高千穂峡〜真名井の滝〜宮崎県高千穂町

令和元年初日は高千穂町の国見ケ丘で迎えた。
この日、初日の出を見るイベントが行われ、
そのイベントを見に来た訳じゃないけど、
雲海スポットである国見ケ丘に現地調査を兼ねて前々から行ってみたかった。
生憎の曇り予報なので雲海が出るのは絶望的だがせっかくなので寄ってみた。
高千穂の道の駅で仮眠を取ろうと思いきやGWの影響か満車状態。
仕方ないのでそのまま国見ケ丘へ向かい夜を明かすことにした。
5時00分頃、疎らだった駐車場に徐々に車がやって来て目が覚めた。
外に出ると風が強くて雲海になる要素はまったく無し。
それでも前日の雨の名残で霧が少し発生していた。
国見ケ丘は 阿蘇山や祖母連山をパノラマで見ることが出来て、
展望台がある訳では無いので撮影場所も広範囲に渡って余裕があり、
その時期、そのタイミングによっていろんな構図が考えられる。
標高500m以上あるのでシーズンである晴れた秋なら雲海に出会える可能性は高い。
これが分かっただけでも次の時のために心構えが出来て良かった。
今日は結局、初の日の出を見ることは出来なかったが、
神楽の舞や記念撮影が行われ、
休憩所ではイノシシ汁が振る舞われ、朝ごはん代わりに美味しく頂いた。





国見ケ丘を下って高千穂峡へ移動。
真名井の滝に近い有料駐車場はボート待ちの人で深夜の時点で満車らしいので、
1キロ近く離れた第二大橋駐車場に駐車。
6時20分の時点ではまだ余裕があったが、
次第に有料駐車場から溢れた車がやってくるので満車になるのは時間の問題であり、
もっと離れた所にある臨時駐車場から歩くかシャトルバスで現地入りとなる。
ただシャトルバスが動くのは10時以降なので行も帰りも長い坂道を歩くことになる。
1キロ離れた坂道も渓谷美が楽しめる遊歩道なので散策するのは苦にならず、
また朝の新鮮な空気を満喫出来て気持ち良い。
高千穂峡の真名井の滝を見るのは憧れていた被写体の1つで、
去年のGW、熊本県内の滝巡りをしている時に、
山都町から高千穂までさほど遠くないことを知り、来年は高千穂へ行きたいと思っていた。
念願叶ってついに真名井の滝に出会うことが出来た。
今日は生憎の曇空なので写真やパンフで見るような姿とは程遠く、
思ったほどの感動は無かったが、自然が作り出した造形美は神秘的で聖域な場所を感じさせてくれた。



真名井の滝といえば必ず見かけるのが滝周辺にいる観光客のボート。
営業時間はGW期間中で7時30分と早めだが、
それでも長蛇の列が出来ていた。
個人的にはボートは入れたくないので早々と真名井の滝の撮影を済ませておく。
日差しがあれば幻想的だが、朝早くから滝周辺に日差しが当たることも無いだろうし、
かと言って時間が経てば経つほど遊歩道は観光客で溢れかえるだろうし、
増水時など悪天候後はボートの営業を見合わせる時もあるので、
これもまたタイミング次第だろうか。
ちょっとした課題を残しつつ真名井の滝を後にした。


うのこの滝〜宮崎県五ヶ瀬町

今日は高千穂を中心に滝巡りを計画していたので、
一度五ヶ瀬まで戻り西から東へと順番に巡っていく。
国道218号線を走って五ヶ瀬まで戻り、中心地を過ぎた所で小さな案内板を見かけた。
8時00分、狭い道を進んでいくと滝を見下ろす場所に到着。
噂には聞いていたが遠く離れていても相当広い滝壺に圧巻。
草木が生い茂って滝壺の全体を撮影するのは難しいが、
生憎の霧雨が止めば何とか撮れそうだったが、
いつまで経っても止まなかったので渋々断念した。



そういえば高千穂へ向かう途中、県境を過ぎた所に大きな案内板を見かけたが、
もしかしたら滝壺へ続く道があるのかもしれないので、
もう1か所の案内板を頼りに行ってみることにした。
8時40分、五ヶ瀬の里キャンプ場の反対側にある狭い道を少し進んでいくと駐車場に到着。
そこから約250mの遊歩道を歩くとうのこの滝の姿が現れた。
周囲は柱状節理に囲まれ滝壺の面積は5000uとスケールは大きいが、
滝自体は幅が細くてどことなく違和感を感じる。
雨が降っていなければ正面から見れそうだったが無理はせず遊歩道から撮影。
うのこの滝は自然の造形美に魅力のある場所で面白い被写体であった。




白滝〜宮崎県五ヶ瀬町

国道218号線をさらに西へ戻り山都町から国道265号線を南下すると再び五ヶ瀬町に入る。
しばらく走っていくと白滝の案内板があり、
狭い山道を2キロほど走っていくと白滝へとたどり着く。
国道に大きな案内板があるので楽に行けるかと思ったが、
意外と狭い道で対向車が来るとちょっと厄介な道であった。
9時30分、白滝に到着。
落差約60mの岩肌を流れ落ちる美しい滝に苦労して来た甲斐があった。
廻りの新緑が美しいが逆に滝の姿を隠して妨げになるのが嬉しいような悲しいような。
滝の側に紅葉した美しい白滝の案内板があり、
車を数台止められる駐車場もあるので、
紅葉時にはそれなりに人が訪れるのかもしれない。
滝の周辺は狭いので構図が限られ1カットのみ撮影。
冬の寒い時期は氷瀑も見れるようで、
さすがにその時期に来ようとは思わないが秋の紅葉時には訪れてみたい。





特別当の棚田〜宮崎県高千穂町

実は今回の旅の計画に棚田を予定していなかった。
後にして思えば高千穂周辺に棚田百選がたくさんあり、
高千穂を集中して回るのなら棚田も視野に入れておけば良かった。
たまたま案内板を見つけ、まだ11時にもなっていないし今日はスケジュール的に余裕があるのでちょっと寄ってみた。
何にも事前調査していないので、実際にここが棚田百選かわからなかったがかなり標高の高い地区が棚田百選になっている。
早朝時は雲海と一緒に撮れるかもしれない。
この一帯は田植えが遅いと思っていたが所々、代掻きが終わっていた。




竜ケ岩の滝〜宮崎県高千穂町

再び高千穂町に戻り国道325号線を北上し、
四季見原キャンプ場の看板を目印に山道へと入っていく。
5キロほどの道のりだったが、
広い道を優先して進んでいったせいか7キロ以上走ったような気がする。
途中で道を間違えたのでは?と不安になってきたが、
四季見原キャンプ場のナビ設定を信じて進んでいくと無事に辿り着いた。

11時30分、車を止めて約300mの遊歩道を見てホッとする。
ここまで来るのに想定外に時間がかかったので一気に時間を稼ぎたい。
ところがこの300mの道のりが意外と厄介で、
かなり急な階段をひたすら上がることになり、
休み無しでは上がり切れず、スローペースで上がっているうちに時間がかかってしまった。
滝自体は落差もあって迫力はあるが、苦労して来た割には全体像が見えず、
正面から狙おうにも前日の雨の影響で水量が多くて近づけなかった。
仕方ないので下部のみ撮影したものの何とも中途半端な結果となってしまった。
遊歩道の階段はまだ続いていたので、
もしかしたら滝見台があるのかと期待して上がっていったが、
キャンプ場へ続く林道に出てしまった。
来た道を戻るのも大変なので、
帰りは林道を歩いて帰ったものの、
これもまた余計に時間がかかり一気にくたびれた。




常光寺の滝〜宮崎県高千穂町

竜ヶ岩の滝で予想外に時間を費やしてしまったので急いで常光寺滝へ向かう。
国道218号線まで戻り中心部から県道7号線を北上。
後にして思えば県道204号線と県道7号線を結ぶ立派な林道があったので、
その道を走れば時間短縮だったのに気付かなかった。
しばらく県道7号線を走っていると何故か渋滞で車が動かない。
どうやら天岩戸神社の駐車場待ちによる渋滞のようだ。
まともに待っているといつ抜けられるかわからないので、
何とか迂回路を探して天岩戸神社を抜ける。
喉かな山間部の棚田が広がる県道7号線だったが、
県境が近づくと道も狭く険しい道路となりやはり現地に着くまで時間がかかってしまった。



13時50分、常光寺の滝は遊歩道は無く道路沿いから見ることが出来る。
別名、白糸の滝など呼ばれているらしいが、
水量が多いので通常時は岩に流れ落ちて美しいのかもしれない。
同じ高千穂町内と言えど、県境まで狭い道を走り、
先ほどは狭い林道を走り正直言ってこの2か所だけでかなりの疲労感だが、
それに見合う取り高があまりにも少な過ぎることに気付いた。


八戸観音滝〜宮崎県日之影町

来た道を帰るのは案外、体にも精神的にも負担がかかるもので、
ナビで近道を案内してくれないかと期待して設定してみると、
日之影深角ICまで続いている林道を案内してくれて一気に時間短縮。
日之影町に続く国道218号線は大渓谷に架かる橋を何カ所も渡らないといけないが、
意外と走りやすくてあっという間に日之影町へ辿り着いた。
しばらく走っていると小さい案内板があり、
県道237号線に入り廃線の高千穂鉄道の日向八戸駅を過ぎると、道路脇に大きな滝の看板が立っていた。



15時10分、滝撮影をするにあたってこの時刻では既にタイムオーバーだが、
八戸観音滝を最後に選んだのは不幸中の幸いだったかもしれない。
滝周辺は視野が開けて明るいので撮影に特に支障は無かった。
平坦な遊歩道を数分歩いただけで滝に到着。
遠目で見ると単調な滝だと思っていたが、
近づいてみると立派な岩肌に囲まれた約40mの直瀑であった。
不思議なことに水量は少なく近づても水飛沫は無く撮影はしやすかった。


高千穂峡ライトアップ〜宮崎県高千穂町

日中の撮影はこれで終了。
今日1日まともな食事を取ってないので、
地元スーパーで夕食を買って17時頃に腹ごしらえ。
18時頃に滝に近い駐車場へ行ってみると満車だった車もボートの列で大行列だった人も無くなり、
すっかり閑散としていたが、それでもGW期間の観光地だけに観光客はそこそこ見かけた。
ちなみにボート営業が終わる夕方になると駐車場も無料となる。



例年、高千穂峡のライトアップは夏場のみだと思っていたが、
今年は令和元年ということもあってかどうかはわからないがGW期間中もライトアップされることを知り、
特に夜の予定も無かったので計画を立てたものの、
翌朝を生駒高原にしていたので、今日は本当に行ったり来たりで余計に車を走らせてしまった。
高千穂峡のライトアップは知名度が低いのかカメラマンの姿もあまり見かけず、観光客もやっぱり疎ら。
ライトアップは早くから行われていたので、
後は暗くなるまで周辺を散策しながら時間を過ごす。
ライトアップイベントがあるならせめて売店くらい開ければ良いのに、
観光地だけに夜になってまで稼ごうと思わないのか早々と閉店していた。
夕方になってやっと雲が掃けて空が明るくなってきた。
太陽が隠れて夕暮れ時の19時頃に照明も徐々に目立ち始めて撮影開始。
もう少し照明を明るく全体に照らしたら人気が出るかもしれないが、
この程度のライトアップだと、わざわざ来て見ようという気にはなれず、
画像で見ると明るく写っているが、実際はかなり暗いので期待して行くとガッカリするかもしれない。



少し早いが今日の撮影はこれで終了。
まだ時間も早いし夕食も済ませたので、
少しでも気力体力が残っているうちに生駒高原へ向かった。




写真館 二千年一夜