備中はやしま夏まつり〜岡山県早島町

今日から9連休の夏休み初日ということで、
白浜から那智勝浦にかけて和歌山遠征を計画していた。
ところが台風10号の影響で白浜、那智勝浦ともに延期となってしまい、
和歌山遠征が幻となってしまった。
延期発表されたのが2日前というのが不幸中の幸いだったが、
それに代わる代替え案はまったく考えておらず、
今更、淀川や袋井など大きな花火大会へ行く気力も無いので、
今年の夏は台風の動きも定まっていないことから日帰りで行ける所に限定した。
その分、8月後半はちょっと遠出しよう。

この日の近場といえば早島と温泉津があるが、
温泉津は去年行っているので早島を選んだ。
早島といえば早島IC付近でいつも国道2号線が渋滞するイメージしか無いのだが、
果たしてどこで花火が上がるのかまったく見当が付かなかった。
家を出たのは15時20分頃。
帰省などで渋滞しているかと思ったが、混んでいるのは山陽道であって思いのほか国道2号線は空いていた。
2時間くらいで早島町内に入り、臨時駐車場の早島小学校へ行くと既に満車。
少し離れた所にパチンコ屋のマルハチが臨時駐車場になっているのでそこへ止めた。





お祭り会場は役場の隣にあるグラウンドで行われるようで、
マルハチから約1キロの道のり。
17時を過ぎているので影に入ると涼しいが日差しが当たるとやはり暑い。
それにしても早島という街はまったく想像付かなかったが、
実に道が狭く入り組んでおり、県道でもトラックが来るとすれ違うのが大変なくらい道が狭い。
そんな道沿いに古い建物が多く残っており、
なまこ壁の土蔵や格子の窓、新築でも街の雰囲気を壊さないような設計になっており、
実は早島はかつて藺草で栄えた街であり、
また金毘羅往来として多くの旅籠や茶屋があったらしい。
確かに街を歩いているとそんな面影が見えてくる。
歴史を紐解けばもっと奥が深いのだろうけど、
いつも渋滞する通過点の街の見た目が変わった。

会場になっているグラウンドにはたくさんの人が集まっており、
たくさんの露店が並び美味しそうな香りが漂っている。
グラウンドの真ん中に盆踊りの櫓が組まれて、
花火と一緒に撮っている写真を雑誌などでよく見かける。
肝心の花火はどこから上がるのかが今回の最大の謎だったが、
早島駅から南に約200m離れたところに筒場が設けられていた。
早島という地名だけにかつて島だったところが干拓で広大な田園が広がり、
5号玉くらい上がりそうな雰囲気だが、
どうも3号玉も無いようなかなり小規模な筒が並んでいるように見えた。
広大な田園風景の中にポツンポツンと民家があるので仕方無いのか、
刈入れ前の稲を花火玉の燃えカスで傷つけないように最小限に演出を押さえているのか、
これだと会場から400m離れているので会場から見るにはちょっと物足りないかもしれない。
構図的には早島駅を挟んで雰囲気のある絵になればと思って散策してみたが、
どうもこれという場所が無かったので止めた。
小学校付近は道の狭く古い家が並んで雰囲気は良かったが、
駅周辺は綺麗に整備されて再開発した様子である。
駅附近にある駐車場が1日200円で止められるのでそこに止めれば良かった。







撮影場所を探し求めて田園風景が広がる早島駅の南側を散策してみた。
撮ろうと思えばどこからでも撮れるが、前景になるものが何も無い。
所々水路があるので花火の明かりで反射すれば面白い絵になるかもと思い構図を練った。
ただ道路は通行止めにならないので、車の抜け道になっている道路を避けて、
あまり通らなさそうな道沿いから狙うとなると、約130mしか離れていない被りつきの場所となってしまった。
2.5号玉なら大丈夫だと思うが、今日は絶対必要無いと思って広角レンズを持参していない痛恨のミス。
やはり横着をしては駄目だ。
台風が近づいていると夕焼けが赤く染まるが、今日も西の空は凄い夕焼けに染まっており、
廻りに高い建物が無いので空が大きく感じられた。
花火打上は20時25分と遅い始まりで時間を持て余してしまったが、
刻一刻と変化している空を見ていると不思議と時間は早く流れていった。



会場からカウントダウンの声が聴こえてきて、20時25分に花火が打ち上がった。
予想以上に高く上がり28mmのレンズではフレームアウトしてしまった。
これでは前景に水路を入れる意味が無いが、せっかくなのでしばらく留まって撮影。
10分ほどして距離を取ろうと北側へ少し移動。
どこからでも見れる好条件の現場だったので助かった。
何とか28mmでスッキリ収まる構図になり、
たった数十メートル移動しただけでこの違い、距離の重要さを痛感させられる。
約700発の打ち上げなので15分ほどで終了。
さほど過度な期待はしていないこともあり、近くで見れたのでそれなりに楽しめたが、
やはり花火を見るだけの目的で来るには物足りなさがある。
今回、早島という街に少しだけ触れることが出来たので、
もし次があるとしたら、街の歴史と共に散策すると面白いかもしれない。
その時こそは広角レンズを持ってこなければ。

マルハチの駐車場に戻って来たのは21時20分くらいで、
会場から離れた国道2号線に隣接しているということもあってスムーズに帰ることが出来た。
もし小学校に止めていたら22時になっても国道2号線に入れなかったかもしれないので、
マルハチに止めることが出来たのは不幸中の幸いだった。




写真館 二千年一夜