚くほど美しい。
海岸よりも少し小高いところの方が海の鮮明度を出せるので、
どこか良い場所が無いかと探していると、
法面管理用の階段から俯瞰出来る、まさにカメラマンのために作ってくれたかと言わんばかりの場所だった。
9時の早い時間帯がちょうど順光だったこともあり、海をより美しく表現出来た。



海岸沿いに美保の北浦と刻まれた石碑があり、
遊歩道もあったが工事中で入ることが出来なかった。
海水浴場じゃなければマリンスポーツの施設も無いが、
見ているだけで疲れや時間を忘れさせてくれる心地良い場所であった。



隠岐の島行きのフェリーターミナルを過ぎて林道から県道となりしばらく走って9時40分、笹子に到着。
小さな海水浴場があり海の鮮明度が高い。
観光客はおらず地元の人が数人散歩している程度。
何だかプライベートビーチに来たような気分にさせてくれる。
ここも少し小高い所から撮影。
七類港を過ぎた辺りから海岸沿いの海の青さが目立ってきたが、
それだけ海底の砂が綺麗だということなのだろうか。



10時20分、北浦海水浴場に到着。
島根半島随一の海水浴場なのか駐車場やコインシャワーなどが多く見かけ、
きっと夏になると多くの人で賑わっていると思われるが、
今日は誰一人として人はいない。
波打ち際も日本海とは思えないくらい波が静かである。
北浦海岸を過ぎた道路沿いが小高く俯瞰出来る場所があり、
改めて海の鮮明度に驚かされるが、海に沈んだ波消ブロックが目立ったのが残念だった。



北浦海水浴場を過ぎて千酌海水浴場の間から開けた海岸。
海が青いのも青空と強い日差しのお蔭で今日はまさに海岸撮影日和だった。
夏の空と違って雲が無く、海だけではちょっと寂しいので周りの新緑を絡めてみたが、
これがまた青と緑の組み合わせが堪らなく美しかった。



千酌地区を過ぎた海岸沿いに小さな島が目に入り、
ちょっと面白いアクセントに撮影してみた。
特に名前は無い無名の島だと思ったが、後で調べると白カスカ島、黒カスカ島というらしい。
朝や夕方に訪れると違う絵になって面白いかもしれない。



千酌を過ぎた辺りでPM2.5の影響か空の白さが目立ってきた。
風も強くなり遠い海の向こうは白波が見える。
展望台や灯台のある多古地区は前回も訪れた記憶があるので今回は飛ばして加賀の潜戸へ向かう。
遊歩道から見れるとネットに出ていたので半信半疑で行ってみると、
この道がまた悪路で車を大事にしている人は間違っても走ってはいけない道である。
灯台の案内板はあったが、最後の分岐点に案内板が無く、
そのまま真っすぐ下っていくと海岸に出て少しだけ加賀の潜戸の雰囲気が味わえる。
左に曲がりしばらく悪路を走ると灯台へと続く。
こんなところに誰もいないだろうと思いきや釣り人らしき車が一台止まっていたのには驚いた。
残念ながら苦労して来た割にはこれと言った収穫は無く撮影はしなかったが、
後にして思えば記念に1カットでも撮影しておけば良かったか。





マリンプラザしまねに観覧船乗り場があったが、
今日は波が高く欠航になっていた。
食堂もあったが混雑していたので断念。
そういえば朝ごはんも食べていなければ1時から活動しているのでちょっと疲れが出始めた。
県道37号線に入って少しだけ西に走ると須々浦海岸のせんたく岩がある。
下に降りる場所があれば面白い写真が撮れそうだが下る道は見当たらず、
道路から俯瞰して撮影するしかなさそうだった。



撮影予定になかったが、道路沿いを走っているととても綺麗な海水浴場を見かけたので寄ってみた。
大芦浜という地区だが地図には乗っておらず穴場的な海水浴場なのかもしれない。
砂浜の真ん中に防波堤があり、先まで歩くと海の真ん中に立っているようでとても気持ち良くて、
このまま海へ吸い込まれていきそうだった。



今回は島根半島の半分しか下調べしていないので調査はとりあえずここでお終い。
鹿島町の海岸沿いはまた次回ということで。
海の撮影は春よりも夏が良いが、海水浴客がいるとどうしても思うように撮れない。
春霞が無ければもっと海の青さが出たかもしれないが、
今日は風も波も無く、朝の日差しが強かったお蔭で綺麗な海に出会えることが出来た。
ゴミが多かったのは仕方ないが、島根県にこれほど美しい海があったことを嬉しく思い、
また機会があれば寄ってみようと思う。



写真館 二千年一夜