生駒高原ポピーまつり〜宮崎県小林市

高千穂から生駒高原まで約160キロの道のり。
時間にして5時間30分あれば着く予定。
素直に人吉経由で広い道を走れば良かったのだが、
国道265号線を走って白滝に向かっている時に小林市155キロの標識を見かけたので、
狭く険しい峠があることを知っても怖いもの走りたさのせいか、ついそっちを選んでしまった。
確かに狭く険しい道もあったが、所々広い道も有り、
それはそれで知らない道や街を走るのは楽しいものである。
順調に国道265号線を南下していたが、
西米良村内の国道219号線が通行止めという看板があり、
265号線とは関係無いと思ったが、
進む方向に通行止めの看板があるのは気持ち悪い。
このまま無理して進むよりナビが案内した国道388号線を走った方が無難なので、
少し遠回りになってしまったが国道265号線の南下ルートは断念した。
それが不幸中の幸いだったのか、国道388号線は走りやすい道路で、
やっぱり近道よりも広く走りやすい遠回りの道路を選ぶべきだと改めて思ったのだが、
多良木で再びナビに背いて小林市の標識に沿って県道143号線を走ると、
狭く険しい県道で走っても走っても前に進まず、
それでも日付が変わって1時頃に国道265号線に入り須木地区で力尽きて仮眠を取った。

4時頃に目が覚めて少し車を走らせると、
高千穂から約170キロ振りにコンビニを見つけて、
とりあえず眠気覚ましのコーヒーと朝食用のパンを購入。
そのまま生駒高原を目指した。
県道1号線に入って小林ICを過ぎると花の駅生駒高原に到着。
さすがに5時20分は早すぎるし、
東の空は霞んでいるのでどこかで写真を撮りに行く気にもなれず駐車場で再び仮眠をとる。
時間が経つにつれて太陽は昇って辺りは明るくなっていた。
霧島山北東部の夷守岳北麓に広がる標高400〜500メートルのところらしいが思ったほど寒く無い。
開園は9時からだが事前に電話で確認してみると、
GW期間なので通常より早めに開園しているとのこと。
時間を弄ばしていると、係員らしき人が来たので一足早く中に入らせてもらった。







夷守岳を背景に広がるポピーは構図的にも素晴らしかったが、
朝が早いせいかポピーが思っていた以上に咲いていない。
電話で言っていたが、ポピーは太陽の日差しを浴びて花を開かせるので、
朝よりも午後の方が良いらしい。
しかも事前情報だと2日目で8分咲きなので今日あたりが満開だと思っていたが、
蕾が多くこれだと半分満開で半分は5分咲といったところだろうか。
例年の天気だと一斉に咲き誇るのだろうけど、
今年は桜を例にとっても疎ら咲く傾向のようだ。
ある程度覚悟はしていたがどうしても観光客は入れたくないしスケジュール的に無理があるので朝しかタイミングが無かった。
お蔭で撮影はしやすかったが取れ高は思ったほど少なく、
苦労して来た甲斐があったのかは微妙であった。


須木の滝〜宮崎県須木村

国道265号線を再び北上して須木まで戻る。
ままこ滝キャンプ場に着いたが車を止める場所がわからず、
案内板を見ると、キャンプなどが楽しめるレジャー施設「すきむらんど」に車を止めて散策出来るらしいのでそちらへ移動。
8時30分、駐車場のせいで余計な時間を使ってしまったが無事に到着。
GWということもあって園内はキャンプ客で賑わっており朝から天気が良くてまさにキャンプ日和。
滝に続く遊歩道は無く有料の吊り橋から眺めることになる。
ちょうど順光で水飛沫に虹が出来ていたが、
これも駐車場探しに時間を費やしたお蔭なのだろうか。
人が歩いたり風で微妙に揺れるので、シャッタースピードを高めに設定してシャッターを切る。
ダムにより落差は20mくらいになってしまったらしいが、
この日はダムの水位がかなり下がっており本来の40mくらいまで落差があったかもしれない。
遠く離れていても迫力は伝わったが近くで見れないのは残念である。
ちなみに、子を滝つぼに突き落とそうとした継母がそのはずみで共に落ち込んでしまったという悲話から「ままこ滝」とも名付けられている。
「子」はともかく「まま」は明治頃に出来た言葉だったと思うので、
そう思うと何だか最近の話のような気がしてしっくりこない名称だと思ってしまった。




千尋の滝〜宮崎県綾町

ダム湖沿いの県道26号線を走って綾町を目指す。
地図を見ての通りかなり険しい道で苦労した。
途中、立派な照葉大吊橋があり思わず寄ってみたいと思ったが時間の都合上通過したが、
後で調べてみると歩道吊橋としては世界一の規模らしいので、やはり寄ってみれば良かった。
世界一というだけあって観光バスもやってくる観光名所なので、
吊り橋を過ぎると道路も広くなって走りやすかった。
しばらく走っていると小さな案内板があり、道の悪い遊歩道を数分歩くと千尋の滝があった。
10時20分、やはり県道26号線の悪路で意外と時間がかかってしまった。
元々悪いのか、災害で悪くなったのかわからないが、
滝の周辺は土砂崩れでかなり荒れている。
法面の工事が行われているので、もしかしたらGWを過ぎると工事が再開して滝には近づけないかもしれない。
約15mと小規模な滝ではあるが周りが緑に囲まれて美しく、
また滝に日差しが当たって綺麗だった。
滝に枝がかかってしまうので出来れば正面から狙いたかったが足場が悪いので渋々1カットのみ。





祇園の滝〜宮崎県木城町

綾町から県道40号線を北上し、
国道219号線を過ぎると県道22号線に入ってさらに北上。
順調に車を走らせていたが、小丸川渓谷を過ぎた辺りから急激に道が狭くなり、
綺麗な渓谷美を楽しむ暇も無いくらい要注意しながら前に進む。
事前調査によるとかなり立派な滝で楽しみにしていたのだが、
何と災害工事のため通行止めとなっていた。
12時20分、かなり移動時間を費やしてここまで何のために来たのだか・・・
後で木城町のHPを見ると、しっかり通行止めと記載されていた。




観音滝〜宮崎県東郷町

国道446号線に合流して日向市を目指す。
ここで右折すれば良かったのだが、何故か左折して国道386号線を走ってしまい遠回り。
国道327号線に入って東郷町をしばらく走っていたが案内板らしきものは無く、どうやら通り過ぎてしまったようだ。
事前に調べておいた地図を頼りに大谷地区から大谷川沿いに続く林道を進んでいく。
案内板は無かったが地区内にある案内板に観音滝が載ってあったので間違いは無いはず。
先に進めば進むほど道の悪い林道となり、
万が一、木材運搬車がやってくればとんでもないことになる。
いつまでこの道を走り続けば良いのか不安になってきたその時、
何と道にウリ坊が道を塞ぎ、追い払おうとしても逃げようとしない。
ウリ坊の近くに親がいる可能性があるので、
うかつにその場に止まるのは危険なので急いで引き返した。
一応、日向市HPに滝は記載されていたが、
道が道だけに案内板は無くあまり観光資源として力を入れていないように思えた。
後少しで行けたかもしれないだけに非常に悔やまれる。




大斗の滝〜宮崎県美郷町

国道327号線を再び西へ戻り美郷町へ入ると大きな案内板があるので迷うことは無かった。
大きな案内板に立派な駐車場、キャンプ場は河川プールなど多くの観光客がやって来そうなスポットかもしれない。
14時20分、この時点で3ヵ所目の滝に到着。
やっと晴天に恵まれたGWなのに移動時点に費やしてしまい何とも勿体無い時間を過ごしてしまった。
滝に続く遊歩道は歩きやすくて誰でも気軽に訪れることが出来で、
かなり時間が押していたので助かった。
この旅最後にしておせりの滝は最高の美しさを見せてくれた。
午後の日差しが滝周辺の新緑に当たり、訪れる時間帯としては今が絶好のタイミングだった。
約70mとかなり高い落差が3段に分けて落ちていく姿を
3ヶ所の展望所から望むことが出来て、
目の前で見ることの出来る3段目と全体が見える1段目の展望台が素晴らしい。
ここまでフィルムをあまり消費することは無かったが、
この滝のために充電したと言っても過言じゃないくらいフィルムが消費していった。
あと1ヵ所、展望台があるが随分前から遊歩道が壊れて立ち入り禁止となっている。
滝をまじかで見れそうだが水飛沫で撮影は難しいかもしれない。


※下段、中段、上段の展望台。原生林に囲まれた滝の姿が美しい

平成から令和に変わるこの3日間、
これと言った手応えも無くただドライブしただけの旅になったと思っていたが、
最後にして大斗の滝に出会い何だか報われたような気がした。
通行止めだったりウリ坊だったり遠回りしたりと、
いろんな苦難の道のりだったけどすべてにおいて意味があったのかもしれない。
アクセスの良いし遊歩道も綺麗なので日本の滝百選になってないのが勿体ないくらいで、
この滝なら十分観光資源として観光客を呼び込めると思う。


舟方轟〜宮崎県美郷町

事前調査をしている時に見つけた渓谷。
時間があれば寄ってみようと少しだけ気に掛けていた。
国道388号線を門川町に向かっていく道路沿いにある。
15時50分、太陽も西に傾き渓谷に日差しが当たっていなかったので撮影はしなかったが、
新生代古第3期地層からなる四万十累層群(1億3千万年〜7千万年前)と言われ、
地向斜性堆積物でできた砂岩と頁岩砂岩互層の断層が急流によって侵食形成されたものと推定されています。
ということでかなり専門家にとってはかなり凄い場所らしい。
廻りの新緑が綺麗なので午前中とかだと面白い写真が撮れたかもしれない。



これで今日の撮影は終了。
佐賀までナビを設定すると約170キロ、16時に出発して約5時間くらいの道のりだろうか。
県道20号線を北上して延岡に入り、後は今回の旅で走り慣れた国道218号線を西に向かって走る。
日之影、高千穂、五ヶ瀬と昨日見た光景がどことなく懐かしくもあり寂しくもあった。
いつか行ってみたいと思っていた高千穂。
次はまたいつか来ようと思った宮崎の旅であった。





写真館 二千年一夜