鬼面台の雲海〜岡山県川上村

前日は久々に豊栄町の板鍋山へ雲海を撮影しに行ったが、
予報に反して曇りが広がり霧も出ず、
しかも山頂へ続く道が土砂災害で通行止め。
乃美方面から行けるかもしれないが、霧が無いので行く気にもなれずそのまま空振りで終わった。
天気図を見ると昨日より今日の方が条件が良さそうだし、
紅葉撮影を兼ねて蒜山へ行くことにした。
3時00分過ぎに家を出発。
朝食の買い出しやガソリンを入れているうちに高速道路に入ったのが3時20分頃。
下道だと3時間以上かかるが、高速道路だと2時間くらいで蒜山まで行くことが出来る。
ただ2300円の出費は痛いので何が何でも良い結果を残したい。
今日は確実に凄い景色に出会える自信があったので敢えて奮発して高速道路を利用した。
ところが普段なら高梁に入った辺りから出るはずの霧が出ない。
落合で少し霧があったものの濃霧注意報が出るような量ではなかった。
米子道に入って湯原を過ぎた辺りから道路が濡れているので深夜に雨が降ったのだろう。
これは予報通りで既に上空は星空が広がっており気温も下がっているので霧が出ても良さそうなものだが、
結局、蒜山に入っても霧の姿は一切無かった。
風があったのか湿度が低かったのか・・・
5時過ぎに蒜山に着いたが、残り1時間でモクモクと霧が出る訳も無く雲海撮影は絶望的だった。






※蒜山上空は生憎の曇空。鬼面台附近のススキは既に見頃を過ぎていた。
 10月上旬くらいが見頃だったみたい。

鬼面台に来たのは2003年以来、16年振りと随分と間が空いた。
雲海スポットにしては楽に行ける場所ではあるが、
街中に雲海が溜まるので鬼面台からは距離があり、
雲海ポイントにしては個人的にあまり好みじゃないので時間が空いてしまったのかもしれない。
今回、鬼面台に訪れたのは、ただ雲海を撮りに来たのではなく、
朝日に輝くススキと一緒に雲海を撮りたいと思っていたからなのだが・・・
まさか霧が発生していないとは完全に想定外。
駐車場には既に車がたくさん止まっていたが外で待機しているカメラマンの姿はあまり見かけなかった。
このコンディションで機材をセットする気にもなれないが、
せっかく来たので外へ出てみると、
以前無かったであろうススキ野の遊歩道と展望台があった。
数百メートル先にある展望台は景色が開けて、
この時期でも御来光がよく見れるのが良い。
駐車場からでも撮影は出来るが展望台周辺はススキが広がり、
太陽が出れば面白い絵が撮れるに違いない。
一応機材を持って展望台で朝日が見れるまで待機。


※駐車場から展望台まで撮影場所はたくさんあるが構図の好みによっては場所も限られる。

6時30分頃に太陽が顔を出し始めると、
周りのススキの日差しが当たり輝き出した。
上空は雲が広がっているので、その光景はあっという間に消えてしまいシャッターチャンスはほんの5分あったかどうか。
雲海は見ることが出来ず理想の光景ではなかったが、
事前調査でいろいろわかったので来て良かった。
今年は例年より1週間遅れなのでススキや紅葉を狙うなら10月上旬から11月第一週くらいが良さそうだ。
今日のデーターを生かすためにも来年、もう一度訪れようと心に決めた。


※ガードレースを隠すか隠さないかで構図の好みが微妙に変わって来る。


※太陽が出るとススキが輝いて綺麗。周りの山々も赤く染まるこの光景は10月下旬から11月上旬にかけてがベスト。
 今年は1週間遅れなので今でも見頃が続いていた。






福田神社の大イチョウ

鬼面台を降りてちょっと道の駅に寄り道。
野菜市では蒜山で採れた白菜やキャベツなどたくさんの野菜が並んでいて美味しそうだった。
今の時期、鍋をするなら朝一に道の駅へ行くのが良い。
次の目的地は大宮踊で有名な福田神社へ向かう。
7時40分、福田神社に到着。
境内に2本の大きなイチョウの木があり真庭市天然記念物に指定されている。
色付きは真っ黄色という訳じゃなく5分から7分染めといったところ。
せっかく来たので一応撮影。
たまたま昨夜にテレビで神社仏閣のバラエティを見ただけに、
ちょっと神社境内で好き勝手に撮影するのは気が引けるが、
気持ち的には聖域で撮らせてもらっている気持ちで撮影させてもらった。




徳山神社のモミジ

8時40分、徳山神社へ移動。
ここの神社はイチョウとモミジの気があり、
黄色と赤色のコラボでまさに今が見頃で楽しみにしていた。
徳山神社に着いた時、宮司が何やら準備をされており、
これから何か行事が始まるのかもしれない。
邪魔になってはいけないので急いで撮影して撤収しようと思ったのだが、
こういう時に限って太陽が雲に隠れてなかなか撮影出来なかった。
太陽は出ては隠れての繰り返し、
何とか一瞬のチャンスを見逃さないように太陽が出た瞬間を狙ってシャッターを切った。
イチョウ、モミジ共に綺麗に染まっており、
紅葉スポットとしては小規模だが、それでも十分見応えがあった。
意外と訪れる人は殆どおらず撮影はしやすかった。



9時を回った辺りからスーツを着た人たちがやって来て、
やはり何か行事が行われるようだった。
早めに撮影を終えて良かったが、
これがもし雲海が出ていれば撮影は霧が晴れる10時以降だったので、
その時間帯だと思うような撮影が出来なかったかもしれない。
そう思うと今日は霧が出なかったのは不幸中の幸いだった・・・と思うことで、
高速代とガソリン代をかけてここまで来たことが浮かばれるような気がした。


野土路乢

今回どうしても現地調査をしてみたかった場所が野土路乢(のとろとうげ、のとろたお)
蒜山三山や大山南壁、蒜山高原が一望出来る場所で、
雲海はもちろんススキが広がる草原があるらしい。
何度か蒜山に訪れているのに野土路は何故今までノーマークだったのか不思議でならないが、
今回は時間を割いてでもここを徹底的に調査したいと思った。

9時50分、野土路トンネルの入り口前に旧道があり、
その付近がススキが広がる草原があり、
左手に三平山、正面に大山、右手に蒜山が見える。
残念ながら大山は雲に隠れてあまり見えないが、
ススキが広がっているので朝や夕方は面白い写真が撮れそうだった。
旧道と林道の分岐点があるが、
さらに旧道を進んでいくとススキの草原を見下ろす場所があった。
ただ草木が生い茂っているので撮影するにはちょっと無理があるのと、
何と言っても整備されていない昔の道なので愛車が枝で傷ついて困るような人はオススメ出来ない。
かと言って車を降りての一人歩き行動はクマ出没地なので要注意。
車では数百メートル先までしか行けないので、
行けるところまで行ってそこで常備していた脚立を使って調査記念に1カット撮影した。


※左:県道沿い、右、林道沿い

個人的にはとても素晴らしいススキの草原が気軽に見れないのは非常に勿体無い。
道路を管理して展望台を作れば蒜山の観光資源になると思うのだが。
林道を進んでいくと三平山山頂まで50分ほどで行ける登山道があり、
今日はたくさんの車が止まっていた。
興味が無い訳ではないが標高1000mからの雲海撮影は少しリスクがあり、
林道の途中に蒜山三山が見れる場所があるので、
いつかここからも雲海を狙うのも悪く無い。


※旧道より脚立使用

これで今日の予定は終わりこのまま下道で庄原経由で帰る。
順調に走れば14時までに家に戻る予定だったが、
ちょうどトロッコおろち号の時間が合ってしまったので、
13時20分、油木駅発をトンネル出入り口ポイントで狙う。
紅葉はそれなりに色付いて秋らしさがあったが、
肝心の日差しが無く寒いお昼時であった。






写真館 二千年一夜