大垣花火大会〜岐阜県大垣市

悪天候で8月末に延期になった長良川花火大会へ行こうと調査していた時に大垣花火大会も延期になったことを知り、
ついでに大垣の花火もどんな内容か調べてみると、
今年は市制100周年を記念して去年までとは違う演出が予定されており、
しかも加藤煙火が担当するとわかった途端、気持ちは大垣へと変わってしまった。
青春18切符を利用すれば交通費も安上がりと思って計画を立てていたが、
再び悪天候で川が増水して再び延期となったことを開催日の前日に発表された。
(ちなみに長良川の花火大会は予定通り8月末に開催されたらしい)
数日後に10月13日に順延されることが発表され、
八代の1週間前の開催、交通費の問題などいろいろ課題はあったが、
それでもどうしても見てみたい花火大会だったので、迷うことなく順延日に合わせて計画を練り直した。

2度あることは3度あると言うこともあるが、
この日は曇りの落ち着いた予報でまず中止になることはなさそうで一安心。
8時30分、青空に恵まれて家を出発。
大垣まで約380K、4時間30分の道のりを事故渋滞なども無く快走していると徐々に予報通り青空は曇空へ変わっていった。
大垣に着いたのは13時頃で、早めに現地入りしたいところだが、
堤防の通行止めが17時からなので早めに行っても仕方ないと思い、
岐阜県内で有名なラーメン店で遅めの昼食を取った。
その後、車で会場へ行ってみると驚くくらい人が少なくて、
本当に花火大会が行われるのか不安になったが、
一応、交通規制の看板があったので開催されるはず。



15時になったので市内のホテルでチェックインして少し休憩した後、
ちょっと暇だったので16時頃に会場へ行ってみると、
相変わらず観覧客は少なく、堤防が通行止めになる17時に合わせて場所を確保しようと思っていた。
ところが堤防での観覧は禁止だと警備員に言われ、
それでも暗黙の了解で観覧者で埋め尽くされるに違いないが、
とりあえずまだ17時になっていないので保険で観覧席の階段最後部に三脚を置いて様子を見ることにした。
それにしても不思議なことに最前列の河川敷には殆ど場所取りがされておらず、
階段最後部にカメラマンや観覧客が固まっているという現象が起きていた。

再び現地に着いたのは18時頃で土手もすっかり規制されていた。
警察がいたので再度土手の状況を聞いてみると、
やはり土手の観覧は禁止されており、主催者、報道などの関係者のみ土手から撮影出来るようになっていた。
普通に考えれば土手下からどこでも観覧出来るが、
撮影となると話は別で土手下だとあまりにも近すぎるので、
たとえわずか数メートルでも土手からの撮影が適していた。
交通規制の地図では確かに立ち止まり禁止になっている区間はあるが、
観覧席後方の土手は禁止になっておらず、撮影出来ないか交渉してみたが、
観覧席が空いている状況で許可が下りることはなく、
どちらにしても19時くらいになると徐々に土手も観覧者で埋まるだろうと思っていたが、
警察の徹底した指導で観覧者は河川敷の方へ流れて行き、
最後まで土手で立ち止まって観覧している人はいなかった。


※何故か前列よりも後方部に人が集中する現象

19時になるとプログラムに記載されていなかったが、
3号玉が1分間隔くらいで打ち上がり、まさにウェルカム花火のようだった。
時間が経つにつれて観覧席は徐々に人で埋め尽くされていったが、
延期になったことを知らないのか、それとも名古屋で大きな花火大会が同日開催だったのでそちらへ人が流れたのか、
大垣花火大会の人気度が例年どのくらいなのかわからないが、さほど混雑も無く19時30分、花火大会が始まった。
プログラムは大きく分けて10部に分かれており、
オープニングは音楽に合わせてワイドスターマインが披露された。
今年は花火業者が加藤煙火になっており最初からどのような花火を見せてくれるのか楽しみにしていたが、
パステルな星を巧みに使い、星の引き、音楽に合わせたタイミング良く打ち上げる演出に圧倒された。
ただやはりあまりにも近すぎて18mmの広角レンズですらはみ出してしまいお手上げ状態で、
土手で撮れなかったことが本当に悔やまれる。
単発は川の上流から打ち上がるので標準レンズでも十分間に合うが、
今日は1台しかカメラを持ってきていないので、単発とスターマインそれぞれに合わせてレンズを付け代える必要があった。
スターマインなら何とか28mmでも足元を入れて撮れるので、
中盤に用意されている100周年記念プログラムである300mワイドミュージックスターマインの時に、
急いでレンズを付け替えて撮影態勢を整える。
音楽はジャズの名曲「sing sing sing」
アップテンポでコミカルなメロディに合わせるには難度がかなり高い曲であるが、
これも見事に音楽に合わせて花火が打ち上がる。
目の前に広がるパイロに空から降って来るパステルの点滅牡丹は溜息が出るほど美しかった。

今大会の目玉と言える300mワイドミュージックスターマインが終わり、
いよいよ最後のフィナーレを迎えようとしたその時、
先週、悪天候で不運にも途中で中止となった土浦の競技玉スターマイン「ヤコブの梯子」が披露されることとなり
それは来場者にとっても嬉しいサプライズとなった。
実は数日前に、加藤煙火の競技玉が上がるとSNSとちょっとした話題となっており、
いつどのタイミングで披露されるのか内心ドキドキしていた。
普段滅多に見ることの出来ない加藤煙火の花火なのに、
さらに滅多に見ることの無い競技玉が見れるなんて本当に夢のような花火大会となった。

20時20分、あっという間の50分でこれほど時間を感じさせない花火大会は久しぶりに経験した。
花火の内容や打ち上げ方はもちろん素晴らしかったが、
選曲やアナウンスのタイミングもライブ感があって良かった。
10号玉の早打ちでは大垣市を舞台にしたアニメ映画の主題歌が流れ、
実はこの映画、8月末にテレビで放映されており、自分も見ていて感動しただけに、
これはもう大垣市民にとっても自分にとっても嬉しい演出だった。
土手で撮影出来なかったことや撮影距離が近すぎて撮影に手応えが無かったことは悔やまれるが、
もしこのスタイルが今後も続くのであればまた訪れてみたい。
その時は改めて撮影場所を検討しなければならないが。

宿泊宿は大垣駅に向かって4キロ弱。
約40分ほどの距離だが暑くも寒くも無く歩いて苦にならない。
しかしアニメ映画の舞台である大垣市だが、
会場からホテルまでそれらしき雰囲気を感じられなかったのは残念だった(笑)




写真館 二千年一夜